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牝3歳
調教師:木村哲也(美浦)
牝馬限定戦への出走はキャリア6戦目で初めて。皐月賞(6着)、日本ダービー(5着)でも上位人気に評価された本馬の実力が、同世代の牝馬でどのポジションなのか。それを確かめる注目の一戦になる。
昨年のホープフルSを制し、GⅠタイトルを獲得。すでに高まりつつあった父スワーヴリチャードの評価を決定的なものにしただけでなく、GⅠ昇格の同レースでは初めてとなる牝馬の勝利が残したインパクトも相当だった。皐月賞は6着、日本ダービーは5着と、牡馬混合のクラシックに挑んだ春シーズンは勝ち星こそ挙げられなかったが、推定上がり3ハロンタイムはどちらも出走馬中最速をマーク。その瞬発力が世代最上位クラスであることを疑う余地はない。秋初戦のここで結果をしっかりと出し、大舞台への道筋をつけたいところだ。
牝3歳
調教師:中内田充正(栗東)
もともと調教で速い時計が出るタイプの馬ではあるが、桜花賞(8着)とオークス(4着)での調整過程と比較した時、今回のほうが動きに鋭さが出ているように見える。520キログラム前後の大型馬でも休み明けから動ける馬。注目の秋初戦となる。
2月のクイーンCを制し、初めての重賞制覇を達成。この勝利を高く評価され、桜花賞では3番人気の支持を受けたが、8着と結果を残せなかった。前走のオークスでは、直線半ばで一度は先頭に並びかけるシーン。勝ったチェルヴィニアから0秒4差の4着に入り、世代上位の能力を改めて証明している。半兄グレナディアガーズはマイルの朝日杯フューチュリティS勝ち馬だが、父がフランケルからキズナに替わっているためか、本馬の適性は中距離にあるイメージ。直線の長い芝2000メートルは絶好の舞台だろう。2度目の重賞制覇を決めるチャンスだ。
牝3歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
調教でしっかりと動けていたものの、前走は深管を痛めたことによる約6か月の休み明け。目標をここに定めて復帰する今回とは印象が大きく違う。2戦連続でメンバー中最速の上がり3ハロンタイム(推定)をマーク。レースセンスだけでなく、上位の決め手も持っている。
現オープン馬のビヨンドザファザーを半兄に持つ血統馬だが、父がカーリンでダートを主戦場にする兄と違い、本馬の父は菊花賞、有馬記念を勝ったサトノダイヤモンド。母の父ガリレオの影響も加味すれば、適性は芝の中距離以上にあると考えていいだろう。実際、前後の肉付きもいいが、胴の長いスラッとした馬体は中距離馬のそれだ。まだ土つかずとはいえ、前走で1勝クラス(京都・芝1800メートル)を勝ったばかりのキャリア2戦馬。いきなりの重賞挑戦は簡単ではないだろうが、ここを乗り越えるようなら秋の牝馬GⅠ戦線の主役候補に躍り出る可能性もありそうだ。
牝3歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
折り合いに課題があるわけでなく、操縦性にも長けているが、そこまで馬体に伸びがあるシルエットではないタイプ。前走の2400メートルの距離は本質的に長かった可能性もありそうだ。勝ち鞍がある2000メートルへの距離短縮はプラス材料だろう。
比較的小柄なキズナ産駒で、オープンクラスでの初勝利となった前々走の忘れな草賞(リステッド・阪神・芝2000メートル)の時の馬体重が436キログラム。16着と結果を残せなかった前走のオークスでは440キログラム。今後の成長が鍵と言えるのかもしれない。半兄にダート重賞を2勝したタガノトネール(父ケイムホーム)、同じく半兄に平地と障害の両方で重賞制覇を果たしたタガノエスプレッソ(父ブラックタイド)がいる血統背景。兄はどちらも息の長い活躍を見せていたことから、本馬もひと夏を越えての成長が期待できそうだ。重賞初制覇を決め、目標とする秋華賞にいい形で向かいたい。
