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芝2000メートルという競走条件だけに、ヨーロッパ勢が中心となりそうである。
その代表格となるのは、アイルランドの伯楽A.オブライエンが管理するウォームハート(牝3歳)だ。デビュー3戦目に初勝利を挙げたのを皮切りに、3連勝でロイアルアスコットのリブルスデールS(G2・イギリス)を制し、重賞初制覇を果たした同馬。続く愛オークス(G1・アイルランド)は5着に敗れたが、その後はヨークシャーオークス(G1・イギリス)、ヴェルメイユ賞(G1・フランス)を連勝。以降、凱旋門賞デーもブリティッシュチャンピオンズデーも見送り、ここ1本に照準を絞った臨戦態勢には、おおいに好感が持てる。
10月7日に行われたサンチャリオットS(G1・イギリス)を3馬身3/4差で快勝し、5度目のG1制覇を果たしたインスパイラル(牝4歳)。ヨーロッパ・マイル路線の女王だが、陣営はサンタアニタの馬場ならば2000メートルの距離も克服可能とみて、ここにエントリーしてきた。クロスエントリーすると見られていたマイルには見向きもせず、ここ1本に絞ったあたりに陣営の自信がうかがえる。
迎え撃つアメリカ勢の中心となるのが、このレースへ向けた地元の前哨戦であるロデオドライブS(G2・アメリカ)を快勝しての参戦となるディディア(牝5歳)だ。アルゼンチン産馬で、祖国で2つのG1を手にした後、昨年からアメリカに転厩。移籍後ここまで6戦し、重賞2勝を含む5勝、2着1回で連対率100%と、極めて安定した成績を残している。
アイルランド産馬で、イギリスでデビューした後、昨年からカナダを拠点としているフェヴローバー(牝5歳)。ヨーロッパで走っていた時代にもG2勝ちがあったほか、英1000ギニー(G1・イギリス)3着などの実績を残していたが、移籍2年目を迎えた今季はここまで5戦し、べヴァリーD.S(アメリカ)、E.P.テイラーS(カナダ)という2つのG1を含む3重賞を制し、デビュー以来最も充実したシーズンを送っている。
ここに日本から参戦予定なのがウインマリリン(牝6歳)だ。3歳春にオークス(GⅠ)で2着となっている同馬。4歳時には日経賞(GⅡ)、オールカマー(GⅡ)と、牡馬相手に2度のGⅡ制覇を積み重ねながら、GⅠには手が届かずにいたが、5歳暮れに香港ヴァーズ(G1・香港)を制し、海外で悲願のG1初制覇を果たした。すなわち、アウェーでの戦いに高い適性があることを立証済みなのである。ここ2戦の成績は振るわないが、使われつつ体調は上向いていると伝えられており、アメリカでは本来の走りを見せてくれそうだ。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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