当レースは1996年に創設された3歳のマイル王決定戦で、デビューから短距離路線を歩んできた馬だけでなく、クラシック路線からこちらに矛先を変えてくる馬もおり、毎年のように大混戦となる。今回は過去10年のレース結果から傾向を調べてみた。
過去10年の前走別成績では、前走がGⅠだった馬の3着内率が最も高い。前走がGⅡやGⅢだった馬も、昨年2着のウンブライル(前走ニュージーランドT、2歳時に阪神ジュベナイルフィリーズ出走)、一昨年優勝のダノンスコーピオン(前走アーリントンC、2歳時に朝日杯フューチュリティS出走)などのように2歳時にGⅠに出走した経験があれば評価を上げたい。〔表1〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 4-3-1-25 | 12.1% | 21.2% | 24.2% |
GⅡ | 3-2-3-53 | 4.9% | 8.2% | 13.1% |
GⅢ | 3-3-6-53 | 4.6% | 9.2% | 18.5% |
オープン特別 | 0-2-0-12 | 0% | 14.3% | 14.3% |
1勝クラス | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
未勝利 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
海外のレース | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
過去10年においてJRAで4勝を挙げていた馬の勝率は50.0%。もしも4勝馬が出走した場合は相応に高く評価すべきだろう。3勝馬と2勝馬の好走率はほぼ同じなので評価に差をつける必要はないだろう。通算1勝で優勝したのは2017年のアエロリットだけで、同馬には重賞2着2回、桜花賞5着の実績があった。目を引く実績のない1勝馬の評価は下げてよさそうだ。〔表2〕
JRAでの通算勝利数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4勝 | 3-0-0-3 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
3勝 | 2-3-2-39 | 4.3% | 10.9% | 15.2% |
2勝 | 4-7-6-80 | 4.1% | 11.3% | 17.5% |
1勝 | 1-0-2-27 | 3.3% | 3.3% | 10.0% |
過去10年の前走の距離別成績で好走例が多いのは前走も1600メートルを使われていた馬だが、好走率が高いのは前走が2000メートルだった馬。前走が1800メートルだった馬は1着こそないものの、3着内率では1600メートル組と変わらない。一方、前走が1400メートル以下だった馬の好走率は低くなっている。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1200m | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
1400m | 1-1-1-31 | 2.9% | 5.9% | 8.8% |
1600m | 6-5-7-87 | 5.7% | 10.5% | 17.1% |
1800m | 0-3-1-19 | 0% | 13.0% | 17.4% |
2000m | 3-1-1-11 | 18.8% | 25.0% | 31.3% |
NHKマイルCで注目すべき種牡馬はダイワメジャー。過去10年で2勝を挙げ、それ以前にも優勝馬を出している当レースと相性の良い種牡馬だ。特に3番人気以内に支持されたダイワメジャー産駒は、〔2・2・0・1〕と安定感がある。また、外国産馬の3着内率も30%あるので、マル外が出走してきたら押さえておきたい。〔表4〕
種牡馬 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ダイワメジャー | 2-2-1-6 | 18.2% | 36.4% | 45.5% |
ロードカナロア | 1-2-0-13 | 6.3% | 18.8% | 18.8% |
リアルインパクト | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
ドゥラメンテ | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
Kingman | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
マツリダゴッホ | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
キズナ | 0-1-0-1 | 0% | 50.0% | 50.0% |
Speightstown | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
オルフェーヴル | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.3% |
ハーツクライ | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
2017年以降の優勝馬は全て馬番が11番より外の馬番だった。また、過去10年の優勝馬は全て、前走がGⅡ・GⅢなら3着以内、GⅠなら5着以内に入っていた。2桁馬番となり、前走の重賞で上位に好走していた馬から勝ち馬の候補を探し出そう。〔表5〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 馬番 | 前走 | 前走の着順 |
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2014年 | ミッキーアイル | 10番 | アーリントンC(GⅢ) | 1着 |
2015年 | クラリティスカイ | 7番 | 皐月賞(GⅠ) | 5着 |
2016年 | メジャーエンブレム | 4番 | 桜花賞(GⅠ) | 4着 |
2017年 | アエロリット | 16番 | 桜花賞(GⅠ) | 5着 |
2018年 | ケイアイノーテック | 11番 | ニュージーランドT(GⅡ) | 2着 |
2019年 | アドマイヤマーズ | 17番 | 皐月賞(GⅠ) | 4着 |
2020年 | ラウダシオン | 11番 | ファルコンS(GⅢ) | 2着 |
2021年 | シュネルマイスター | 15番 | 弥生賞(GⅡ) | 2着 |
2022年 | ダノンスコーピオン | 18番 | アーリントンC(GⅢ) | 1着 |
2023年 | シャンパンカラー | 11番 | ニュージーランドT(GⅡ) | 3着 |
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