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せん6歳
調教師:J.ゴーヴァン(フランス)
後方一気の末脚が最大の魅力。ここまで19戦して4着以下は1度だけという安定感も光る。ただし今回は初の国外遠征。また、2つのG1勝ちは重馬場と不良馬場でのものだけに、良馬場になった時の対応が鍵になる。
これまで一貫してフランスで出走。3歳(2020年)8月にデビュー2戦目で初勝利を挙げると、そこから7連勝で2021年6月のラクープ(G3・芝2000メートル)を制して重賞初制覇。同年9月のフォワ賞(G2・芝2400メートル)ではディープボンドの3着に入った。2022年はさらに上向きとなり、重馬場のフォワ賞で最後方からの追い込みを決めて勝利すると、続く不良馬場のロワイヤルオーク賞(G1・芝3100メートル)でも後方から差し切って快勝。G1初制覇を果たした。今年は4月に重馬場で争われたガネー賞(G1・芝2100メートル)を最後方から追い込んで優勝。その後、約4か月半ぶりとなった9月のフォワ賞は追い上げ及ばず2着だったが、続く前走10月のコンセイユドパリ賞(G2・芝2200メートル)では後方から鋭く伸びて勝利。5度目の重賞制覇を果たした。
牡4歳
調教師:木村哲也(美浦)
1分55秒2のJRAレコードで天皇賞(秋)を連覇。世界トップクラスの実力を示すとともに、あらためて“国内敵なし”を印象付ける圧勝だった。東京・2400メートルは日本ダービー2着のコース。今回も当然の主役候補だ。
昨年の天皇賞(秋)でGⅠ初制覇。その後は有馬記念、ドバイシーマクラシック(G1・UAE・芝2410メートル)、宝塚記念、そして連覇した天皇賞(秋)と5連勝中だ。世界の強豪相手に楽勝したドバイシーマクラシックも驚かされたが、やはり特筆すべきは前走の天皇賞(秋)だろう。1000メートル通過タイム57秒7というハイペースで逃げるジャックドール(11着)を視野に入れる格好で3番手を進み、他馬が次々と失速していくところを本馬はさらに加速。最後は独走状態に持ち込んで、驚異的な時計で連覇を成し遂げた。今や日本競馬史上最強の呼び声もある本馬。日本ダービー2着以来となる東京・芝2400メートルでも強さを見せつける。
牝3歳
調教師:中内田充正(栗東)
史上7頭目の三冠牝馬。オークスの勝ち時計は翌週の日本ダービーより2秒1も速く、世代最強の声も上がっているほどの脚力の持ち主だ。今回はそのオークス快勝の舞台。初の他世代相手だが、戴冠の可能性は十分にある。
2着に敗れたアルテミスSを含め、ここまで6戦全てで抜群の末脚を発揮してきた。牝馬三冠を振り返ると、桜花賞はとても届くまいという位置からの追い込み勝ち。逆にオークスはしっかりとポジションを取って、直線で他馬を引き離す圧勝。秋華賞は3コーナー過ぎからひとまくりでの快勝だった。特にオークスでマークした2分23秒1という時計は、あのアーモンドアイのオークスの勝ち時計を0秒7も上回るもの。そのアーモンドアイが同年の秋にジャパンカップを勝っていることから、本馬にも他世代撃破の期待が高まるのは当然と言える。先輩の牝馬三冠馬に続けるか、注目だ。
牡4歳
調教師:友道康夫(栗東)
前走の天皇賞(秋)は、当日に主戦の武豊騎手が怪我のため騎乗変更になるアクシデントもあって、7着に敗れた。東京・2400メートルは日本ダービーでイクイノックスを退けた条件。巻き返しを期す。
国内で3着以内を外したのは前走の天皇賞(秋)の7着だけ。レースでは折り合いを欠くシーン。さらに加えれば、出走取消となったドバイターフからの帰国初戦という臨戦過程も含めて、力を出し切るのが簡単ではない条件がそろっていたとも言える。この中間は、巻き返しを期して熱心に調教を消化。16日の1週前追い切りでは、栗東CWコースで6ハロン80秒1、ラスト1ハロン11秒1という好時計を出してきた。2月の京都記念(1着)以来となった天皇賞(秋)を1度使って、上昇は確実視できるところ。日本ダービーと同じ東京・芝2400メートルなら、本来の姿が見られそうだ。
牡5歳
調教師:栗田徹(美浦)
一昨年の菊花賞、昨年の天皇賞(春)と宝塚記念でGⅠを3勝。今年の天皇賞(春)は競走中止となったが、それ以来だった前走のオールカマーではこの馬らしいスピードと粘りを見せて、次への期待を抱かせるに十分な2着に入った。今度こそ真価発揮といきたい。
