2歳時にオープン特別を勝った後は収得賞金を加算できず、3歳夏にはクラス再編成で2勝クラスとなったが、同年秋に条件クラスを2連勝して再度オープンクラス入り。昇級後は惜しい競馬こそするものの、勝ち星にはなかなか恵まれないという状況だった。変化が生まれたのは中距離路線に見切りをつけ、マイル路線へとかじを切った前々走のポートアイランドS（リステッド・阪神・芝1600メートル）から。このレースを2番手からの抜け出しで勝利すると、前走のキャピタルS（リステッド・東京・芝1600メートル）ではマイペースの逃げ切りを決めて連勝を果たした。最適舞台を発見した現在なら、重賞の舞台でも期待できるはずだ。

2015年のフラワーC、スワンSを制したアルビアーノを母に持つドゥラメンテ産駒。前々走の関屋記念で差し切り勝ちを決め、重賞初制覇を果たしている。重賞連勝、そして母仔による同一重賞制覇を目指した前走のスワンSでは、スタートで立ち遅れたうえに、前が残る展開になって7着という結果。ただ、勝ったウイングレイテストからのタイム差は0秒5なら、悲観するような内容ではないだろう。今年で6歳となり、競走馬としてのキャリアも終盤に差し掛かっている。ここで重賞タイトルを上積みし、次のステージに向かいたいところだ。

デビュー当初から調教での動きが目立ち、GⅠでの4着好走もあるなど資質の高さを感じさせていたモーリス産駒。だが、当時から見せていた折り合い面の課題を克服することができず、出世に時間を要してしまった印象だ。変化の兆しを感じさせたのが、3コーナー手前から先頭に立つ積極的な競馬を見せ、そのまま押し切った4走前の3勝クラス・垂水S（阪神・芝1800メートル）。以前よりもコントロールが利くようになっており、それはオープンクラスでの初勝利となった前走のカシオペアS（リステッド・京都・芝1800メートル）も同様だった。自分のリズムで走ることができれば、重賞でも面白い。

半兄に2020年のホープフルSを勝ったダノンザキッド（父ジャスタウェイ）がいる良血馬で、自身も一昨年のデイリー杯2歳S、朝日杯フューチュリティSと、重賞で2度の2着という実績を持つ。しかし、3歳春は結果を出せず、秋初戦となった前走の富士Sでも11着と大敗を喫した。ただ、前走に関しては前半1000メートル通過タイム56秒7のハイペースで飛ばしたことが響いたもの。しっかりと折り合いをつけ、本来の末脚を生かす形で競馬ができれば、このメンバーでも差はないはずだ。まずは重賞タイトルを獲得し、今年の大舞台へ弾みをつけたいところだろう。

半姉は国内外のGⅠ・G1を計2勝したディアドラ（父ハービンジャー）、近親にはマイルGⅠ3勝のソングラインなどがいるルーラーシップ産駒。青鹿毛という見た目だけでなく、父と同じ大きなフットワークも魅力的な本馬は、昨年2月のきさらぎ賞を制してクラシック候補に名乗りを上げた。春のクラシック二冠に続き、前走のチャレンジC（8着）でも思ったようなパフォーマンスを見せられなかったが、秘めるポテンシャルを発揮することができれば、今回だけでなく、大きな舞台での活躍も期待できるはずだ。距離短縮で巻き返せるかどうか、注目したい。

最後の勝利は3歳1月のシンザン記念。同年のニュージーランドTで2着、続くNHKマイルCでも2着に入り、GⅠの舞台でも存在感を示したが、約2年の間も勝ち星から遠ざかり、約1年7か月という長い期間で3着以内からも遠ざかっている。そろそろ存在感を示したいところだろう。前走のマイルチャンピオンシップは相手が強かったことに加え、差し馬が台頭する厳しい流れがこたえて14着と大敗を喫したが、前々走の富士Sでは掲示板（5着以内）確保の5着。GⅢのハンデ戦ならチャンスがあっていいはずだ。

オークス馬エアグルーヴを祖母に持ち、母の父に名馬ディープインパクトがいるキングカメハメハ産駒の良血馬。2021年のローズSで重賞タイトルを獲得し、続く秋華賞でも勝ったアカイトリノムスメから0秒2差の3着に入るなど、秘めるポテンシャルは相当に高い。ただ、前述のローズSを最後に勝利から遠ざかっている現状。休み明けでも調教で見せた動きが良く、良馬場で走ることもできた前走の府中牝馬S（6着）でも、ワンパンチに欠く走りだった。今回は、初めて走る京都外回りコースが舞台。適性を示し、タイトルの上積みを目指したいところだ。