今週の注目レース

アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

中山競馬場 2200メートル(芝・外)別定 4歳以上オープン

出走馬情報

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ボッケリーニ

牡8歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ポップコーンジャズ
  • 母の父:ダンスインザダーク
ここに注目!

全兄が2015年宝塚記念、天皇賞(秋)を制したラブリーデイという良血馬。本馬はGⅠでの連対こそないが、GⅡとGⅢでは〔3・6・1・3〕と高い次元で安定している。前走のチャレンジCも2着。明け8歳でも中心を担う。

2番人気に支持された前走・チャレンジC。道中は中団後方の馬群でじっと我慢した。武器の操縦性の高さが存分に発揮されたのが4コーナーで、瞬時にインに進路を切り替えると、そこから内ラチ沿いをしぶとく伸び続けた。勝ったベラジオオペラとはかなりきわどいハナ差で、限りなく勝利に近い2着だった。騎乗したJ.モレイラ騎手は「いいスタートを切ったけど、前の馬との兼ね合いもあって理想よりポジションが後ろになりました。最後に進路ができて、反応が素晴らしく伸びてくれました」と振り返った。中山が舞台の日経賞で2年連続2着に好走。実績、コース適性はともに上位で、ここでは中心となる。馬名の由来は「人名より」。

マイネルウィルトス

牡8歳

調教師:宮徹(栗東)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:マイネボヌール
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

祖母が2006年北九州記念を優勝したコスモフォーチュン。母系は短距離色が強いが、本馬は平地最長距離重賞の前走・ステイヤーズS3着など、豊富なスタミナをアピールしている。近走の充実ぶりからここも上位候補になる。

12戦連続の重賞挑戦となった前走・ステイヤーズS。中団で我慢して直線勝負にかけたが、巧みなペースで逃げ切ったアイアンバローズを捕らえることはできなかった。それでも、2着テーオーロイヤルとは0秒1差の3着。騎乗した横山武史騎手は「相手は前の3頭より後ろの馬と思っていました。この子の武器を生かして、2周目から徐々に位置を上げていく想定内の競馬ができたのですが、前が止まらなかったのは想定外でした」と残念そうだった。2021年、2023年に2着だったアルゼンチン共和国杯など、重賞実績は豊富。武器のスタミナが生きる展開で一気に伸びてきそうだ。馬名の由来は「冠名+勇気(ラテン語)」

モリアーナ

牝4歳

調教師:武藤善則(美浦)

  • 父:エピファネイア
  • 母:ガルデルスリール
  • 母の父:ダイワメジャー
ここに注目!

前走・秋華賞は、昨年度のJRA賞最優秀3歳牝馬に輝いたリバティアイランドから0秒6差の5着。2走前の紫苑S(1着)もそうだったが、トップギアに入った時の爆発力は目を見張るものがある。じっくり運んだほうがいいタイプで、距離延長も吉と出そうだ。

武器の末脚にかけた前走・秋華賞。やや出負けして道中は後方のインを追走した。4コーナー13番手から狭い内ラチ沿いを突いて伸びたが、牝馬三冠を達成したリバティアイランドを捕らえることはできず5着。伸び伸びと走れる形なら、もう少し違った結果になったのかもしれない。中山・芝2000メートルで制した2走前・紫苑Sが好内容。最後方付近から直線で一気にはじけると、馬群を縫うように鮮やかに差し切った。3歳春まではマイルを中心に使われたが、今は中距離でじっくり構えたほうが良さが出る印象。ここは初挑戦の2200メートルになるが、武器の末脚にさらに磨きがかかるかもしれない。馬名の由来は「スラブの伝承に登場する風の女神」。

ラーグルフ

牡5歳

調教師:宗像義忠(美浦)

  • 父:モーリス
  • 母:アバンドーネ
  • 母の父:ファルブラヴ
ここに注目!

大阪杯(11着)、札幌記念(8着)とハイレベルだった近2戦は崩れたが、ここで反撃を狙う。2021年のホープフルS3着、昨年の中山金杯1着、中山記念2着と重賞で結果を残している中山は、絶好の舞台と言えるだろう。

前走・札幌記念は8着。中団後方から直線勝負に出たが、好調時の切れ味を発揮することはできなかった。騎乗した戸崎圭太騎手は「テンションが高めでした。追ってからまだ沈めていない感じなので、そのあたりが良くなってくれば」と敗因を分析。今回も約5か月ぶりの実戦だけに、仕上がりには注目したいところだ。それでも、その中山適性は侮れず、2021年はホープフルSで3着に好走。その後に天皇賞(春)を制した2着ジャスティンパレスから0秒2差に頑張った。ここは高齢の実績馬たちが人気を集めそうだが、競走馬として全盛期を迎える5歳馬が意地を見せる。馬名の由来は「ディートリッヒ伝説に登場する武器の名」。

チャックネイト

せん6歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ゴジップガール
  • 母の父:Dynaformer
ここに注目!

