今週の注目レース

函館記念(GⅢ)

函館競馬場 2000メートル(芝)ハンデ 3歳以上オープン

出走馬情報

写真をクリックすると、詳細がご覧いただけます。また、詳細の馬名をクリックすると、競走馬情報がご覧いただけます。

チャックネイト

せん6歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:ハーツクライ
  • 母:ゴジップガール
  • 母の父:Dynaformer
ここに注目!

母が2009年のアメリカンオークス(G1)を制したゴジップガールという良血で、きょうだいもコンスタントに活躍している。本馬は前走の天皇賞(春)こそ14着と崩れたが、2走前のアメリカジョッキークラブCは勝利。GⅢなら胸を張れる。

9番人気だった前走の天皇賞(春)は14着。中団追走から末脚にかけたが、勝負どころで早々と失速した。初めてのGⅠ、3200メートルの距離に戸惑ったか、いつものハツラツとした走りは見られなかった。騎乗した鮫島克駿騎手は「人気馬の後ろで運べたのですが、2周目の坂の下りで加速できませんでした。こんなに負けるような馬ではないので、アクシデントがなければいいのですが」と首を傾げた。不良馬場のなか強敵を下した2走前のアメリカジョッキークラブC、重馬場を制した4走前の3勝クラス・六社S(東京・芝2400メートル)と、タフなスタミナ比べは自分の土俵のはず。洋芝の重賞なら即反撃がありそうな雰囲気だ。馬名の由来は「人名より+人名より」。

ホウオウビスケッツ

牡4歳

調教師:奥村武(美浦)

  • 父:マインドユアビスケッツ
  • 母:ホウオウサブリナ
  • 母の父:ルーラーシップ
ここに注目!

昨年のスプリングS2着、日本ダービー6着と、早くから頭角を現した素質馬。前走のオープン特別・巴賞(函館・芝1800メートル)で復活Vを飾り、再び軌道に乗った。武器である機動力を押し出し、ここも好勝負だ。

2番人気で勝利した前走のオープン特別・巴賞。オニャンコポン(2022年京成杯)、グリューネグリーン(2022年京都2歳S)、エミュー(2023年フラワーC)などの重賞馬が顔をそろえたなか、悠々とハナを進み、ラスト800メートルからペースを上げて完勝した。後続を自ら競り落とす強い内容に、騎乗した岩田康誠騎手は「今日は小細工なしの競馬。逃げてつかまったら仕方ないと思ってレースを進めました。メンコを着けて、返し馬やゲートでも落ち着いていました」と振り返った。中間は涼しい函館で順調に調整を進めており、2019年マイスタイル以来となる巴賞からの函館記念勝利を目指す。馬名の由来は「冠名+父名の一部」。

サヴォーナ

牡4歳

調教師:中竹和也(栗東)

  • 父:キズナ
  • 母:テイケイラピッド
  • 母の父:スニッツェル
ここに注目!

祖母がアメリカの重賞で活躍したラプーマという筋の通った母系の出身。昨年の菊花賞で5着、前走の天皇賞(春)では6着とGⅠでも存在感を示し、秘めるスタミナは確か。持久力比べの展開なら自信ありだ。

10番人気で6着に入った前走の天皇賞(春)。好位から正攻法の競馬で人気勢に食らいつき、直線もしぶとく脚を伸ばした。突き抜けた1着テーオーロイヤルは強かったが、その後に宝塚記念を制した2着ブローザホーンから0秒4差なら地力は示しただろう。騎乗した池添謙一騎手は「スタートは速くないけど、いいポジションで運べました。最後は苦しくなったが、この馬のやりたい競馬はできました」と振り返った。豊富なスタミナを生かすため、近10戦は2400メートル以上に挑戦。そのうち6戦が重賞で、全て6着以内の力はここでも上位だろう。北海道初参戦となるが、スタミナ比べなら本馬に分があるはずだ。馬名の由来は「イタリアの都市名」。

ハヤヤッコ

牡8歳

調教師:国枝栄(美浦)

  • 父:キングカメハメハ
  • 母:マシュマロ
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

近親にソダシ、メイケイエール、ママコチャなどがいる近年好調の白毛一族。2022年に重馬場の函館記念を勝利したように、タフな洋芝になれば末脚の威力はアップする。今年に入っても金鯱賞4着があり、8歳夏でも馬は元気いっぱいだ。

15番人気だった前走の大阪杯。最後方から直線勝負にかけたが、上位勢との差を縮めることはできず12着に敗れた。GⅠにしては遅いペースで、ワンツーを決めたベラジオオペラとローシャムパークが4コーナーで2番手付近にいたことを考慮すれば、厳しい展開だったことは間違いない。騎乗した幸英明騎手は「後ろからの競馬でしたし、展開の助けが必要ですね。伸びていないわけではないし、もっとやれると思います」と、巻き返しに期待した。昨年12月の中日新聞杯は、その後に新潟大賞典も制したヤマニンサルバムから0秒1差の2着に好走しており、展開が向いた時の末脚は健在だ。2年前に制した相性のいいレースで復活を期す。馬名の由来は「速くて白い」。

リカンカブール

牡5歳

調教師:田中克典(栗東)

  • 父:シルバーステート
  • 母:アンブラッセモワ
  • 母の父:Zoffany
ここに注目!

