今週の注目レース

マーメイドステークス(GⅢ)

京都競馬場 2000メートル(芝)ハンデ (牝) 3歳以上オープン

データ分析

伏兵の台頭も少なくない3歳以上牝馬のハンデキャップ重賞

2023年のマーメイドSは、単勝オッズ3.7倍(1番人気)のビッグリボンが優勝したこともあり、3連単の配当は2万7910円にとどまった。これは、3連単が発売されるようになった2005年以降の過去19回において、3番目の低額配当であった。ちなみに、3連単の配当が10万円を下回ったのは2017年(1万4720円)以来で、これがまだ6回目だ。昨年のように堅く収まる年もあるとはいえ、基本的には波乱含みの一戦とみておくべきだろう。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

5歳以上馬は重賞実績を重視

過去10年の3着以内馬延べ30頭中、年齢が5歳以上だった20頭のうち19頭は、JRAの重賞において6着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率2.6%と苦戦している。5歳以上の馬を比較する際は、重賞で6着以内に入ったことがある馬を高く評価すべきだろう。〔表1〕

〔表1〕年齢が5歳以上だった馬の、JRAの重賞において6着以内となった経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 6-5-8-38 10.5% 19.3% 33.3%
なし 0-1-0-37 0% 2.6% 2.6%

また、過去10年の3着以内馬延べ30頭中、4歳以下だった10頭のうち9頭は、前走の競馬場が京都・阪神・中京のいずれかだった。一方、その他の競馬場だった馬は3着内率4.0%と苦戦している。4歳以下の馬を比較する際は、前走が京都・阪神・中京だった馬に注目した方がよさそうだ。〔表2〕

〔表2〕年齢が4歳以下だった馬の、前走の競馬場別成績(過去10年)
前走の競馬場 着度数 勝率 連対率 3着内率
京都・阪神・中京 4-3-2-19 14.3% 25.0% 32.1%
その他 0-1-0-24 0% 4.0% 4.0%

前走での単勝人気が重要

過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、前走の単勝人気が7番人気以内だった。一方、8番人気以下だった馬は3着内率6.4%と苦戦している。前走で8番人気以下だった馬は、過信禁物とみておきたい。〔表3〕

〔表3〕前走の単勝人気別成績(過去10年)
前走の単勝人気 着度数 勝率 連対率 3着内率
7番人気以内 9-10-8-74 8.9% 18.8% 26.7%
8番人気以下 1-0-2-44 2.1% 2.1% 6.4%

臨戦過程に余裕のある馬が中心

過去7年の3着以内馬延べ21頭中19頭は、前走との間隔が中4週以上だった。一方、中3週以内だった馬は3着内率7.1%と苦戦している。2016年以前は中3週以内だった馬の好走も少なくなかったが、近年の傾向を重くみるならば、前走から中4週以上の間隔で出走してきた馬を重視したいところだ。〔表4〕

〔表4〕前走との間隔別成績(過去7年)
前走との間隔 着度数 勝率 連対率 3着内率
中3週以内 0-2-0-26 0% 7.1% 7.1%
中4週以上 7-5-7-57 9.2% 15.8% 25.0%

近年は年明け以降の重賞やオープン特別で6着以内がある馬が優勢

過去4年の3着以内馬延べ12頭中9頭は、同年のJRAのオープンクラスのレースにおいて6着以内となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率7.7%と苦戦している。年明け以降の重賞やオープン特別で6着以内がない馬は、疑ってかかるべきだろう。〔表5〕

〔表5〕同年のJRAのオープンクラスのレースにおいて6着以内となった経験の有無別成績(過去4年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 2-3-4-13 9.1% 22.7% 40.9%
なし 2-1-0-36 5.1% 7.7% 7.7%
ウインファイブ対象レース
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関東馬がしばらく勝っていない

過去7年の優勝馬7頭は、いずれも調教師の所属が栗東、かつ前走が3勝クラス以上だった。美浦所属の調教師が管理する関東馬や、前走が2勝クラス以下のレースだった馬は、割り引きが必要だ。また、この7頭は前走との間隔が中4週以上だった点も共通している。〔表4〕などで挙げた傾向も考慮するべきだろう。〔表6〕

(伊吹 雅也)

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表6〕優勝馬の、調教師(所属)、前走(クラス・格)、前走との間隔(過去7年)
年次 優勝馬 調教師(所属) 前走(クラス・格) 前走との間隔
2017年 マキシマムドパリ 松元茂樹(栗東) 2017年大阪城S(オープン) 中13週
2018年 アンドリエッテ 牧田和弥(栗東) 2018年パールS(3勝クラス) 中4週
2019年 サラス 西村真幸(栗東) 2019年パールS(3勝クラス) 中4週
2020年 サマーセント 斉藤崇史(栗東) 2020年下鴨S(3勝クラス) 中5週
2021年 シャムロックヒル 佐々木晶三(栗東) 2021年寿S(3勝クラス) 中22週
2022年 ウインマイティー 五十嵐忠男(栗東) 2022年メトロポリタンS(リステッド) 中5週
2023年 ビッグリボン 中内田充正(栗東) 2023年福島牝馬S(GⅢ) 中7週

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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