海外競馬発売
シエラレオーネ/フォーエバーヤング
前週の段階ではフィアースネスをセレクションの1番手に考えていたが、枠順の並びを見て予想を変えることにした。
今年の顔触れにテンからガンガン飛ばしていく馬は見当たらない中、逃げる可能性があるのはフィアースネスを含めて4頭いるとみている。その中で、テンのラップが一番速いのはドーノックで、この馬が主張すればハナを切るのはこの馬になる公算が大きいとみていた。
そのドーノックが1番枠を引いたことで、是が非でも行かざるを得なくなった。さらにフィアースネスが外枠を引いたため、これもゲートを出たら、ある程度出して行かざるを得ない状況となっている。
そうなると、当初考えていたよりはペースが速くなりそうで、そうであるならば、前半は後方に控えるシエラレオーネの差しが届く展開になるとみた。セレクションの2番手にも、中団から差してくるフォーエバーヤングを取りあげた。歴史的快挙が、手の届くところにあるのは間違いない。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
ドーノック/フォーエバーヤング
出走馬の中で最も成績が安定しているのは、チャド・ブラウンが悲願のケンタッキーダービー初制覇を狙うシエラレオーネだ。今年に入り、ブルーグラスS(G1・アメリカ)を含めて、距離9ハロンの重賞を連勝しての参戦で、ブラウン師もこの馬に大きな信頼を寄せている。
だが、そのシエラレオーネに土をつけたことがある馬が、出走馬の中に1頭だけいることを忘れてはならない。昨年12月に行われたレムゼンS(G2・アメリカ)で、着差はわずかにハナ差ながら、シエラレオーネに先着して優勝しているのがドーノックである。昨年のケンタッキーダービー勝ち馬メイジの全弟という良血馬がドーノックだ。ブルーグラスSでの同馬はシエラレオーネの4着に敗れているが、先行しての粘りが武器のこの馬がブルーグラスSでは控える競馬をし、結果として持ち味を全く発揮できなかった。生涯一度の晴れ舞台となるここは、自分の競馬に徹して、この馬らしい競馬をしてくれるはずだ。
ドーノックやシエラレオーネを筆頭にするアメリカ調教馬にとって、海外からのチャレンジャーとしてはこれまでで最大の脅威と言ってよいのが、フォーエバーヤングだ。中東で見せた見事なパフォーマンスを含めて、5戦無敗という完璧な成績を引っさげて挑むこの馬が、ケンタッキーダービーの歴史を変えても私は驚かない。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
当コーナーの情報は、登録情報を基に制作されております。競走データは公式データと照合し、それ以外の表記は主に現地報道を参考に制作しております。出走回避・出走取消などによりレースに出走しない可能性がございます。また、当コンテンツの内容においては、JRAが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。