秋華賞トライアルのローズSは今年、中京・芝2000メートルで争われる。このコースで行われた2020年から2022年を振り返ってみると、2022年は1番人気馬が勝ち、2番人気馬が2着に入った。一方、2020年と2021年は2桁人気馬が2着に食い込み、3着にも2桁人気が入った2020年は3連単100万円超の大波乱となっている。ここでは阪神・芝1800メートルで行われた年も含めた過去10年の結果から、好走馬の特徴を探った。
過去10年の優勝馬は10頭中6頭がオークスからの臨戦で、オークス組が単勝1番人気に支持されると〔3・1・1・1〕という好成績。一方、同じくオークス組が6番人気以下だった場合は〔0・1・0・12〕と、人気薄の好走が少ないのも特徴だ。対照的に、1勝クラス組は4勝中3勝が7番人気以下の馬によるもので、2020年に大波乱を演出した2頭の2桁人気馬も1勝クラスからの臨戦だった。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
オークス | 6-2-3-33 | 13.6% | 18.2% | 25.0% |
その他のGⅠ | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
GⅡ | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
GⅢ | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
2勝クラス | 0-2-5-24 | 0% | 6.5% | 22.6% |
1勝クラス | 4-4-2-43 | 7.5% | 15.1% | 18.9% |
未勝利 | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
その他 | 0-0-0-10 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の通算出走回数別成績を調べると、優勝馬はいずれも7戦以下だった。昨年の優勝馬マスクトディーヴァと2着馬ブレイディヴェーグは共にキャリア3戦、2022年2着のサリエラは同2戦と、近年は特にキャリアの浅い馬の活躍が目立っている。〔表2〕
通算出走回数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
7戦以下 | 10-7-7-86 | 9.1% | 15.5% | 21.8% |
8戦以上 | 0-3-3-45 | 0% | 5.9% | 11.8% |
また、過去10年の優勝馬は全て同年の出走回数が4戦以下だった。年明け以降に5戦以上していると大幅に好走率が下がるので、これに該当する馬は通算出走回数が7戦以下であっても割り引きが必要だろう。〔表3〕
同年の出走回数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4戦以下 | 10-8-6-71 | 10.5% | 18.9% | 25.3% |
5戦以上 | 0-2-4-60 | 0% | 3.0% | 9.1% |
中京で行われた3回(2020年から2022年)では、ディープインパクト産駒と母の父ディープインパクトの馬が3頭ずつ馬券に絡んでいる。残った3頭のうち2021年2着のエイシンヒテン、2022年3着のエグランタインは父の父がディープインパクトで、同馬の血を引いていなかったのは2022年1着のアートハウスだけ。現3歳世代に直仔はいないため、血統表の2代前にディープインパクトの名がある馬が狙い目となりそうだ。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 着順 | 馬名 | 父 | 母の父 |
---|---|---|---|---|
2020年 | 1着 | リアアメリア | ディープインパクト | Rockport Harbor |
2着 | ムジカ | エピファネイア | ディープインパクト | |
3着 | オーマイダーリン | ディープインパクト | Monsun | |
2021年 | 1着 | アンドヴァラナウト | キングカメハメハ | ディープインパクト |
2着 | エイシンヒテン | エイシンヒカリ | エイシンワシントン | |
3着 | アールドヴィーヴル | キングカメハメハ | ディープインパクト | |
2022年 | 1着 | アートハウス | スクリーンヒーロー | ヴィクトワールピサ |
2着 | サリエラ | ディープインパクト | Lomitas | |
3着 | エグランタイン | キズナ | Distorted Humor |
〔表1〕で触れたように、優勝馬の前走はオークスと1勝クラスに限られる。そこで、各馬の前走の出走頭数を調べてみると、オークス組だけでなく1勝クラス組も前走の出走頭数が16頭以上だった。前走が1勝クラスの16頭以上のレースを勝っていた馬は、〔4・0・0・4〕と勝率が50.0%になっている。該当する馬がいればオークス組とともに注目しておきたい。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走 | 前走の出走頭数 |
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2014年 | ヌーヴォレコルト | オークス | 18頭 |
2015年 | タッチングスピーチ | 1勝クラス | 16頭 |
2016年 | シンハライト | オークス | 18頭 |
2017年 | ラビットラン | 1勝クラス | 16頭 |
2018年 | カンタービレ | オークス | 17頭 |
2019年 | ダノンファンタジー | オークス | 18頭 |
2020年 | リアアメリア | オークス | 18頭 |
2021年 | アンドヴァラナウト | 1勝クラス | 18頭 |
2022年 | アートハウス | オークス | 17頭 |
2023年 | マスクトディーヴァ | 1勝クラス | 16頭 |
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