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ジャンタルマンタル/ヴォイッジバブル
上位陣の力が拮抗し、今年の香港国際競走4レースの中では、最も混戦模様なのがこのレースである。
1番手には、日本調教馬のジャンタルマンタルを推したい。2歳暮れに朝日杯フューチュリティS(GⅠ)、3歳春にNHKマイルC(GⅠ)を制しているというジャンタルマンタルの実績は、2019年に同じく3歳にしてこのレースを制したアドマイヤマーズと重なるものがある。熱発で富士S(GⅡ)を回避し放牧に出たが、11月8日に帰厩後は順調に乗られており、力を出せる状態にありそうだ。ここをステッピングボードに、来期はヨーロッパの主要マイル戦に挑んでほしい馬である。
昨年のこのレースでゴールデンシックスティの2着だったヴォイッジバブルが、2番手候補だ。今年1月に香港スチュワーズC(G1・香港)を制してG1初制覇を達成。11月17日にシャティンで行われた前哨戦の香港ジョッキークラブマイル(G2・香港)でも優勝を果たし、ゴールデンシックスティ引退後の香港マイル戦線における、新たな中核になろうとしている。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
ラザット/ソウルラッシュ
出走馬の中でレーティングが最も高いのが、日本から参戦するソウルラッシュだ。コンスタントな成績を残している同馬は、前走のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)に優勝し、春の安田記念(GⅠ)でもロマンチックウォリアーから0.1秒差の3着に入っている。この馬と、地元の前哨戦である香港ジョッキークラブマイル(G2・香港)を勝っての参戦となるヴォイッジバブルの2頭が、馬券的に中心になる馬たちだろう。
そんな中、私が単勝を買いたいと思っているのが、フランス調教馬のラザットだ。8月にドーヴィルで行われたモーリスドゲスト賞(G1・フランス)を快勝。前走のゴールデンイーグルでは僅差の2着に敗れ、デビュー以来継続していた連勝は途絶えてしまったが、大きなスケール感のある馬で、2025年のヨーロッパ競馬を牽引する可能性がある馬だ。ここまで戦ってきた相手よりは遥かに分厚いメンバーが揃ったが、ここでも突き抜けるだけの力がある馬とみている。(訳:合田直弘)
ワールドワイドな競馬日刊紙サラブレッド・デイリー・ニュースのヨーロッパ・パートの編集責任者。これまでも、サラブレッド・オーナー&ブリーダー、ペースメーカーホース&ハウンド、レーシングポスト、インサイドレーシング(オーストラリア)など、数多くの競馬および馬術関係出版物に寄稿している。 少数ながら馬も所有し、生産と競馬にも従事。夫は調教師のジョン・ベリーで、現在はニューマーケット在住。
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