当レースは年明け最初に行われる芝中距離の別定重賞で、近年は大波乱こそ少ないものの1番人気の勝率がやや低めという、一筋縄ではいかない一戦だ。そんな年明けの名物重賞を、過去10年のデータからひも解いていこう。
過去10年の前走別成績でやや優位なのは前走でGⅠを使われていた馬だ。4歳馬は菊花賞、5歳以上の馬は有馬記念や天皇賞(秋)など、秋の芝2000メートル以上のGⅠだった馬の活躍が多い。その他の重賞では、中日新聞杯、福島記念、チャレンジCなど、秋の芝2000メートル重賞だった馬に注目だ。3勝クラスからの昇級初戦となった馬では、2018年1着のダンビュライトの例はあるが、同馬には皐月賞3着の実績があった。基本的には3勝クラスやオープン特別からの臨戦はやや分が悪いと思っていい。〔表1〕
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-3-2-27 | 13.5% | 21.6% | 27.0% |
GⅡ | 2-0-2-22 | 7.7% | 7.7% | 15.4% |
GⅢ | 1-6-4-28 | 2.6% | 17.9% | 28.2% |
オープン特別 | 0-1-1-21 | 0% | 4.3% | 8.7% |
3勝クラス | 1-0-1-13 | 6.7% | 6.7% | 13.3% |
海外 | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
地方 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
障害 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
前走が重賞だった馬では、そこでの着順やタイム差が目安になる。1着だった馬はもちろん、負けていたとしても勝ち馬から0.5秒差以内であれば3着内率が高くなっている。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
着順・タイム差 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 0-2-0-1 | 0% | 66.7% | 66.7% |
2着以下・0.5秒差以内 | 6-3-5-26 | 15.0% | 22.5% | 35.0% |
2着以下・0.6秒差以上 | 2-4-3-50 | 3.4% | 10.2% | 15.3% |
馬と騎手の所属別に成績をまとめると、3着内率がずばぬけて高いのは、関東馬に関西所属の騎手が乗っていたパターン。2023年1着のノースブリッジ(奥村武厩舎・岩田康誠騎手)、2020年1着のブラストワンピース(大竹正博厩舎・川田将雅騎手)、2016年1着のディサイファ(小島太厩舎・武豊騎手)が優勝している。「関東馬&関西所属騎手」のタッグを見つけたときは押さえておこう。〔表3〕
所属 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
関東馬・関東騎手 | 3-4-5-62 | 4.1% | 9.5% | 16.2% |
関東馬・関西騎手 | 3-2-1-4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
関西馬・関東騎手 | 2-1-1-25 | 6.9% | 10.3% | 13.8% |
関西馬・関西騎手 | 2-2-0-14 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
過去10年では、前年に1800メートル以上の重賞勝ち、もしくはGⅠ・GⅡ3着以内の実績がある馬の優勝が多い。前年に出走していなかった2019年のシャケトラを除く9頭には、少なくとも前年の中距離重賞で上位に入った実績があったので、出走馬の前年の成績はチェックしておきたい。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 主な前年の重賞実績 |
---|---|---|
2014年 | ヴェルデグリーン | オールカマー1着 |
2015年 | クリールカイザー | アルゼンチン共和国杯2着 |
2016年 | ディサイファ | 札幌記念1着 |
2017年 | タンタアレグリア | 阪神大賞典2着 |
2018年 | ダンビュライト | 皐月賞3着 |
2019年 | シャケトラ | 前年不出走 |
2020年 | ブラストワンピース | 札幌記念1着 |
2021年 | アリストテレス | 菊花賞2着 |
2022年 | キングオブコージ | 中日新聞杯5着 |
2023年 | ノースブリッジ | エプソムC1着 |
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