国内唯一の直線コースで行われる重賞である当レースは、夏の新潟開催の名物重賞として親しまれてきた。サマースプリントシリーズの第3戦でもあり、夏の短距離チャンピオンを争う一戦としても注目が集まる。ここでは過去10年の結果から好走馬の共通点を探っていこう。
過去10年の年齢別成績を見ると、3着以内数が最も多いのは5歳の14頭で、出走数が少ない3歳を除けば3着内率でもトップとなっている。出走数が10頭と少ない3歳も3着内率は40.0%を記録しているので、出走があれば注目しておきたい。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 1-2-1-6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
4歳 | 2-1-0-22 | 8.0% | 12.0% | 12.0% |
5歳 | 4-5-5-33 | 8.5% | 19.1% | 29.8% |
6歳 | 0-2-3-33 | 0% | 5.3% | 13.2% |
7歳 | 3-0-1-26 | 10.0% | 10.0% | 13.3% |
8歳以上 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の性別成績では3着以内数、好走率ともに、牝馬が牡・せん馬を上回っている。年齢別では5歳が4勝を挙げているが、その4勝はいずれも牝馬によるもの。また、3歳で3着以内に入った4頭も全て牝馬だった。今年も牝馬には要注目だ。〔表2〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 3-4-5-65 | 3.9% | 9.1% | 15.6% |
牝 | 7-6-5-65 | 8.4% | 15.7% | 21.7% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中21頭は9番から外の馬番だった。また、勝ち馬延べ10頭のうち半数は13番から18番の馬で、外寄りの馬番となった馬が優勢となっている。ただし、1番から4番も6頭が3着以内に入っているので、内寄りの馬番となった馬を軽視し過ぎるのは得策ではなさそうだ。〔表3〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜4番 | 3-1-2-34 | 7.5% | 10.0% | 15.0% |
5〜8番 | 0-1-2-37 | 0% | 2.5% | 7.5% |
9〜12番 | 2-5-4-29 | 5.0% | 17.5% | 27.5% |
13〜18番 | 5-3-2-30 | 12.5% | 20.0% | 25.0% |
過去10年の前走の距離別成績をまとめると、前走が芝1000メートル(全て新潟・直線芝1000メートル)、もしくは芝1200メートルだった馬が出走馬の大半を占めており、これらを比較すると好走率では芝1000メートル組が上位となっている。それ以外の路線から臨戦した馬で3着以内に入ったのは2015年の優勝馬ベルカントだけなので、まずは前走で芝のスプリント戦に出走していた馬を重視したい。また、その中でも今回と同じ新潟・直線芝1000メートルに出走していた馬を上位に評価したいところだ。〔表4〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
芝1000m | 5-7-1-35 | 10.4% | 25.0% | 27.1% |
芝1200m | 4-3-9-69 | 4.7% | 8.2% | 18.8% |
芝1400m以上 | 0-0-0-13 | 0% | 0% | 0% |
ダートのレース | 1-0-0-13 | 7.1% | 7.1% | 7.1% |
2017年以降の優勝馬延べ7頭のうち6頭は、過去4走で当コース(新潟・直線芝1000メートル)に複数回出走していた。2021年は0回だったオールアットワンスが優勝したが、同馬は当時キャリア5戦の3歳馬で、当コースに出走する機会がなかった点を考慮したい。今年も、過去4走で当コースに複数回出走している馬や、当コースに初参戦となる3歳馬を優勝候補に加えるべきだろう。〔表5〕
(河野 道夫)
年度 | 優勝馬 | 出走回数 |
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2017年 | ラインミーティア | 3回 |
2018年 | ダイメイプリンセス | 2回 |
2019年 | ライオンボス | 2回 |
2020年 | ジョーカナチャン | 2回 |
2021年 | オールアットワンス | 0回 |
2022年 | ビリーバー | 2回 |
2023年 | オールアットワンス | 2回 |
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