アーモンドアイがコントレイル、デアリングタクトとの“三冠馬対決”を制し、ラストランでJRA・GⅠ8勝の金字塔を打ち立てた2020年。コントレイルが有終の美を飾った2021年。ジャパンカップでは秋の東京開催を締めくくるにふさわしい名勝負が繰り広げられてきた。果たして、今年はどのようなドラマが生まれるのだろうか。過去10年の結果から、レースの傾向を分析する。
過去10年の枠番別成績を見ていくと、1枠が最多の4勝を挙げている。JRA所属馬に限れば〔4・3・1・5〕で勝率が30%を超え、3着内率に至っては60%を超える数値となる。2枠と3枠もそれぞれ2勝を挙げるなど活躍が目立つことからも、内寄りの枠に入った馬は評価を上げるべきだろう。〔表1〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 4-3-1-9 | 23.5% | 41.2% | 47.1% |
2枠 | 2-0-4-13 | 10.5% | 10.5% | 31.6% |
3枠 | 2-1-2-15 | 10.0% | 15.0% | 25.0% |
4枠 | 1-2-0-17 | 5.0% | 15.0% | 15.0% |
5枠 | 0-2-0-18 | 0% | 10.0% | 10.0% |
6枠 | 0-1-0-19 | 0% | 5.0% | 5.0% |
7枠 | 1-1-2-20 | 4.2% | 8.3% | 16.7% |
8枠 | 0-0-1-26 | 0% | 0% | 3.7% |
過去10年の単勝人気別成績を調べると、優勝馬延べ10頭はいずれも5番人気以内だった。2着も10頭中8頭が5番人気以内で、6番人気以下で3着以内に入ったのは2016年3着のシュヴァルグランが最後。近年の傾向を重視するのであれば、上位人気馬を軸に予想を組み立てるのが無難だろう。〔表2〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-1-2-2 | 50.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 0-2-3-5 | 0% | 20.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 2-1-1-6 | 20.0% | 30.0% | 40.0% |
5番人気 | 1-2-0-7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 0-2-2-36 | 0% | 5.0% | 10.0% |
10番人気以下 | 0-0-1-76 | 0% | 0% | 1.3% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中20頭は前走もJRA・GⅠで、そこで勝利を収めていた馬は〔2・1・4・1〕(3着内率87.5%)と抜群の安定感を誇る。一方、前走がJRA・GⅠであっても、勝ち馬と1秒以上のタイム差で敗れていた馬は〔0・0・2・23〕と振るわず、大敗からの巻き返しが難しいことがわかる。なお、JRA・GⅡからの臨戦で優勝した3頭は、いずれも前走が京都大賞典だった。同レースで1着、または2着以下でも勝ち馬とのタイム差が0.2秒以内であれば〔3・1・0・8〕(3着内率33.3%)となっているので、これに該当する馬の出走があればマークが必要だろう。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA・GⅠ | 7-6-7-48 | 10.3% | 19.1% | 29.4% |
JRA・GⅡ | 3-3-3-44 | 5.7% | 11.3% | 17.0% |
海外 | 0-1-0-29 | 0% | 3.3% | 3.3% |
その他 | 0-0-0-16 | 0% | 0% | 0% |
東京・芝2400メートルではジャパンカップに加え日本ダービー、オークスと3つのGⅠが行われる。過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭はこれらのレースで3着以内に入った実績を持ち、2017年以降の6回に限れば、該当馬が〔5・4・6・22〕(3着内率40.5%)と3着以内馬の大半を占めている。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 7-5-7-38 | 12.3% | 21.1% | 33.3% |
なし | 3-5-3-99 | 2.7% | 7.3% | 10.0% |
過去10年の優勝馬は5歳以下の馬に限られ、そのうち8頭にはJRA・GⅠの優勝経験があった。また、騎手に目を移すと、JRAのリーディング上位の騎手と海外所属の騎手の活躍が顕著で、海外所属騎手がJRA所属馬に騎乗したケースに限ると、〔5・2・2・14〕という好成績をマーク。当レースでGⅠ初制覇を飾った2頭も海外所属騎手が騎乗していた。年齢や騎手、GⅠ実績を参考に絞り込みたい。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 騎手 | JRA・GⅠ勝ち鞍 |
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2013年 | ジェンティルドンナ | 4歳 | R.ムーア | ジャパンカップ、オークスなど |
2014年 | エピファネイア | 4歳 | C.スミヨン | 菊花賞 |
2015年 | ショウナンパンドラ | 4歳 | 池添謙一 | 秋華賞 |
2016年 | キタサンブラック | 4歳 | 武豊 | 菊花賞、天皇賞(春) |
2017年 | シュヴァルグラン | 5歳 | H.ボウマン | なし |
2018年 | アーモンドアイ | 3歳 | C.ルメール | 桜花賞、オークス、秋華賞 |
2019年 | スワーヴリチャード | 5歳 | O.マーフィー | 大阪杯 |
2020年 | アーモンドアイ | 5歳 | C.ルメール | ジャパンカップ、天皇賞(秋)など |
2021年 | コントレイル | 4歳 | 福永祐一 | 皐月賞、日本ダービー、菊花賞など |
2022年 | ヴェラアズール | 5歳 | R.ムーア | なし |
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