牝3歳
調教師:友道康夫(栗東)
手術をしたことでノドの不安は解消。実力発揮への不安点は雨が降った馬場状態のみと言える状況になっている。前走では今回と同じ条件で好時計勝ち。上がり3ハロン(推定)のタイムも速かった。良馬場での決め手勝負なら、この相手でも引けは取らないはずだ。
2021年のセレクトセールにおいて2億2000万円(消費税込み)で取引されたハーツクライ産駒。ノドの手術をして復帰した3走前の未勝利(京都・芝1600メートル)が大外一気の差し切り勝ち。前々走の1勝クラス・木屋町特別(京都・芝2000メートル)は重馬場に苦しみ5着と結果を残せなかったが、良馬場だった前走の1勝クラス・御在所特別(中京・芝2000メートル)では、出走馬中唯一の上がり3ハロン33秒台となる33秒5(推定)の末脚を繰り出し、豪快に差し切った。1勝クラスを勝ったばかりでの格上挑戦になるが、陣営の評価は非常に高い馬。重賞でも面白い存在となりそうだ。
牝3歳
調教師:中村直也(栗東)
以前から調教で動くタイプの馬ではあったが、ここにきてさらに動くようになっている。しっかりと休養期間を設けたことがプラスに出ているようだ。跳びの大きいフットワーク。今回もスムーズな競馬ができるかが重要だ。
近親にオークス馬ヌーヴォレコルトがいるシルバーステート産駒。まだ1勝馬ではあるが、前々走のフローラSでは勝ったアドマイヤベルから0秒1差の2着に好走。先週の紫苑Sでコースレコード勝ちをしたクリスマスパレード(4着)には先着を果たした。前走のオークスは11着と好結果を出せなかったが、6番手でスムーズにレースを進めながら直線で伸びを欠いた内容は、距離の壁を感じさせるものだった。結果を出している芝2000メートルに距離を短縮する今回は、前々走のようなパフォーマンスを発揮できるだろう。
牝3歳
調教師:菊沢隆徳(美浦)
近走は落ち着いているとはいえ、テンションが高いタイプであることは間違いなく、当日に落ち着きがあるかどうかは大きなポイントとなりそう。同じ左回りで直線の長い東京コースで結果を残していることは評価していいだろう。
牝馬ながら500キログラム前後の馬格を誇るエピファネイア産駒で、半兄に現オープン馬のトランキリテ(父ルーラーシップ)がいる。テンションが上がってしまった3走前のフラワーCこそ6着と結果を残せなかったが、前々走のフローラSでは直線で鋭い伸びを見せ、勝ったアドマイヤベルから0秒3差の3着に好走。自己条件に戻った前走の1勝クラス・三浦特別(東京・芝1800メートル)は3番手で脚をためると、上がりの速い展開のなかをスパッと抜けて勝利した。マークした上がり3ハロン33秒3(推定)の数字も優秀。5月の遅生まれなら、今後の成長も大いに期待できる。
牝3歳
調教師:池添学(栗東)
1週前追い切りは、古馬オープン馬を大きく追走するハードな内容。暑さが残る時季でも強い負荷をかけられることを評価したい。当日輸送で挑める中京へのコース替わりも魅力。前走から馬体重を減らすことなく挑めるかがポイントとなりそうだ。
エリザベス女王杯、有馬記念で2着のサラキア(父ディープインパクト)、朝日杯フューチュリティSを勝ったサリオスなど、5頭のオープン馬もしくはオープンクラス勝ち馬を誕生させている名繁殖牝馬サロミナの産駒で、ハーツクライを父に持つ本馬はサリオスの全妹にあたる。昨秋のアルテミスSでは、のちのオークス馬チェルヴィニアの2着に好走し、続く阪神ジュベナイルフィリーズでも4着に入った実績があるが、約3か月ぶりの実戦だった前走のオークスでは13着に敗れている。夏場をじっくりと休ませたことによる成長がどれほどあるかを確かめる一戦。収得賞金的にもここで秋華賞の優先出走権を確保したい。
(松浪 大樹)
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