2023年のCBC賞で重賞初制覇を果たしたジャスパークローネは、次走の北九州記念でも逃げ切り勝ちを果たし、サマースプリントシリーズのチャンピオンに輝いた。また、2021年にはCBC賞で1着、北九州記念で2着となったファストフォースがチャンピオンの座を勝ち取っている。今年は開催日程の変更によりCBC賞と北九州記念の開催順が入れ替わったものの、引き続きタイトル争いの趨勢を大きく左右する一戦となりそうだ。今回は、阪神・芝1200メートルで行われた2020年、小倉・芝1200メートルで行われた2021年と2022年を含む、過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中19頭は、通算出走数が18戦以内だった。一方、19戦以上だった馬は3着内率11.6%とやや苦戦している。〔表1〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
18戦以内 | 7-6-6-39 | 12.1% | 22.4% | 32.8% |
19戦以上 | 3-4-4-84 | 3.2% | 7.4% | 11.6% |
ちなみに、過去3年の3着以内馬9頭は、いずれも通算出走数が17戦以内だった。キャリアが豊富な馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表2〕
通算出走数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
17戦以内 | 3-3-3-9 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
18戦以上 | 0-0-0-24 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、馬番が1番から11番だった。一方、12番から18番だった馬は3着内率7.0%と苦戦しているうえ、2018年以降の過去6年に限ると〔0・0・0・23〕(3着内率0%)である。外寄りの馬番となった馬は割り引きが必要だ。〔表3〕
馬番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜11番 | 10-9-8-83 | 9.1% | 17.3% | 24.5% |
12〜18番 | 0-1-2-40 | 0% | 2.3% | 7.0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中15頭は4大場(東京・中山・京都・阪神)で行われたGⅠ・GⅡにおいて4着以内となった経験がある馬だった。該当馬は3着内率も33.3%と優秀な水準に達している。4大場のGⅠやGⅡで好走したことのある馬は、上位に食い込む可能性が高いとみておきたい。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-4-7-30 | 8.9% | 17.8% | 33.3% |
なし | 6-6-3-93 | 5.6% | 11.1% | 13.9% |
なお、4大場(東京・中山・京都・阪神)で行われたGⅠ・GⅡにおいて4着以内となった経験がなかったにもかかわらず3着以内に入った延べ15頭のうち10頭は、同年のJRAの出走頭数が16頭以上だったレースにおいて“着順が5着以内、かつ4コーナー通過順が5番手以内”となった経験のある馬だった。年明け以降に先行策で好走した経験のある馬も、4大場のGⅠやGⅡで好走したことのある馬と同等に高く評価するべきだろう。〔表5〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 4-4-2-22 | 12.5% | 25.0% | 31.3% |
なし | 2-2-1-71 | 2.6% | 5.3% | 6.6% |
過去3年の優勝馬3頭は、いずれも前走の4コーナー通過順が5番手以内だった。また、この3頭は通算出走数が14戦以内だった点、馬番が1番から10番だった点も共通している。先行力の高さや、〔表1〕、〔表2〕、〔表3〕あたりで挙げた傾向を考慮したうえで絞り込みたい。〔表6〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 前走の4コーナー通過順 | 通算出走数 | 馬番 |
---|---|---|---|---|
2021年 | ファストフォース | 5番手 | 14戦 | 3番 |
2022年 | テイエムスパーダ | 2番手 | 6戦 | 5番 |
2023年 | ジャスパークローネ | 2番手 | 12戦 | 10番 |
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