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コンティニュアス/ステレンボッシュ
過去10年の勝ち馬を見ると、ヨーロッパ調教馬5頭、日本調教馬4頭、香港調教馬1頭と、ヨーロッパvs日本という戦いの構図となっており、今年もおそらくそういう決着になるとみている。
ヨーロッパ勢では、日本産馬のハーツクライ産駒コンティニュアスを推したい。昨年の英セントレジャー(G1・イギリス)勝ち馬が、今年はここまでG3の勝ち鞍しかなく、しかもここ2戦は、二桁着順が続いている。だが、前々走の凱旋門賞(G1・フランス)は道中大きな不利があったし、前走の英チャンピオンS(G1・イギリス)は馬場も距離も不向きだったという、明確な敗因がある。乾いた馬場での2400メートル戦なら、見直すべき馬だと思う。
2番手には、今年の3歳牝馬三冠ですべて3着以内に入っているステレンボッシュをとりたい。3歳牝馬がアウェイで4歳以上の古馬と顔を合わせるのは、なかなかにタフなことだとは思うが、9ポンド(約4キログラム)の斤量差があれば、互角以上に戦えるとみる。実際に今世紀に入ってから、2003年のヴァレーアンシャンテ、2009年のダリャカーナと、2頭の3歳牝馬が優勝を飾っており、ステレンボッシュにとっては心強い材料といえそうだ。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
マルキザ/ジアヴェロット
ここは海外から参戦する馬たちの顔触れが実に多彩である。
実績的には、昨年のメルボルンC(G1・オーストラリア)勝ち馬で、休み明けだった前走・マッキノンSで3着となっての参戦となるオーストラリア調教馬ウィズアウトアファイトが最上位だろう。馬券的には決して無視できない馬である。
だが、更に大きな魅力を感じるのが、ヨーロッパから遠征するマルキザとジアヴェロットの2頭だ。
ゴドルフィンのマルキザは、今年6月のシャンティイ大賞(G2・フランス)で、次走サンクルー大賞(G1・フランス)を勝つことになるドバイオナーに先着し、昨年の香港ヴァーズ勝ち馬ジュンコにハナ差の2着となっている。あのパフォーマンスを再現できれば、待望のG1初制覇をここで果たしても不思議ではないとみている。
2770メートルのヨークシャーC(G2・イギリス)勝ち馬で、今年序盤には中東の長距離戦で掲示板を確保しているジアヴェロットは、スタミナ自慢のステイヤーと見られがちだが、今年7月にはニューマーケットのジュライコースを舞台としたプリンセスオブウェールズSを3馬身1/4差で快勝。2400メートルも守備範囲にある馬である。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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