今週の注目レース

紫苑ステークス(GⅢ)

中山競馬場 2000メートル(芝)馬齢 (牝) 3歳オープン

出走馬情報

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ボンドガール

牝3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:コーステッド
  • 母の父:Tizway
ここに注目!

ここまで1着、2着、2着、17着、2着。NHKマイルCは力を出し切ることができなかったが、新馬戦では今年のオークス馬チェルヴィニアを負かしており、素質上位は明らかだ。待望の重賞初制覇がかかる。

メイクデビュー東京(芝1600メートル)では評判馬チェルヴィニアを差し切って勝利。レースのラスト2ハロンのラップが11秒0、11秒1という上がり勝負のなかで、驚異的な鋭さを見せた。この勝ち方から続くサウジアラビアロイヤルCは単勝オッズ1.4倍の支持を集めたが、折り合いの難しさを見せて2着。今年はニュージーランドT2着を経て臨んだNHKマイルCで17着に敗れたが、前走のクイーンSでは51キログラムの斤量だったとはいえ、直線だけで2着まで押し上げる走りを見せた。勝ち星は新馬のみだが、脚力が重賞レベルであることは戦績が示す通り。折り合い面の進境を見せており、初の2000メートルでも重賞初制覇が有望だ。

ミアネーロ

牝3歳

調教師:林徹(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ミスエーニョ
  • 母の父:Pulpit
ここに注目!

フラワーCで重賞勝ち。力強く抜け出してきたレース内容は、中山巧者の可能性を示すものだった。オークス(14着)は距離を含めて適性外だったのだろう。中山に戻っての秋初戦。いきなり好勝負になりそうだ。

今回唯一の重賞勝ち馬。その重賞勝ちとなった2走前のフラワーCは外へ進路を求める馬が多いなかで、内を進出して一気に抜け出してきた。3走前の1勝クラス・菜の花賞(中山・芝1600メートル)は力を出し切れず5着だったが、新馬勝ちの中山・芝1800メートルに戻して即巻き返したあたり、中距離の適性もかなり高いとみてよさそうだ。東京・芝2400メートルのオークスでは大敗を喫したが、2戦2勝の中山なら芝2000メートルでもフラワーCと同様の走りを期待していいだろう。秋初戦に向けて8月中旬から十分に乗り込まれており、この点も強調材料になる。

エラトー

牝3歳

調教師:上村洋行(栗東)

  • 父:Saxon Warrior
  • 母:エライヤ
  • 母の父:Siyouni
ここに注目!

1勝クラス、2勝クラスを連勝中。地力強化はもちろん、前走の2勝クラス・北海H(函館・芝1800メートル)は、控える競馬で結果を残せた点で精神面での成長も窺えた。春のチューリップ賞は9着。再びの重賞挑戦で進化を証明したい。

チューリップ賞9着から休養を挟んで臨んだ2走前の1勝クラス・遊楽部特別(函館・芝1800メートル)が強い勝ち方。1回函館の開幕週で良好な馬場コンディションだったとはいえ、ラスト2ハロンを11秒3、11秒3のラップでまとめる逃げ切りは、地力がなければできない芸当と言える。実際、昇級初戦の2勝クラス・北海Hも連勝。レースは2番手に控えて終始手応え十分に進め、直線ではその手応え通りに伸び、立ち回りとしてはほぼ完璧に映る完勝劇だった。夏2戦で心身ともに著しい成長を示しており、春とは別馬と表現してもいいくらい。飛躍を遂げるのにふさわしい勢いを感じる。

ホーエリート

牝3歳

調教師:田島俊明(美浦)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ゴールデンハープ
  • 母の父:ステイゴールド
ここに注目!

