1956年の創設以来、1年を締めくくるレースとして定着している有馬記念。競馬ファン以外の間でも話題にあがるほど注目度の高いレースだ。今回は過去10年のデータから傾向を探ってみた。
過去10年で成績が優秀なのは3歳馬。それに5歳馬、4歳馬が続く。古くは1970年のスピードシンボリ(7歳)や、1979年のグリーングラス(6歳)といった6歳以上馬の優勝もあるが、1991年のダイユウサク(6歳)を最後に、6歳以上の馬は優勝がない。直近10年で馬券に絡んだ6歳以上の馬は2018年3着のシュヴァルグランだけ。6歳以上の馬は評価を大きく下げたい。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 4-3-2-16 | 16.0% | 28.0% | 36.0% |
4歳 | 2-4-2-37 | 4.4% | 13.3% | 17.8% |
5歳 | 4-3-5-45 | 7.0% | 12.3% | 21.1% |
6歳以上 | 0-0-1-32 | 0% | 0% | 3.0% |
有馬記念は上位人気馬が強いGⅠで、過去10年では前走と同じ騎手が乗った3番人気以内の馬の3着内率が60%を超えている。一方、前走と同じ騎手が乗って4番人気以下だった馬の3着内率は4.3%とかなり低くなっている。また、穴を狙うのなら、前走から騎手が乗り替わっている4番人気以下の馬が3着以内に9頭入っているので、このあたりに妙味がありそうだ。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
単勝人気・騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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3番人気以内・前走と同じ | 7-3-3-8 | 33.3% | 47.6% | 61.9% |
4番人気以下・前走と同じ | 1-1-1-67 | 1.4% | 2.9% | 4.3% |
3番人気以内・乗り替わり | 1-0-4-4 | 11.1% | 11.1% | 55.6% |
4番人気以下・乗り替わり | 1-6-2-51 | 1.7% | 11.7% | 15.0% |
過去10年の有馬記念で3着以内に入った馬の前走は表にある8つのレースに絞られる。その中でも3着以内馬が多いのは、菊花賞、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、海外G1(凱旋門賞、コックスプレート)となっている。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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天皇賞(秋) | 3-2-1-12 | 16.7% | 27.8% | 33.3% |
ジャパンカップ | 2-2-4-44 | 3.8% | 7.7% | 15.4% |
菊花賞 | 2-2-2-7 | 15.4% | 30.8% | 46.2% |
凱旋門賞 | 1-1-2-5 | 11.1% | 22.2% | 44.4% |
アルゼンチン共和国杯 | 1-0-0-6 | 14.3% | 14.3% | 14.3% |
コックスプレート | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
エリザベス女王杯 | 0-2-1-21 | 0% | 8.3% | 12.5% |
金鯱賞 | 0-1-0-12 | 0% | 7.7% | 7.7% |
その他のレース | 0-0-0-23 | 0% | 0% | 0% |
前項で菊花賞、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、海外G1から臨んだ馬の好走例が多いことを紹介したが、それらのレースで4着以内に入っていた馬は好走率がかなり高くなっている。軸馬はこれに該当する馬から選ぶのがよさそうだ。〔表4〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
天皇賞(秋) | 3-1-1-2 | 42.9% | 57.1% | 71.4% |
ジャパンカップ | 2-1-3-12 | 11.1% | 16.7% | 33.3% |
菊花賞 | 2-1-2-5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
海外G1 | 2-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
近年の有馬記念を勝った馬は3歳時に三冠レースで活躍していたことが多い。過去10年の優勝馬のうち9頭が三冠レースで3着以内があり、うち8頭は2着以内に入っていた。さらに、そのうち7頭は同年にGⅠを勝利していた。3歳時や同年のGⅠで実績を残している馬が有力だろう。〔表5〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 3歳三冠レースでの成績 | 同年のGⅠ優勝実績 | ||
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2013年 | オルフェーヴル | 皐月賞1着 | 日本ダービー1着 | 菊花賞1着 | なし |
2014年 | ジェンティルドンナ | 桜花賞1着 | オークス1着 | 秋華賞1着 | ドバイシーマクラシック |
2015年 | ゴールドアクター | ‐ | ‐ | 菊花賞3着 | なし |
2016年 | サトノダイヤモンド | 皐月賞3着 | 日本ダービー2着 | 菊花賞1着 | 菊花賞 |
2017年 | キタサンブラック | 皐月賞3着 | 日本ダービー14着 | 菊花賞1着 | 天皇賞(秋)など |
2018年 | ブラストワンピース | ‐ | 日本ダービー5着 | 菊花賞4着 | なし |
2019年 | リスグラシュー | 桜花賞2着 | オークス5着 | 秋華賞2着 | 宝塚記念など |
2020年 | クロノジェネシス | 桜花賞3着 | オークス3着 | 秋華賞1着 | 宝塚記念 |
2021年 | エフフォーリア | 皐月賞1着 | 日本ダービー2着 | ‐ | 天皇賞(秋)など |
2022年 | イクイノックス | 皐月賞2着 | 日本ダービー2着 | ‐ | 天皇賞(秋) |
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