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牡5歳
調教師:友道康夫(栗東)
栗東所属馬ながら関西圏でのレース経験は多くなく、京都コースを走るのも今回が初めて。ピッチ走法の馬で梅雨時期の馬場コンディションは苦にしないだろうが、坂の上り下りがある外回りコースの克服はポイントの一つとなりそうだ。
歴代最多となる23万8367票を獲得し、ファン投票1位で出走する今回の一戦は、3つ目のGⅠタイトルとなった昨年の有馬記念に続くGⅠ4勝目を目指しての出走になる。出走取消となった昨年のリベンジを果たすべく、再び遠征した前走のドバイターフ(G1・UAE・芝1800メートル)は、直線で進路取りにスムーズさを欠くシーンもあって5着に敗れた。幸い大きな疲れはなかったようで、5月半ばには栗東トレーニング・センターに帰厩。相変わらず調教で見せる動きは迫力満点だ。能力を全開できれば、結果はおのずとついてくるだろう。
牡5歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
長距離馬としてのイメージが強くなっているのは確かだが、2000メートル前後の距離で崩れたのは3歳春の皐月賞(9着)のみで、2200メートルでは〔1・0・1・0〕と結果を残している。この距離でも評価を大きく下げる必要はないだろう。
昨年の天皇賞(春)でGⅠ初制覇を果たしたディープインパクト産駒。その後の4戦は勝利こそないものの、全てがGⅠ・G1で、勝ち馬から最も離されたレースが前走のドバイシーマクラシック(G1・UAE・芝2410メートル)での0秒5差4着。ハイレベルのメンバーを相手に、厳しい位置取りからレースを進めることも少なくないなかでも大きく崩れることなく走ってきた地力の高さは、今回のメンバーでも上位と言えるだろう。今年の宝塚記念は天皇賞(春)と同じ京都の外回りコース。坂の下りで加速できるコースは、大きなプラス材料となりそうだ。
牡4歳
調教師:上村洋行(栗東)
3歳時は夏負けが尾を引き、秋の立ち上げが遅れた過去がある。涼しい時間帯に追い切りができる調教段階では問題がなくても、当日の気温上昇がこたえる可能性は捨て切れない。パドックで発汗していないかなどはチェックしたいところだ。
ローシャムパークとの追い比べを制した前走の大阪杯で、念願のGⅠタイトルを獲得したロードカナロア産駒。キャリア8戦で〔5・1・0・2〕の安定した成績を残しており、大敗したのはハイペースの先行策でリズムを崩した皐月賞の10着のみ。どの位置からでも競馬ができるセンスがあり、今回と同じ舞台で行われた前々走の京都記念では勝ったプラダリアから0秒1差の2着と、そつのない走りを見せた。堅実なキャラクターに加え、充実期にも入ってきた印象。強力メンバーがそろった今回の一戦でも好勝負ができるはずだ。
せん5歳
調教師:堀宣行(美浦)
去勢後の充実ぶりが著しく、3連勝のうちの2勝が重賞。調教で見せる反応の鈍さは残っているものの、それがレースに全く影響していない。初めての京都コースと相手強化に対応できるようなら、今回も好勝負が可能だろう。
前々走の日経賞に続き、前走の目黒記念も制してGⅡを連勝。ともにメンバー中最速の推定上がり3ハロンタイムをマークしての差し切り勝ちだったが、インパクトの強さなら、前残りの展開を豪快に差し切った後者で、GⅠレベルと思わせる素晴らしい末脚を披露した。改めて血統をチェックすれば、半兄のアンティシペイト(父ルーラーシップ)も5歳春にオープンクラス初勝利を挙げた。5歳を迎えて急激に強くなったキングカメハメハ産駒の本馬も、まだ底を見せていない。同産駒最終世代のGⅠ馬となる可能性は十分にありそうだ。
