紫苑Sは秋華賞トライアルのオープン特別として2000年に創設された。2016年に重賞に昇格するまでは当レース出走馬で秋華賞を制したのは2014年のショウナンパンドラだけだったが、重賞に格上げされると様相が一変。2016年のヴィブロスを皮切りに、8年間で3頭が秋華賞を制している。今回は重賞格上げ後の8年を参考に、レースの傾向を探っていく。
過去8年では単勝1番人気と2番人気がそれぞれ3勝、残る2勝も4番人気と5番人気によるものだった。いずれも単勝の配当は10倍未満で、勝ち馬に関していえば前評判の高かった馬に限られている。ただ、2着や3着に伏兵馬が入ったケースは少なくない。2017年以降は5番人気以内から2頭、6番人気以下から1頭という組み合わせの決着が続いているので、3連複や3連単を買う際にはこの傾向も意識してみたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-1-1-3 | 37.5% | 50.0% | 62.5% |
2番人気 | 3-2-0-3 | 37.5% | 62.5% | 62.5% |
3番人気 | 0-1-1-6 | 0% | 12.5% | 25.0% |
4番人気 | 1-1-1-5 | 12.5% | 25.0% | 37.5% |
5番人気 | 1-0-1-6 | 12.5% | 12.5% | 25.0% |
6〜9番人気 | 0-2-3-27 | 0% | 6.3% | 15.6% |
10番人気以下 | 0-1-1-58 | 0% | 1.7% | 3.3% |
過去8年の前走別成績を見ていくと、3着以内馬の過半数がGⅠからの臨戦だった。前走がGⅠだった馬は3着内率も36.1%と高く、単勝2番人気以内であれば〔3・2・1・1〕と信頼度が跳ね上がる。また、前走で2桁着順に敗れていたマルターズディオサ(2020年)、ファインルージュ(2021年)が優勝を果たすなど、GⅠ組は大敗からの巻き返しもある。今年も前走GⅠ組には注目しておくべきだろう。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 5-4-4-23 | 13.9% | 25.0% | 36.1% |
GⅡ | 1-1-1-8 | 9.1% | 18.2% | 27.3% |
GⅢ | 0-1-0-3 | 0% | 25.0% | 25.0% |
オープン特別 | 0-0-0-7 | 0% | 0% | 0% |
3勝クラス | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
2勝クラス | 1-1-1-14 | 5.9% | 11.8% | 17.6% |
1勝クラス | 1-1-2-42 | 2.2% | 4.3% | 8.7% |
未勝利 | 0-0-0-6 | 0% | 0% | 0% |
地方のレース | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
なお、休み明けでも問題ないGⅠ組とは対照的に、1勝クラスおよび2勝クラス組は中9週以上の間隔で出走してきた馬の好走例が一切ない。単勝3番人気以内に推されていた5頭も例外なく4着以下に敗れているので、上位人気でも割り引きたい。ちなみに、1勝クラスまたは2勝クラスから中8週以下で出走してきた馬のうち、前走で芝2000メートルを勝っての参戦だった馬が〔2・1・1・1〕と好成績だ。〔表3〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中8週以下 | 2-2-3-35 | 4.8% | 9.5% | 16.7% |
中9週以上 | 0-0-0-21 | 0% | 0% | 0% |
過去8年の優勝馬はいずれもJRA重賞で5着以内に入ったことがある馬だった。この実績を持っていた馬は3着内率も34.0%と高いレベルにある。特に活躍が目立つのが、GⅠで5着以内に入っていた馬で、〔5・1・1・6〕と勝率38.5%をマーク。該当する馬の出走があれば、単勝や1着固定の馬券で勝負してみるのもいいだろう。〔表4〕
(高那実 マヤ)
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-5-4-33 | 16.0% | 26.0% | 34.0% |
なし | 0-3-4-75 | 0% | 3.7% | 8.5% |
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