アーリントンCは2018年に開催時期が4月中旬に移されるとともに、NHKマイルCのトライアルレースに指定され、3着までに優先出走権が与えられるようになった。それ以降は2022年の優勝馬ダノンスコーピオンが本番も制して3歳マイル王に輝くなど、毎年のように本番で好走する馬を送り出している。なお、阪神・芝1600メートルという舞台設定は開催時期の変更前から変わっていないため、過去10年のデータを中心にレースの特徴を探っていく。
過去10年の単勝1番人気馬は勝つか4着以下という極端な成績となっているが、前走がJRA重賞だった馬に限れば〔6・0・0・1〕と、信頼度が大きく増す。ただ、2番人気馬と3番人気馬の成績が振るわないので、1番人気馬が4着以下に敗れた際に上位人気馬が総崩れとなるケースまで想定すべきだろう。3連単の配当が100万円を超えた2019年がその典型で、この年は10番人気以下の馬が2頭も馬券に絡んだ。1番人気馬が信用できなければ、思い切った馬券で勝負するのも面白そうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 6-0-0-4 | 60.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 0-0-1-9 | 0% | 0% | 10.0% |
3番人気 | 0-2-1-7 | 0% | 20.0% | 30.0% |
4番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
5番人気 | 1-1-1-7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
6〜9番人気 | 1-4-4-31 | 2.5% | 12.5% | 22.5% |
10番人気以下 | 1-1-1-52 | 1.8% | 3.6% | 5.5% |
現在の開催時期となった過去6年では、前走がJRA重賞だった馬の成績が良好。その中でも当レースで単勝1番人気に支持された馬が〔4・0・0・0〕、前走が朝日杯フューチュリティSだった馬が〔4・0・0・0〕と出色の成績をマークしている。なお、前走が重賞以外だった馬は3着以内に7頭入っているが、いずれも未勝利か1勝クラスを勝った直後の馬で、前走がオープン特別だった馬は、昨年1番人気で11着に敗れたユリーシャを含め全馬7着以下に敗れている。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA重賞 | 6-3-2-21 | 18.8% | 28.1% | 34.4% |
それ以外 | 0-3-4-58 | 0% | 4.6% | 10.8% |
また、過去6年の3着以内馬18頭のうち16頭は前走との間隔が中4週以上だった。中3週以下だった馬は前走が重賞であっても〔0・1・0・9〕と苦戦しているので、短い間隔で出走してきた馬は評価を下げる必要がありそうだ。〔表3〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中3週以下 | 0-2-0-32 | 0% | 5.9% | 5.9% |
中4週以上 | 6-4-6-47 | 9.5% | 15.9% | 25.4% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち、22頭はJRAで通算2勝以上を挙げていた。中でも、3勝馬は2014年のミッキーアイル、2018年のタワーオブロンドンと、該当した2頭が共に勝利している。また、近年はオープンクラスでの勝利歴を持つ2勝馬も活躍が顕著で、4月に移設された2018年以降に限れば〔4・1・2・5〕と過半数が3着以内に入っている。一方、同じく過去6年において、1勝以下の馬は〔0・3・1・50〕(3着内率7.4%)と、苦戦傾向が強まっている。〔表4〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
JRAでの通算勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3勝 | 2-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
2勝 | 7-7-6-50 | 10.0% | 20.0% | 28.6% |
1勝以下 | 1-3-4-65 | 1.4% | 5.5% | 11.0% |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。