2020年には9番人気のダイワキャグニーが優勝、3着には18番人気のトーラスジェミニが入る波乱となったが、過去10年で見れば5番人気以内の馬が9勝を挙げ、連対馬でも20頭中15頭を占めるなど、上位人気馬がそれなりの安定感を示している。ここでは過去10年のデータから、好走馬に共通する項目を探ってみた。
過去10年の3着以内馬延べ30頭中25頭は前走で単勝5番人気以内に支持されていた。3着内率でも前走1番人気馬の39.1%を筆頭に、前走5番人気以内の馬はいずれも20%以上となっている。一方、前走6番人気以下の馬は好走率が低く、前走10番人気以下の馬となると延べ43頭が出走して連対ゼロと苦戦傾向が強い。前走で5番人気以内の馬を上位に評価すべきだろう。〔表1〕
前走の単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-4-2-14 | 13.0% | 30.4% | 39.1% |
2番人気 | 2-0-1-11 | 14.3% | 14.3% | 21.4% |
3番人気 | 2-1-2-11 | 12.5% | 18.8% | 31.3% |
4番人気 | 1-2-1-11 | 6.7% | 20.0% | 26.7% |
5番人気 | 1-2-1-12 | 6.3% | 18.8% | 25.0% |
6〜9番人気 | 1-0-2-29 | 3.1% | 3.1% | 9.4% |
10番人気以下 | 0-0-1-42 | 0% | 0% | 2.3% |
過去10年の前走の距離別成績をまとめると、エプソムCと同距離となる1800メートルのレースに出走していた馬が3着以内数で最多、3着内率でもトップとなっている。前走が1600メートル以下や2000メートル以上のレースだった馬が極端な不振傾向にあるわけではないが、前走が1800メートル戦だった馬に注目してみたい。〔表2〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1600m以下 | 3-2-2-38 | 6.7% | 11.1% | 15.6% |
1800m | 5-4-5-42 | 8.9% | 16.1% | 25.0% |
2000m以上 | 2-4-3-50 | 3.4% | 10.2% | 15.3% |
過去10年の枠番別成績を見ると、優勝馬10頭中8頭は5枠から外の枠に入った馬だった。連対率で5枠・6枠・8枠が15%以上を記録しているのに対して、4枠から内の枠で15%以上なのは3枠のみ。総じて5枠から外の枠が優勢にあると言えそうだ。〔表3〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 1-1-1-14 | 5.9% | 11.8% | 17.6% |
2枠 | 0-1-1-15 | 0% | 5.9% | 11.8% |
3枠 | 1-2-2-13 | 5.6% | 16.7% | 27.8% |
4枠 | 0-1-2-16 | 0% | 5.3% | 15.8% |
5枠 | 2-1-1-16 | 10.0% | 15.0% | 20.0% |
6枠 | 2-1-0-16 | 10.5% | 15.8% | 15.8% |
7枠 | 1-1-1-21 | 4.2% | 8.3% | 12.5% |
8枠 | 3-2-2-19 | 11.5% | 19.2% | 26.9% |
2018年以降の優勝馬6頭は、いずれも過去3走以内に東京コースに出走し、そのレースで3番人気以内の支持を受けていた。今年も近走で東京コースに出走して上位人気に支持されていた馬がいれば優勝候補と考えたい。〔表4〕
(河野 道夫)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 直近で出走した東京競馬場のレースでの単勝人気 | |
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2018年 | サトノアーサー | 前走(メイS) | 2番人気 |
2019年 | レイエンダ | 前走(メイS) | 1番人気 |
2020年 | ダイワキャグニー | 3走前(白富士S) | 1番人気 |
2021年 | ザダル | 前走(毎日王冠) | 3番人気 |
2022年 | ノースブリッジ | 前走(アメジストS) | 3番人気 |
2023年 | ジャスティンカフェ | 前々走(東京新聞杯) | 1番人気 |
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