今年の神戸新聞杯は中京・芝2200メートルで行われる。2020年から2022年にも中京競馬場で行われたが、2020年の優勝馬は次走で“無敗の三冠馬”となったコントレイル、2022年に優勝したジャスティンパレスは続く菊花賞で僅差の3着に入るなど、場所を移しても本番とのつながりの強さは変わらない。阪神・芝2400メートルで行われた年も含めた過去10年の結果を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去10年の単勝人気別成績を調べると、優勝馬は10頭中9頭が3番人気以内と上位人気馬がおおむね期待に応えている。ただ、中京開催時は3回中2回で2桁人気馬が馬券圏内に食い込み、そのうち2022年は1番人気から3番人気の馬がそろって4着以下に敗れたこともあり、3連単の配当がレース史上最高の45万3670円となった。中京競馬場で行われる今年は、波乱の可能性も考えておいた方がいいかもしれない。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 5-1-0-4 | 50.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 2-2-1-5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-2-2-4 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 0-0-2-8 | 0% | 0% | 20.0% |
5番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6〜9番人気 | 0-2-4-33 | 0% | 5.1% | 15.4% |
10番人気以下 | 0-2-1-44 | 0% | 4.3% | 6.4% |
過去10年の前走別成績を見ていくと、日本ダービー組が9勝を含む15連対と他を圧倒している。基本的には日本ダービーで上位に入っていた馬の方が成績は良いが、ここ2年は同レースで上位に食い込めなかった馬(2023年11着サトノグランツ、2022年9着ジャスティンパレス)が優勝している。世代の大一番である日本ダービーに出走した馬はそれだけで評価に値するので、着順にかかわらず注目しておくべきだろう。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
日本ダービー | 9-6-3-29 | 19.1% | 31.9% | 38.3% |
その他のJRA重賞 | 0-0-1-13 | 0% | 0% | 7.1% |
オープン特別 | 0-0-2-9 | 0% | 0% | 18.2% |
3勝クラス | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
2勝クラス | 0-4-2-28 | 0% | 11.8% | 17.6% |
1勝クラス | 0-0-2-19 | 0% | 0% | 9.5% |
未勝利 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
地方のレース | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走が日本ダービー以外だった馬はレース間隔が中4週以内だと3着が精いっぱい。条件クラスからの臨戦で好走した馬は大半が中5週以上で、2022年に12番人気で2着に入ったヤマニンゼスト、2020年に14番人気で3着のロバートソンキーも中5週以上での出走だった。〔表3〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中4週以内 | 0-0-2-32 | 0% | 0% | 5.9% |
中5週以上 | 1-4-5-45 | 1.8% | 9.1% | 18.2% |
過去10年の優勝馬10頭中8頭はJRAで3勝以上を挙げており、好走率もJRAでの勝利数が多いほど高くなっている。なかでも、JRA重賞を含めた3勝以上馬が〔7・1・2・9〕(3着内率52.6%)と大活躍。該当馬が出走した8回では毎回連対を果たしているので、馬券の軸として信頼できそうだ。〔表4〕
JRAでの勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3勝以上 | 8-5-3-27 | 18.6% | 30.2% | 37.2% |
2勝 | 2-4-6-60 | 2.8% | 8.3% | 16.7% |
1勝 | 0-1-1-19 | 0% | 4.8% | 9.5% |
先に述べた通り、過去10年の優勝馬10頭中9頭は前走が日本ダービーだった。条件クラスのレースから臨んだ馬も健闘はしているものの、日本ダービー組の牙城を崩すのは容易ではなさそうだ。ダービーに出走できたということは世代上位の実績の持ち主ということでもあり、ダービーからの臨戦で勝利を収めた9頭には、芝2000メートル以上のGⅠで3着以内、もしくはGⅡ勝利歴があった。出走各馬の実績はチェックしておきたい。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走 | 芝2000m以上のGⅠ・GⅡでの主な成績 |
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2014年 | ワンアンドオンリー | 日本ダービー | 日本ダービー(GⅠ)1着 |
2015年 | リアファル | 3勝クラス | なし |
2016年 | サトノダイヤモンド | 日本ダービー | 日本ダービー(GⅠ)2着 |
2017年 | レイデオロ | 日本ダービー | 日本ダービー(GⅠ)1着 |
2018年 | ワグネリアン | 日本ダービー | 日本ダービー(GⅠ)1着 |
2019年 | サートゥルナーリア | 日本ダービー | 皐月賞(GⅠ)1着 |
2020年 | コントレイル | 日本ダービー | 日本ダービー(GⅠ)1着 |
2021年 | ステラヴェローチェ | 日本ダービー | 日本ダービー(GⅠ)3着 |
2022年 | ジャスティンパレス | 日本ダービー | ホープフルS(GⅠ)2着 |
2023年 | サトノグランツ | 日本ダービー | 京都新聞杯(GⅡ)1着 |
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