3連単が発売されるようになった2005年以降の小倉記念を振り返ってみると、レース史上最高払戻額となる137万4190円が飛び出した2020年を筆頭に、3連単で80万円超の決着となった年が4回あった。ただし、2012年以降の12回に限ると、3連単の配当が80万円を超えたのは2020年のみで、残る11回のうち8回は同5万円未満の決着だった。大波乱となった年がある一方で、堅く収まる年も決して少なくないレースだ。今年は、中京競馬場に舞台を移して行われるが、小倉・芝2000メートルで開催された過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の前走との間隔別成績を見ると、中7週以上の馬が3着内率33.9%と比較的優秀な成績を収めている。一方、中3週以内の馬は3着内率11.9%とやや苦戦している。今年は中京・芝2000メートルで行われるものの、開催時期は変わっていないので、前走との間隔に余裕がない馬は疑ってかかりたい。〔表1〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中3週以内 | 3-1-3-52 | 5.1% | 6.8% | 11.9% |
中4〜6週 | 1-1-2-16 | 5.0% | 10.0% | 20.0% |
中7週以上 | 6-8-5-37 | 10.7% | 25.0% | 33.9% |
過去6年の3着以内馬18頭中15頭は通算出走数が23戦以内だった。〔表2〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
23戦以内 | 5-6-4-28 | 11.6% | 25.6% | 34.9% |
24戦以上 | 1-0-2-33 | 2.8% | 2.8% | 8.3% |
なお、通算出走数が24戦以上だったにもかかわらず3着以内に入った3頭は、いずれもJRAのGⅠ・GⅡにおいて2着以内に入った経験がある馬だった。近年の傾向を重くみるならば、キャリア23戦以内の馬と、GⅠ・GⅡで連対したことのある馬を重視するべきだろう。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 1-0-2-4 | 14.3% | 14.3% | 42.9% |
なし | 0-0-0-29 | 0% | 0% | 0% |
2014年の3回中京開催から2024年の1回中京開催までを集計対象とした中京・芝2000メートルのレースにおける騎手別成績を見ると、1着数がもっとも多かったのは川田将雅騎手(46回)で、勝率は30.7%に達している。なお、勝利数順で上位のJRA現役ジョッキーに限ると、岩田望来騎手、M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手も20%前後の比較的優秀な勝率をマークしている。当コースと相性が良いジョッキーの騎乗馬は、高く評価するべきだろう。〔表4〕
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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川田将雅 | 46-28-20-56 | 30.7% | 49.3% | 62.7% |
岩田望来 | 26-13-10-83 | 19.7% | 29.5% | 37.1% |
松山弘平 | 24-24-24-155 | 10.6% | 21.1% | 31.7% |
M.デムーロ | 17-11-7-49 | 20.2% | 33.3% | 41.7% |
C.ルメール | 15-15-9-33 | 20.8% | 41.7% | 54.2% |
北村友一 | 15-12-10-64 | 14.9% | 26.7% | 36.6% |
武豊 | 15-7-11-74 | 14.0% | 20.6% | 30.8% |
吉田隼人 | 12-8-17-109 | 8.2% | 13.7% | 25.3% |
幸英明 | 11-21-21-149 | 5.4% | 15.8% | 26.2% |
和田竜二 | 11-16-21-131 | 6.1% | 15.1% | 26.8% |
過去7年の優勝馬7頭は、いずれも前走の着順が8着以内だった。また、この7頭は前走の距離が1800メートルもしくは2000メートルだった点も共通している。さらに、7頭中6頭は通算出走数が22戦以内だった。〔表2〕で挙げた傾向も加味して候補を絞り込みたい。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 前走の着順 | 前走の距離 | 通算出走数 |
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2017年 | タツゴウゲキ | 6着 | 2000m | 16戦 |
2018年 | トリオンフ | 2着 | 2000m | 15戦 |
2019年 | メールドグラース | 1着 | 2000m | 16戦 |
2020年 | アールスター | 6着 | 2000m | 17戦 |
2021年 | モズナガレボシ | 3着 | 1800m | 22戦 |
2022年 | マリアエレーナ | 2着 | 2000m | 14戦 |
2023年 | エヒト | 8着 | 2000m | 26戦 |
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