昨年同様、今年も日経賞から始動。昨秋の2戦がともに大敗だっただけに状態面を懸念する声も聞かれたが、結果は8馬身差の圧勝。天皇賞(春)連覇も大いに期待されたが、無念の競走中止となった。仕切り直しとなった前走のオールカマーは2着とはいえ、本馬らしさが十分に窺える逃げ粘りで、復活の兆しを見せた。この時の3着馬ゼッフィーロが次走のアルゼンチン共和国杯を勝ち、5着馬ガイアフォースが次走の天皇賞(秋)で5着と、メンバー的にも価値ある力走だったと言える。何しろGⅠ3勝馬で、昨年の宝塚記念ではコースレコード勝ちしたスピードがある。久しぶりの東京でも好勝負が可能だろう。
牝4歳
調教師:高柳瑞樹(美浦)
昨年の牝馬二冠馬。今年初戦の大阪杯ではジャックドールとハナ差の2着に入り、牡馬相手でも互角に戦えることを証明した。天皇賞(秋)は挫石のため回避したが、順調に乗り込まれ、大きな影響はなさそう。軽視はできない。
驚かされたのは前々走の大阪杯だ。繋靱帯炎明けで昨年の秋華賞(3着)以来の実戦。休み明けに良績を残す馬とはいえ、必ずしも完調とは言えない状態であったはずだが、出遅れがありながら猛然と追い込んでの2着は力があればこそ。その後、春はヴィクトリアマイル3着で切り上げて秋に備えたが、復帰予定の天皇賞(秋)は挫石のため出走回避となった。幸い大事には至らなかったようで、翌週には調教を再開し、しっかりと乗り込まれている。昨年の桜花賞とオークスを好時計で勝った逸材。加えてデビュー以来、常に3着以内という堅実派でもある。相手強化のここでも上位争いになりそうだ。
牡6歳
調教師:矢作芳人(栗東)
昨年ドバイターフ(UAE・芝1800メートル)は同着でのG1初制覇。そして今年は、日本馬初となるサウジカップ(G1・サウジアラビア・ダート1800メートル)優勝を果たした。繋靱帯炎明けは気になるが、日本が誇る快速馬のレースぶりに注目が集まる。
一昨年の福島記念で重賞初制覇。翌年は中山記念制覇をステップにドバイターフ(G1・UAE)を1着同着で優勝。中距離でのスピードがワールドクラスであることを示す大きな1勝だった。昨年の天皇賞(秋)はイクイノックスの末脚に屈したものの、歴史に残る大逃げでしぶとく粘り込んで2着。今年はサウジカップ(G1・サウジアラビア)から始動し、鮮やかな逃げ切りで海外レース2勝目を挙げた。続くドバイワールドカップ(G1・UAE・ダート2000メートル、10着)後に繋靱帯炎で休養。今回はそれ以来となるが、11月9日に帰厩後の初時計を出して以降、順調に乗り込まれている。今回は初距離になるが、再び世界をアッと驚かす逃走劇を期待したい。
牡6歳
調教師:渡辺薫彦(栗東)
昨年のジャパンカップの勝ち馬。今年は苦戦が続いているが、海外遠征や休養明けなど、本来の力を発揮できない条件下だったことも事実だろう。京都大賞典からの臨戦は昨年と同じ。一気の変わり身があっても驚けない。
昨年は3勝クラスのジューンS(東京・芝2400メートル)、京都大賞典と連勝して勇躍挑んだジャパンカップでも1着。一気に頂点へと登り詰めた。当時の勢いのすごさはさることながら、話題になったのがジャパンカップの勝ち方。直線は馬群の真ん中で、一体どこに進路があるのかといった状況だったが、名手R.ムーア騎手に導かれて内へ進路を取ると、そこから抜群の伸びを見せてゴール寸前で先頭をかわし切った。鞍上の手腕が光ったうえ、最後まで集中力を切らさなかった本馬の精神面の強さも窺える勝利だった。その後は我慢の競馬が続いているが、1年ぶりの東京コースで連覇を目指す。
牡4歳
調教師:堀宣行(美浦)
昨年のジャパンカップは、直線半ばで先頭に立つ場面があっての5着。あれから1年、勝利には手が届いてはいないものの、国内外の強敵にもまれ、パワーアップは間違いないところ。念願のビッグタイトル獲得へ、今年も全力投球だ。
3歳時は皐月賞、日本ダービーをともに4着。同年秋の天皇賞(秋)は3着、ジャパンカップは5着だった。今年初戦のドバイターフ(G1・UAE・芝1800メートル)が2着。帰国後は札幌記念4着、天皇賞(秋)4着と、重賞勝ちは共同通信杯のみながら、国内外を問わず上位争いに加わっている。反面、詰めが課題とも言えるが、前走の天皇賞(秋)では、イクイノックスを目標に動いた組では一番の頑張りを見せた。騎乗したJ.モレイラ騎手も「次のレースのいい結果につながると思うので、また次が楽しみですよ」と前向きなコメントを残していた。宿敵撃破とGⅠ初制覇を両方かなえることができるのか、注目だ。
(外国馬=秋山 響(TPC)、日本馬=山下 健)
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