スワンSはマイルチャンピオンシップの前哨戦に位置付けられており、マイル路線の実績馬がここから始動するケースも少なくない。その一方で、芝1200メートル路線から距離を延ばしてくる馬も見られ、マイラーとスプリンターが一堂に会する点も見どころとなっている。阪神競馬場で行われた2021年と2022年も含めた過去10年の結果から、好走馬に共通するポイントを探っていく。
過去10年の前走別成績を調べると、3着以内馬延べ30頭中12頭は前走がGⅠだった。中でも、安田記念などの東京・芝1600メートルのGⅠから臨んだ馬が〔3・3・3・10〕(3着内率47.4%)と好成績を挙げている。スプリンターズS組も〔1・1・1・17〕と好走例は複数あるものの、3着内率は15.0%と東京・マイルGⅠ組には遠く及ばない。また、GⅢ組も3勝を挙げているが、いずれも芝1600メートルの京成杯オータムHから臨んだ馬によるものだった。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 4-4-4-31 | 9.3% | 18.6% | 27.9% |
GⅡ | 0-2-1-16 | 0% | 10.5% | 15.8% |
GⅢ | 3-1-3-35 | 7.1% | 9.5% | 16.7% |
オープン特別 | 2-3-2-37 | 4.5% | 11.4% | 15.9% |
3勝クラス | 1-0-0-11 | 8.3% | 8.3% | 8.3% |
地方のレース | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の出走馬の実績面を見ていくと、3着以内馬延べ30頭中21頭にJRAの芝1600メートル重賞で3着以内に入った実績があった。やはりマイルで実績を残してきた馬が活躍する傾向にあるようだ。これには単勝万馬券の大波乱を演出した2020年のカツジや、2023年に単勝10番人気で優勝したウイングレイテストも含まれるので、この実績を持つ馬は人気薄でも軽視禁物だろう。〔表2〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-5-7-52 | 12.3% | 19.2% | 28.8% |
なし | 1-5-3-81 | 1.1% | 6.7% | 10.0% |
11番人気のカツジが勝利した2020年は3連単の配当が60万円を超え、2022年と2023年は3着以内に単勝2桁人気馬が2頭入ったことで同40万円超の高配当となった。過去10年で見れば1番人気、2番人気とも3着内率60%以上と上位人気馬の成績が悪いわけではないが、近年は下位人気馬の好走が増えていることを念頭に置いて予想した方がよさそうだ。〔表3〕
(高那実 マヤ)
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-2-1-4 | 30.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 4-1-2-3 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
3番人気 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
6〜9番人気 | 0-2-2-36 | 0% | 5.0% | 10.0% |
10番人気以下 | 2-2-2-67 | 2.7% | 5.5% | 8.2% |
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