今週の注目レース

JRA70周年記念 北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

札幌競馬場 1800メートル(芝)別定 (牝) 3歳以上オープン

出走馬情報

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ドゥアイズ

牝4歳

調教師:庄野靖志(栗東)

  • 父:ルーラーシップ
  • 母:ローズマンブリッジ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

札幌競馬場は、デビューから3戦を経験したコース。メイクデビュー札幌(芝1800メートル)で初陣を飾ると、続く、オープン特別・コスモス賞(札幌・芝1800メートル)と札幌2歳Sでは2着に好走した。今回の条件はぴったりと言えるだろう。

前走のヴィクトリアマイルは、牝馬限定とはいえGⅠの強敵を相手に勝ち馬から0秒3差の4着に健闘。直線で他馬と接触する場面がありながらの走りで、上位勢と遜色のない能力は示した。前々走の阪神牝馬Sでも5着。今春は1600メートルのレースを中心に使われており、久しぶりの1800メートルへの対応は鍵となりそうだ。ただ、この距離でも3戦して、1勝、2着2回としっかりと実績を残している。過去にGⅢで2着2回、GⅠで3着1回と好走を見せており、重賞制覇まであと一歩のところまできている。能力は今回のメンバーでも上位の存在と言えるだろう。

ウンブライル

牝4歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:ラルケット
  • 母の父:ファルブラヴ
ここに注目!

今回は、初めて1800メートルのレースに出走する。距離延長を克服できるかが鍵だが、全兄ステルヴィオは芝1800メートルのスプリングS勝ち馬で、半兄ヒシゲッコウ(父ルーラーシップ)は芝2600メートルで勝ち星をマーク。血統的には長めの距離もこなせそうだ。

前走のヴィクトリマイルは6着に敗れたが、勝ち馬テンハッピーローズから0秒4差と着順ほどは負けておらず、GⅠでも力を示したと言っていいだろう。前々走の阪神牝馬Sでは、メンバー中最速タイの上がり3ハロン32秒9(推定)をマークして2着に追い上げており、重賞でも通用する切れ味をすでに証明している。7月半ばに函館競馬場に入厩し、順調に調教を消化。21日には函館Wコースで5ハロン69秒1(ラスト1ハロン12秒1)を馬なりでマーク。17日には同コースで併せ馬を行っており、重賞初制覇へ向けて万全の出走態勢が整いつつあると言えそうだ。

ボンドガール

牝3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ダイワメジャー
  • 母:コーステッド
  • 母の父:Tizway
ここに注目!

母はブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフ(G1・アメリカ)で2着に入った活躍馬。半兄ダノンベルーガ(父ハーツクライ)も共同通信杯を制しており、高い能力を産駒にしっかりと伝えている。良血馬が重賞初制覇に挑む。

メイクデビュー東京(芝1600メートル)では、メンバー中最速の上がり3ハロン33秒0(推定)をマークして3/4馬身差の勝利。当時の2着馬がのちにオークスを制すチェルヴィニア。3着コラソンビートはその後に京王杯2歳Sを制しており、初戦から濃厚なメンバーが相手だった。続くサウジアラビアロイヤルCは2着。今年初戦となった前々走のニュージーランドTでも2着と、高いポテンシャルを発揮している。前走のNHKマイルCは17着と大きく着順を下げたが、直線で進路が狭くなる場面があったもので、度外視できるだろう。今回は巻き返しのチャンスとなりそうだ。

スタニングローズ

牝5歳

調教師:高野友和(栗東)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ローザブランカ
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

近走は白星から遠ざかっているが、一昨年の秋華賞を制したGⅠ馬。当時2着に下したナミュールものちにGⅠを勝っている。強敵相手に戦ってきた経験値は、今回のメンバーなら一枚上と言えるはずだ。

左前脚の腱周囲炎からの復帰初戦となった前々走の大阪杯は逃げの形になり、前半1000メートル通過タイム1分00秒2のペースでレースを引っ張った。直線で失速したものの、それでも勝ち馬から0秒5差の8着と、改めて能力を示すレースになったと言えるだろう。約9か月半の長期休養明けを1度使われて臨んだ前走のヴィクトリアマイルも9着と敗れたが、2000メートルの距離で紫苑S、秋華賞を制していることを思えば、適距離よりやや短い1600メートルのレースだった影響もあったのだろう。今回は200メートルの距離延長となるが、1800メートルでもフラワーCを勝っており、プラスに働きそうだ。

イフェイオン

牝3歳

調教師:杉山佳明(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:イチオクノホシ
  • 母の父:ゼンノロブロイ
ここに注目!

