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ルクセンブルク/ナミュール
過去10回のうち半数の5回で優勝しているこのレースに、今年も4頭の精鋭を送り込む日本勢だが、その前に立ちはだかる分厚い壁になりそうなのがアイルランド調教馬のルクセンブルクだ。今季初戦となった前走ネオムターフC(G2・サウジアラビア)は4着に敗れたが、A.オブライエン厩舎の管理馬は総じて春先のパフォーマンスが落ちる傾向があり、逆に言えば、ここは1回使われた上積みが大きいはずだ。展開的にも、この馬が単騎でハナを切る公算が大きく、この馬が自分の競馬をして本領を発揮すれば、水準の高いヨーロッパの10ハロン路線のG1で2勝、2着2回の実績を誇るこの馬を撃破するのは、簡単なことではないと見る。
相手は日本馬で、中でも実績最上位はドウデュースだが、ここは敢えて、昨年秋からの充実ぶりが目覚ましいナミュールをセレクションの2番手にとることにした。道中後方待機から、直線で牝馬らしい切れ味を繰り出して優勝した2017年ヴィブロスのような競馬をナミュールには期待したい。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
メジャードタイム/ファクトゥールシュヴァル
8歳となったロードノースが、前代未聞の4連覇を達成できるかどうかが、最大の焦点となっているが、私の判定は、「No」だ。ドバイ入り後も元気に調整されており、トップ3には入っておかしくないが、勝つのは難しいと見る。
私が一番手にあげたいのは、ゴドルフィンのメジャードタイムだ。12月22日のアルラシディヤ(G2・UAE)、1月26日のジェベルハッタ(G1・UAE)を連勝。調子の良さと、メイダン適性の高さを実証し、磐石の態勢を整えてこのレースに臨んでくる。
セレクションの2番手には、フランス調教馬のファクトゥールシュヴァルを推したい。ヨーロッパの8ハロンから9ハロン路線で極めて堅実な成績を収めている馬で、前売りでの人気の低さに私は驚いている。道悪が得意な馬と見られているが、良馬場でも結果は出しており、メイダンでも力は発揮出来るはずだ。
非常に高い能力を持つのが日本のドウデュースだが、2500メートルの有馬記念を勝った後、距離を短縮して1800メートルのドバイターフに出走するというのは、私の個人的な感覚からすると、しっくりこないものがある(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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