2023年の函館記念は、単勝オッズ4.1倍(1番人気)のローシャムパークが1着となったこともあり、3連単の配当は2万1330円にとどまった。もっとも、2020年に単勝オッズ77.3倍(15番人気)のアドマイヤジャスタが優勝を果たし、3連単343万2870円の高額配当が飛び出したのは記憶に新しいところである。堅めの決着も波乱の決着もあり得る、難解な一戦と言えるだろう。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、前年以降のJRAの右回りコースかつ3000メートル未満のGⅠ・GⅡにおいて11着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率6.4%と苦戦している。前年以降に、今回より格が高く、なおかつ右回り・3000メートル未満のレースで11着以内がない馬は割り引きが必要だ。〔表1〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9-9-7-56 | 11.1% | 22.2% | 30.9% |
なし | 1-1-3-73 | 1.3% | 2.6% | 6.4% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は、前走の出走頭数が14頭以上だった。一方、13頭以下だった馬は3着内率7.4%と苦戦している。前走が13頭立て以下だった馬は評価を下げるべきだろう。〔表2〕
前走の出走頭数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
13頭以下 | 0-2-3-63 | 0% | 2.9% | 7.4% |
14頭以上 | 10-8-7-66 | 11.0% | 19.8% | 27.5% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中24頭は、枠番が1枠から5枠だった。一方、6枠から8枠だった馬は3着内率10.0%とやや苦戦している。さらに、2019年以降の過去5年に限ると〔1・0・1・28〕(3着内率6.7%)である。外寄りの枠に入った馬は、好走する可能性が低いとみておきたい。〔表3〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜5枠 | 8-9-7-75 | 8.1% | 17.2% | 24.2% |
6〜8枠 | 2-1-3-54 | 3.3% | 5.0% | 10.0% |
過去4年の3着以内馬延べ12頭中10頭は、前走との間隔が中5週以上だった。一方、中4週以内だった馬は3着内率7.1%と苦戦している。2019年以前は前走から中4週以内だった馬の好走も少なくなかったが、近年の傾向を重くみるならば、前走との間隔に比較的余裕がある馬を重視したいところだ。〔表4〕
前走との間隔 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中4週以内 | 0-2-0-26 | 0% | 7.1% | 7.1% |
中5週以上 | 4-2-4-26 | 11.1% | 16.7% | 27.8% |
過去7年の優勝馬7頭中6頭は年齢が6歳以下だった。また、7頭は全て前走の4コーナー通過順が3番手以下だった。7歳以上の馬や前走の4コーナーを2番手以内で通過していた馬は、過信禁物とみるべきだろう。さらに、この7頭は前走の出走頭数が14頭以上だった点も共通している。〔表2〕などで挙げた傾向も考慮したい。〔表5〕
(伊吹 雅也)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年次 | 優勝馬 | 年齢 | 前走の4コーナー通過順 | 前走の出走頭数 |
---|---|---|---|---|
2017年 | ルミナスウォリアー | 6歳 | 9番手 | 16頭 |
2018年 | エアアンセム | 7歳 | 14番手 | 16頭 |
2019年 | マイスタイル | 5歳 | 6番手 | 16頭 |
2020年 | アドマイヤジャスタ | 4歳 | 8番手 | 16頭 |
2021年 | トーセンスーリヤ | 6歳 | 3番手 | 14頭 |
2022年 | ハヤヤッコ | 6歳 | 14番手 | 18頭 |
2023年 | ローシャムパーク | 4歳 | 8番手 | 17頭 |
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