近親には重賞2勝に加え、2022年高松宮記念で2着に入ったロータスランドがいる。本馬は重賞初挑戦だった前走・アルゼンチン共和国杯で勝ち馬から0秒2差の3着(同着)に好走しており、ここも好勝負が期待できそうだ。

重賞初挑戦ながら2番人気に支持された前走・アルゼンチン共和国杯。馬群の中から進路を探した直線では、他馬と接触するシーンがあった。それでも力強く脚を伸ばし、最後は3着同着でフィニッシュ。騎乗した大野拓弥騎手は「結構タイトな競馬で接触もありましたが、最後まで集中を切らさずに走ってくれました」と相棒を称えた。キャリア全14戦で掲示板(5着以内)をキープし、そのうち12回が3着以内という安定型。今回の2200メートルでも、昨年の2勝クラス・長良川特別(中京)で勝利した実績がある。今回のメンバーなら勝機は十分にあるはずだ。馬名の由来は「人名より+人名より」。

カラテ

牡8歳

調教師:辻野泰之(栗東)

  • 父:トゥザグローリー
  • 母:レディーノパンチ
  • 母の父:フレンチデピュティ
ここに注目!

イクイノックスが勝った前走・宝塚記念では16着と大敗を喫したが、昨年は新潟大賞典を優勝し、GⅢなら主力を張れるところを証明している。2022年中山記念2着など、中山のコース適性にも不安は少ない。

イクイノックス、ジャスティンパレスなどの強豪が集い、15番人気だった前走・宝塚記念。好位で強気に運んだが、GⅠのタイトな流れで早々に苦しくなり、16着でレースを終えた。騎乗した菅原明良騎手は「ゲートを出てくれましたし、手応えも良かったけど、もうひと踏ん張りが利かなかったですね」と肩を落とした。その後は脚部不安で休養に入り、ここが復帰戦。それでも、昨年の新潟大賞典は約5か月半ぶりの実戦で勝利しており、中間の調教過程が順調なら大きく割り引く必要はないだろう。中山では自身最多の3勝をマーク。自慢の末脚を発揮できれば好勝負になる。馬名の由来は「空手」。

クロミナンス

牡7歳

調教師:尾関知人(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:イリュミナンス
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

母が2013年クイーンC、2015年クイーンSで3着に好走したイリュミナンスという筋の通った母系の出身。条件戦で繰り出してきた本馬の瞬発力はここでも十分に通用するだろう。初エントリーの重賞でも存在感を見せたいところだ。

前走の3勝クラス・ノベンバーS(東京・芝1800メートル)で強烈な瞬発力を披露。スローペースのなか、中団後方から鋭く伸びて勝利した。メンバー中最速となる上がり3ハロン32秒6(推定)の末脚で、先行馬たちをまとめて撃破。この上がり3ハロンタイムは、昨年東京で行われた1800メートル以上の全136レースで最速タイという特筆すべき切れ味だった。間隔を空けながら大切に使われ、明け7歳でもキャリアは10戦で、まだまだ馬は若い。中山参戦は久々となるが、2020年の未勝利(芝1800メートル)、2021年の2勝クラス・東雲賞(芝2000メートル)が強い勝ちっぷりだった。7歳で迎える初重賞でも自信を胸に戦う。馬名の由来は「色度」。

ショウナンバシット

牡4歳

調教師:須貝尚介(栗東)

  • 父:シルバーステート
  • 母:ギエム
  • 母の父:Medaglia d'Oro
ここに注目!

2021年セレクトセールにおいて2億8600万円で取引された評判馬。中山では1度だけ走り、昨年の皐月賞で5着に善戦している。秘める素質は確かで、ハイレベルだった前走・ジャパンカップ(11着)からの反撃を狙う。

前走・ジャパンカップ(11着)は、外枠(7枠15番)から好スタートを切って中団の外へ。パンサラッサが引っ張り、イクイノックス、リバティアイランドが追随するタイトなラップで外々を回り続け、直線では勝負する体力が残っていなかった。騎乗したM.デムーロ騎手は「スタートを出過ぎてずっと外を回ってしまった。気持ちが抜けて最後はファイトできませんでした」と敗因を口にした。2200メートル戦では2戦2連対。近4戦はメンバーレベルもそうだが、距離も微妙に長かった印象を受けた。ここでの反撃は十分に考えられる。馬名の由来は「冠名+バシッと決める」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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