休み休みの出走だが、着実に力を蓄え、2走前・中山金杯で重賞初勝利を達成。GⅠ初挑戦だった前走の大阪杯(16着)こそ崩れたが、GⅢに戻れば話は違うはずだ。確かな機動力を備えるだけに、初の函館にも不安はない。

12番人気で挑んだ初GⅠの前走・大阪杯。スタンド前発走で、スタート前の大歓声を受けエキサイトしてしまった。得意パターンの好位をゲットできたが、勝負どころを迎える前に失速し、最下位16着でゴール。騎乗した津村明秀騎手は「初めての大歓声で馬が発汗してパニックになってしまい、レース前にはもう消耗していました。これがいい経験になったと思います」と、相棒をかばった。2走前・中山金杯は好位から隙のない立ち回りで快勝。3走前・チャレンジC(7着)も勝ち馬から0秒5差と善戦しており、ここにきてグッと本格化している。ほろ苦い前走の経験を糧に、巻き返しを期待したい。馬名の由来は「チリとボリビアの国境にある山の名前」。

トップナイフ

牡4歳

調教師:昆貢(栗東)

  • 父:デクラレーションオブウォー
  • 母:ビーウインド
  • 母の父:スピニングワールド
ここに注目!

半兄は2014年函館記念3着、2015年七夕賞2着と夏の重賞で活躍したステラウインド(父ゼンノロブロイ)。本馬自身も、昨年夏に好メンバーの札幌記念を3歳の身で2着に好走した。休養で立て直した姿に期待したい。

8番人気だった前走・菊花賞。道中でじわじわとポジションを押し上げたものの、勝負どころで失速し14着に敗れた。管理する昆貢調教師は「スタートの時に膝蓋が外れてゲートを出られなかったのですが、動き出すと(外れた箇所が)はまって上手に乗ってくれました」と説明した。レース前のアクシデントもあって、本来の力を出し切れなかった印象だ。その後は該当箇所を手術し、ここが復帰戦となる。秘めるポテンシャルは確かで、3歳で出走した昨年の札幌記念では2着に好走。ジャックドールをはじめ、GⅠで好走歴がある強敵を相手に堂々と渡り合った。今回は休養を経ての成長も楽しみな一戦となる。馬名の由来は「超一流の技術」。

エンパイアウエスト

牝5歳

調教師:黒岩陽一(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:ローマンエンプレス
  • 母の父:Sadler's Wells
ここに注目!

母が2009年のヨークシャーオークス(G1・イギリス)3着のローマンエンプレスというヨーロッパの良質な母系に、日本競馬の結晶とも言えるドゥラメンテを掛け合わせた良血。5歳春を迎えグッと馬が本格化し、重賞初挑戦でも侮れない存在となる。

2勝クラス・野島崎特別(中山・芝2000メートル)、3勝クラス・パールS(京都・芝2000メートル)を器用な先行策で連勝中。8戦連続で2000メートルを使われており、重賞初挑戦でも距離には自信を持って臨める。加えて昇級戦となるが、昨年の本レースは3勝クラスV直後に挑んだローシャムパークが優勝。体調管理が難しい夏場のハンデ重賞で頼りになるのは“格より調子”の格言かもしれない。追い込み型から前で流れに乗る脚質に転換し、先行した近6戦は3勝、3着2回と安定した結果を残している。函館は初参戦だが、自身のスタイルは器用さが求められるこのコースとマッチしている。馬名の由来は「ハイウエストで切り替える直線的なシルエットのデザイン」。

マイネルクリソーラ

牡5歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:スクリーンヒーロー
  • 母:マイネトゥインクル
  • 母の父:ムタファーウエク
ここに注目!

1月の中山金杯で3着に好走し、その後の中山記念(5着)、新潟大賞典(7着)でも勝ち馬から1秒差以内の競馬を続けている。函館は昨夏に遠征し、2戦2連対と好相性。武器の末脚が生きる展開なら、十分に勝機がありそうだ。

4番人気に支持された前走・新潟大賞典は、中団後方で脚をためて末脚勝負へ。4コーナーではスムーズさを欠くシーンもあり、ラストはじりじりと脚を使ったものの7着。勝負どころで勢いをそがれたことが響いた印象だった。過去10年の函館記念で、前走新潟大賞典組は3頭が3着以内に入っているが、2015年2着ハギノハイブリッド(前走・新潟大賞典10着)、2021年1着トーセンスーリヤ(同4着)、同年3着バイオスパーク(同9着)と、いずれも敗戦から巻き返した。本馬も休み明けを一度使われ、状態を上げてくる可能性は十分。重賞初挑戦ながら勝ち馬リカンカブールから0秒2差の3着に頑張った中山金杯だけ走れば、強敵相手でも好勝負になる。馬名の由来は「冠名+金(ギリシャ語)」。

(高木 翔平)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

ページトップへ戻る
表示モード: