中山大障害は100回を超える歴史を持つレースで、障害競走にグレード制が導入された1999年に年2回から年1回の開催に変更されたうえ、J・GⅠに格付けされた。2016年、2017年、2021年と3度の優勝を果たしたオジュウチョウサンはいずれの年もJRA賞最優秀障害馬に輝いている。過去10年の結果を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去10年の前走別成績を調べると、5勝を挙げ3着内率が50%を超えているJ・GⅡ組の好成績が目を引く。同組の前走はいずれも東京ハイジャンプで、レース間隔が2か月以上空いていた。また、J・GⅢからの臨戦で優勝した2015年のアップトゥデイトは小倉サマージャンプ以来、約5か月ぶりの出走だった。他にも9月のJ・GⅢ阪神ジャンプS組が〔0・2・1・3〕と3着内率50.0%をマークする一方で、同じJ・GⅢでも間隔が詰まる11月の京都ジャンプS組は〔0・0・1・19〕と苦戦を強いられている点に注意したい。〔表1〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
J・GⅠ | 1-0-0-2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
J・GⅡ | 5-2-3-8 | 27.8% | 38.9% | 55.6% |
J・GⅢ | 1-2-2-23 | 3.6% | 10.7% | 17.9% |
障害オープン(平場・特別) | 3-4-5-70 | 3.7% | 8.5% | 14.6% |
障害未勝利 | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
平地競走 | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭のうち、17頭は障害重賞の優勝経験があった。なかでも、3900メートル以上の重賞を勝っていた馬が〔5・3・0・10〕(連対率44.4%)と連対するケースが目立つ。該当するレースは当レースのほか、中山グランドジャンプ、阪神スプリングジャンプ、京都ハイジャンプと年間4レースあるので、これらのレースを勝っている馬には注目しておくべきだろう。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-5-4-30 | 17.0% | 27.7% | 36.2% |
なし | 2-5-6-78 | 2.2% | 7.7% | 14.3% |
中山競馬場の障害コースには、深い谷を下って上る他場にはない坂路障害がある。そのため、コース適性がものを言うのか、過去10年の3着以内馬延べ30頭中21頭に中山の障害レースの優勝経験があった。特に、同年に中山の障害レースを勝っていた馬が〔6・2・5・15〕(3着内率46.4%)と好成績なので、該当馬は高く評価したい。〔表3〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-6-7-35 | 14.3% | 25.0% | 37.5% |
なし | 2-4-3-73 | 2.4% | 7.3% | 11.0% |
過去10年の馬体重別成績を調べると、500キログラム以上の馬が7勝をマークし、好走率も500キログラム未満の馬を大きく上回っている。単勝2番人気以内に推された500キログラム以上の馬は〔5・3・0・3〕と3着内率が70%を超えてくるので、軸として信頼できそうだ。一方、6番人気以下だった500キログラム以上の馬が〔0・0・0・24〕と振るっていない点は覚えておいて損はないだろう。〔表4〕
(高那実 マヤ)
馬体重 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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500kg未満 | 3-6-7-76 | 3.3% | 9.8% | 17.4% |
500kg以上 | 7-4-3-32 | 15.2% | 23.9% | 30.4% |
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