母は重賞勝ちこそなかったが、3歳時のクイーンCで2着に入ると、4歳となってからも阪神牝馬Sで2着に好走し、年齢を重ねての成長も見せた。本馬も、これからの伸びしろが期待できるだろう。

昨年11月の未勝利(京都・芝1600メートル)を勝って挑んだフェアリーSで重賞初制覇を果たした。4着までが0秒1差でひしめく大接戦を制したように、勝負根性は強みと言えそうだ。桜花賞(11着)、NHKマイルC(5着)とGⅠの大舞台では結果を出せなかったが、桜花賞も勝ち馬から0秒7と大崩れはしておらず、安定して力を発揮できるタイプと言えるだろう。叔母に今回と同じ1800メートルの福島牝馬Sを制したコスタボニータがいることから、初めてとなるこの距離も血統的にはこなせていいはず。仕切り直しの一戦で他世代の強敵が相手になるが、成長した姿を見せられるだろう。

コンクシェル

牝4歳

調教師:清水久詞(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:ザナ
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

札幌競馬場は今週が開幕2週目で、良好の芝コンディションで開催されることが予想される。重賞のメンバーが相手でも、逃げの戦法を取れるダッシュ力の持ち主。確かな先行力は大きな武器となりそうだ。

これまで挙げた全5勝中4勝は今回と同じ1800メートルでマークしたものだ。前走のヴィクトリアマイルは13着と敗れたが、他世代相手のGⅠで本来の適距離よりも短い1600メートルのレースだったことは考慮が必要だろう。前々走の中山牝馬Sでは鮮やかな逃げ切り勝ちを決めており、条件さえかみあえばGⅢを逃げ切れるだけの能力を持っている。北海道の洋芝コースへの出走は今回が初めてとなるが、前述の中山牝馬Sは稍重の馬場状態で挙げた重賞初制覇だけに、力の要るコンディションは問題なくこなせるはずだ。巻き返すだけの下地は整ったと言えるだろう。

アルジーヌ

牝4歳

調教師:中内田充正(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:キャトルフィーユ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

母は2014年の本レース勝ち馬。1分45秒7の走破時計は、今も破られていないコースレコードだ。本馬は今回が初めての重賞挑戦となるが、血統的には能力を発揮できる条件と言えるだろう。

これまで8戦を経験してすべて5着より上の着順となっているように、安定感は抜群と言っていいだろう。前走の3勝クラス・博多S(小倉・芝1800メートル)では、前半こそ後方で運んでいたが、向正面でポジションを押し上げると、3、4コーナーで一気に先頭に並びかけて直線へ。最後までしぶとく脚を伸ばし続け、2着馬に1馬身3/4差をつけてオープンクラス入りを決めた。コースこそ違うが、同じ洋芝の函館競馬場で2戦1勝、2着1回と結果を残しているように、舞台替わりもプラスに働きそうだ。17日には栗東CWコースで6ハロン81秒5(ラスト1ハロン11秒4)をマーク。調整も順調に進められている。

ウインピクシス

牝5歳

調教師:上原博之(美浦)

  • 父:ゴールドシップ
  • 母:コスモアクセス
  • 母の父:ロージズインメイ
ここに注目!

昨年の本レースでは、勝ったドゥーラの決め手に屈したものの、先行策から2着に粘り込んだ。昨年の勝ち馬が不在のここは重賞初制覇のチャンス到来。持っている能力をしっかりと発揮できる舞台で、タイトル奪取に挑む。

前走の福島牝馬Sでは、好スタートから先手を主張すると、前半1000メートル通過タイム1分00秒3という淡々としたペースの逃げを打った。余力十分に3、4コーナーを通過し、直線でも最後までしぶとく粘って3着を確保。勝ち馬から0秒2差という僅差の競馬を見せた。全4勝を1800メートルのレースで挙げている馬で、今回も引き続きベストと言える距離。同型馬の存在は鍵になるが、先手さえ奪うことができれば2戦連続の好走も十分に可能だろう。2着に好走した昨年と同じ福島牝馬Sからのローテーションでもあり、臨戦過程も文句ないものと言えそうだ。

(山口 大輝)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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