フラワーCはミアネーロの2着だったが、馬群の内を通った勝ち馬とは違い、こちらは3、4コーナーで外を回る競馬。決して力負けではないはずだ。GⅠ初挑戦だった前走のオークスは10着。秋初戦のここは改めて重賞初制覇を目指す一戦になる。

長く脚を使って2着だったフラワーCが好内容。もう少し距離があれば、と思わせる最後の脚だった。オークスはそれを意識したのか、序盤後方の位置取りから早めに動いて行く競馬。直線に入ったところでは先頭をうかがうかのような脚勢で伸びていた。結果10着とはいえ、見せ場は十分。やはり2000メートル以上の距離が合う印象も受けた。今回はフラワーCと同じの中山が舞台。開幕週の馬場コンディションが本馬向きとは言えない一方で、機動力を生かす形なら東京よりは中山のほうが合うはずだ。動き出しのタイミングがかみ合えば、トライアルの本レースはもちろん、その先の大舞台でも活路が見えてくる。

クリスマスパレード

牝3歳

調教師:加藤士津八(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ミスエリカ
  • 母の父:Blame
ここに注目!

新馬、1勝クラスと連勝して臨んだフローラSは、初めての東京で馬に気持ちが入り過ぎたようで4着惜敗。それでも勝ち馬から0秒3差なら資質の高さは十分に窺えた。ダートの前走は参考外。2戦2勝の中山で巻き返しを期す。

牝馬らしからぬスケールを感じたのが2連勝の内容だ。メイクデビュー中山(芝2000メートル)は先行で抜け出し、続く1勝クラス・水仙賞(中山・芝2200メートル)は4コーナー先頭の強気の競馬で後続を振り切った。勇躍臨んだフローラSは、3番手の位置取りからこの馬の競馬はできたように見えたが、最後に伸び負けて4着。とはいえ、勝ち馬から0秒3差なら、重賞通用の能力は示したと言っていいだろう。初ダートに挑んだ前走の関東オークス(JpnⅡ・川崎・ダート2100メートル)は9着。立て直しての中山で真価を問う。

サロニコス

牝3歳

調教師:松下武士(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:サロニカ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

初勝利に4戦を要したが、1勝クラスは2戦目で突破。しかも、好位から上がり3ハロン最速(推定)の末脚で抜け出した。活躍馬多数の母系の出身らしく、ここにきて急成長を遂げている。器用に立ち回れるタイプなので、中山2000メートルは合いそうだ。

母サロニカは現役時代に2勝。そのひとつ下の全妹サラキアは2020年のエリザベス女王杯と有馬記念を連続2着。3歳下の半弟サリオスは2019年の朝日杯フューチュリティS勝ちのほか、2020年の日本ダービーで2着。これらの活躍馬が出ている極めて優秀な牝系の出身と言える。一方でこの血統は本格化に時間を要す傾向があり、本馬も軌道に乗るまでに時間を要した。前走の1勝クラス(京都・芝1800メートル)は、センス良く好位につけると最後まで余裕十分。ラストの瞬発力勝負を楽に抜け出してきた。初の2000メートルは気になるが、あのパフォーマンスなら克服可能だろう。開幕週の馬場コンディションも合うイメージがある。

ハミング

牝3歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ブリックスアンドモルタル
  • 母:ブリッツフィナーレ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

半兄に菊花賞馬のキセキ、半姉にマーメイドS勝ちのビッグリボン(ともに父ルーラーシップ)がいる良血馬。本馬もきょうだい同様に使いつつ頭角を現し、現在2連勝中。特に前走は、3回小倉開催最速の好時計だった。本馬も重賞に手が届く器だろう。

驚かされたのが前走の勝ちタイム。着差こそ1/2馬身差だったが、1分46秒0の走破時計は今年の小倉開催でも小倉大賞典に次ぐ2番目の優秀さだった。ハイペースで飛ばす馬がいたことが好時計の要因の一つになったとはいえ、単純な比較なら3勝クラスは突破できる計算が立つ。きょうだいのキセキもビッグリボンも本格化を示し始めたのは3歳夏以降。本馬もここから大きく飛躍しそうだ。実際、前走は8キログラムの馬体重増。さらに中間の調教で好気配を見せており、これらを充実の証とみることもできるだろう。一気に相手は強くなるが、3歳牝馬同士の一戦なら好走があっても不思議はない。

(山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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