ディープインパクトが勝利を収めた2006年以来、18年ぶりに京都競馬場で行われる今年の宝塚記念。近年の優勝馬にも、2023年度のロンジンワールドベストレースホースランキング1位となったイクイノックスをはじめ、リスグラシュー、クロノジェネシス、タイトルホルダーといったビッグネームがずらりと並ぶ。今年そこに名を連ねるのはどの馬なのか。過去10年の結果からレースの特徴を探ってみたい。
ここ5年の優勝馬は全て単勝3番人気以内だった。ただ、昨年は10番人気のスルーセブンシーズが2着に入り、2020年は12番人気のモズベッロが3着に健闘。2015年と2018年には2桁人気馬が2着と3着に入っている。伏兵台頭の余地は十分あると考えた方がよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-2-0-5 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
2番人気 | 2-0-3-5 | 20.0% | 20.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-0-0-8 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
4番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 3-3-2-32 | 7.5% | 15.0% | 20.0% |
10番人気以下 | 0-3-3-53 | 0% | 5.1% | 10.2% |
2019年優勝のリスグラシュー、2020年・2021年を連覇したクロノジェネシスは牝馬で、過去10年の性別成績では牝馬が好走率で牡・せん馬を圧倒している。2016年優勝のマリアライトは単勝8番人気、昨年2着のスルーセブンシーズと2015年2着のデニムアンドルビーは10番人気と人気薄での好走例もある。牝馬は人気にかかわらず注目しておくべきだろう。〔表2〕
性 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
牡・せん | 6-8-5-102 | 5.0% | 11.6% | 15.7% |
牝 | 4-2-5-17 | 14.3% | 21.4% | 39.3% |
過去10年の前走別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中23頭は前走が国内GⅠ、もしくは海外G1だった。中でも、2014年優勝のゴールドシップや2017年優勝のサトノクラウンは前走6着以下からの巻き返しだった。さすがに2桁着順に敗れていた馬の好走はデニムアンドルビーの1例のみだが、前走GⅠ組は10着以下に敗れていない限り、着順はさほど気にしなくてよさそうだ。〔表3〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-5-8-58 | 6.6% | 13.2% | 23.7% |
GⅡ | 1-0-1-18 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
GⅢ | 1-3-0-20 | 4.2% | 16.7% | 16.7% |
海外G1 | 3-1-1-19 | 12.5% | 16.7% | 20.8% |
上記以外 | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
なお、国内外のGⅠ以外から臨んだ馬は成績面で劣勢となっているが、前走で2着以内に入っていた馬は3着内率が31.3%と高くなっている。また、3着以内に入った全7頭が6番人気以下だった点も見逃せない。〔表4〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2着以内 | 2-2-1-11 | 12.5% | 25.0% | 31.3% |
3着以下 | 0-2-0-31 | 0% | 6.1% | 6.1% |
出走馬がファン投票で選出される一戦だけあって、過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭はJRA・GⅠの優勝馬だった。海外での実績も含め、GⅠ・GⅡでの勝利歴がなかった馬は〔0・2・1・39〕と勝ち切れず、3着内率も7.1%にとどまっている。豪華メンバーがそろう上半期の総決算で好走するには、それ相応の実績が求められるようだ。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 7-4-8-33 | 13.5% | 21.2% | 36.5% |
なし | 3-6-2-86 | 3.1% | 9.3% | 11.3% |
過去10年の優勝馬は4歳馬と5歳馬に限られるので、まずは年齢でふるいにかけたい。また、延べ10頭中9頭は芝2200メートルもしくは芝2500メートルの重賞を勝っていた点も共通している。芝2200メートルもしくは芝2500メートルの重賞を勝っている4歳馬と5歳馬が有力と考えたい。〔表6〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 芝2200mまたは2500mでの主な重賞勝ち鞍 |
---|---|---|---|
2014年 | ゴールドシップ | 5歳 | 宝塚記念(芝2200m)、有馬記念(芝2500m) |
2015年 | ラブリーデイ | 5歳 | 京都記念(芝2200m) |
2016年 | マリアライト | 5歳 | エリザベス女王杯(芝2200m) |
2017年 | サトノクラウン | 5歳 | 京都記念(芝2200m) |
2018年 | ミッキーロケット | 5歳 | なし |
2019年 | リスグラシュー | 5歳 | エリザベス女王杯(芝2200m) |
2020年 | クロノジェネシス | 4歳 | 京都記念(芝2200m) |
2021年 | クロノジェネシス | 5歳 | 宝塚記念(芝2200m)、有馬記念(芝2500m) |
2022年 | タイトルホルダー | 4歳 | 日経賞(芝2500m) |
2023年 | イクイノックス | 4歳 | 有馬記念(芝2500m) |
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