牡4歳
調教師:手塚貴久(美浦)
前走時の456キログラムはキャリア最小馬体重。細い印象こそなかったが、あれ以上の減少は避けたいのは確かだろう。速い時計での決着が向くタイプではなく、GⅠ制覇も重馬場だった。梅雨時期の本レースは巻き返しのチャンスでもある。
デビューから無傷の3連勝で皐月賞を制し、日本ダービーでは勝ったタスティエーラとクビ差の2着。現4歳世代を代表するクラシックホースだが、その皐月賞を最後に1年以上勝利から遠ざかっているのは気になる材料だ。今年の2戦も前々走の中山記念が4着、前走の大阪杯が7着。スタートダッシュが速くないタイプで、どちらも序盤で後方の位置取りとなり、それが影響している印象も受けた。今回の舞台は、スタートから1コーナーまで十分に距離があり、坂の下りで加速できる京都・外回りコース。変わり身があっていい。
牡5歳
調教師:吉岡辰弥(栗東)
不良馬場だった昨年の3勝クラス・烏丸S(京都・芝2400メートル)が驚くほどの強さ。父、母ともに雨馬場に強かった血筋をしっかりと受け継いでいる。2200メートルの距離も守備範囲。折り合い面を考慮すれば、むしろ歓迎材料になるかもしれない。
未勝利を勝ち上がるまでに時間を要したものの、1勝目を挙げてからの安定感は抜群で、心房細動を発症して競走中止となった昨年秋の京都大賞典を除いた10戦の成績は〔5・2・2・1〕。初めてGⅠに挑戦した前走の天皇賞(春)では、勝ったテーオーロイヤルから0秒3差の2着に好走した。前々走の阪神大賞典(3着)後にハミを変更したことで折り合い面の課題が解消されつつあり、吉岡辰弥厩舎への転厩後2戦でアップデートもされたようだ。今年の宝塚記念が得意の京都コースで開催されることも、プラスに働く可能性が高い。
牡5歳
調教師:田中博康(美浦)
昨年の函館記念がタフな稍重馬場での勝利。持久力勝負を好むハービンジャー産駒らしい面を持っており、極端に速い時計での決着や上がり勝負のレースは避けたいところだが、一方で、重馬場で弾けなかった過去もある。雨は歓迎と一概には言えない。
昨年夏の函館記念で重賞初制覇を果たし、続くオールカマーではタイトルホルダーを差し切ってGⅡも勝利した。初めてのG1挑戦が海外遠征だった前々走の香港カップ(G1・芝2000メートル)は、勝ち馬ロマンチックウォリアーから0秒7差の8着に敗れたが、今年初戦となった前走の大阪杯では、勝ったベラジオオペラとクビ差の2着。その能力がGⅠレベルであることを証明した。名牝エアグルーヴのいる母系の出身で、宝塚記念2着のルーラーシップ(2012年)、ドゥラメンテ(2016年)は近親にあたる。一族の果たせていない宝塚記念制覇に期待したい。
牡7歳
調教師:大久保龍志(栗東)
京都・芝外回りコースでの成績は〔1・1・2・1〕。唯一の4着もGⅠの菊花賞で、坂の下りで加速できる当コースへの適性の高さは誰もが認めるところだ。ワンパンチが足りなかった阪神開催の宝塚記念との違いを見せたい。
キャリア28戦を誇るベテランホースで、海外でのレースを含め重賞は4勝。2022年の阪神大賞典以来2年以上も勝ち星から遠ざかっているが、得意としている持久力勝負の天皇賞(春)では一昨年と昨年が2着、今年も3着と結果を出し続けており、現役上位の能力は健在だ。天皇賞(春)は、いずれも4コーナー3番手以内の積極的なレース運びが結果に結びついたもので、2200メートルに距離が短縮される今回も、同じ競馬ができるかが好走のポイントとなるだろう。16回目のGⅠ・G1挑戦で待望の初制覇なるか、注目したい。
(松浪 大樹)
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