今週の注目レース

大阪杯(GⅠ)

阪神競馬場 2000メートル(芝)定量 4歳以上オープン

出走馬情報

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タスティエーラ

牡4歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:サトノクラウン
  • 母:パルティトゥーラ
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

2月末に帰厩後の初時計をマーク。もともと休み明けを苦にしないタイプだが、十分な調教本数を重ねての出走なら出走態勢は万全と判断していい。クラフティワイフを祖に持つ母系はスピード血統。2000メートルへの距離短縮がプラスとなる可能性も高そうだ。

上の世代との初対戦となった前走の有馬記念では6着に敗れたが、完全な力負けではなく、直線で外の馬に寄られるシーンがあったことが影響したと考えられるレース内容。残り200メートルからは鋭い伸び脚を見せており、着順だけで評価を下げるのは早計と言えそうだ。昨年の日本ダービーを制して世代の頂点に立ち、同年度のJRA賞最優秀3歳牡馬を受賞した馬。今年の始動戦となる一戦で、存在感をあらためて示しておきたいところだろう。父サトノクラウンは今回と同じ阪神競馬場で行われた宝塚記念を優勝。本馬が初めての阪神コースに適性を見せても不思議はない。

ソールオリエンス

牡4歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:スキア
  • 母の父:Motivator
ここに注目!

長距離戦では本来の切れが少し鈍ってしまう印象。GⅠを勝った2000メートルこそがベストの可能性が高い。阪神コースは初めてだが、似たコース形態の中山・芝2000メートルでは高パフォーマンスを見せていた。相性はいいはずだ。

無傷の3連勝で昨年の皐月賞を制覇し、天才肌のキタサンブラック産駒として世代の主役に名乗りを上げたが、その後の5戦では未勝利となっている。もっとも、掲示板(5着以内)を外したのは8着だった前々走の有馬記念の1戦だけ。前走の中山記念では、水分を含んだ馬場状態(稍重)に手を焼いただけでなく、内を回った先行馬が残る展開も合わなかったなかで4着まで押し上げている。むしろ、コーナーで大外を回り、4コーナー12番手の厳しい位置取りであったことを考慮すれば、能力を再確認する内容であったと言えるはずだ。ここで久々の勝利を挙げ、実力馬復活をアピールしたいところだろう。

ローシャムパーク

牡5歳

調教師:田中博康(美浦)

  • 父:ハービンジャー
  • 母:レネットグルーヴ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

コーナー通過4回の中距離戦で4勝をマーク。今回の舞台設定がマイナスになるイメージはないが、初めての関西遠征への対応は鍵になりそうだ。心肺機能が高く、長く脚を使えるのが武器。厳しいGⅠの流れこそが合うタイプの馬だろう。

3走前の函館記念で重賞初制覇を飾り、前々走のオールカマーで2つ目のタイトルを獲得。2着がGⅠ3勝馬タイトルホルダー、3着がゼッフィーロ(その後G1・香港ヴァーズで2着)であったこと考慮すれば、GⅠ勝利に近いレベルの価値がある一戦だったと言えるだろう。前走の香港カップ(芝2000メートル)は初のG1挑戦に加えて、初の海外遠征。これが響いたわけではないだろうが、出遅れなどがあって本来のパフォーマンスを発揮できず、8着という結果になった。立て直して挑む今回のレースにかける思いは強いはず。巻き返しを期待したいところだ。

プラダリア

牡5歳

調教師:池添学(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:シャッセロール
  • 母の父:クロフネ
ここに注目!

母の父クロフネの影響によるものか、ディープインパクト産駒でも重馬場を苦にしないタイプ。当日輸送の阪神ならイレ込む心配もなく、最近は位置を取った競馬もできている。状況に左右されない強みは評価したいところだ。

3走前の京都大賞典を制し、2度目の重賞制覇を達成。相手が強力だったうえ、初めての中山遠征の影響もあってイレ込んでしまった前走の有馬記念では14着と大敗を喫した。巻き返しを期した前走の京都記念では、直線で外めから豪快に伸び、ベラジオオペラを振り切って見事に勝利。勢いを取り戻して再びGⅠの舞台へと進んできた。2度の重賞チャレンジで2回とも結果を出している京都競馬場との相性の良さは言うまでもないが、昨年の宝塚記念では6着ながら勝ち馬イクイノックスとのタイム差は0秒4。阪神へのコース替わりがマイナスになることはないだろう。

ベラジオオペラ

牡4歳

調教師:上村洋行(栗東)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:エアルーティーン
  • 母の父:ハービンジャー
ここに注目!

阪神コースでは2戦2勝。とりわけ今回と同じ舞台だったチャレンジCの勝利は価値が高い。重馬場で重賞制覇を果たした実績があり、どのような位置からでも競馬できるセンスも持ち合わせている。多頭数の混戦でも力を発揮できるタイプだろう。

夏負けが尾を引いたこともあり、4着だった日本ダービーからの復帰戦は12月のチャレンジCに。約6か月の休養明けとなった一戦でボッケリーニとのハナ差の接戦を制して2度目の重賞制覇を決めると、大阪杯へのステップレースに選んだ前走の京都記念でもプラダリアの2着と一定の結果を出した。近親に多くの活躍馬が出ている母系の出身で、この母系はエアスピネルやエアシェイディのように高齢になっても活躍する晩成タイプが多いのが特徴。本馬はまだ7戦のキャリアで、緩さの残る馬体も含めて今後の期待値は高い。GⅠの舞台でも目が離せない存在となりそうだ。

ミッキーゴージャス

牝4歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:ミッキーロケット
  • 母:ミッキークイーン
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

450キログラム前後の馬体で、跳びも大きい牝馬。良馬場で決め手を生かすイメージを持ちやすいが、実際は水分を含んだ馬場状態でも結果を出している。コーナー通過4回のコースを続けて使ってきたこともプラスに働く可能性が高い。

小倉で行われた前走の愛知杯で重賞初制覇。レースの前半1000メートル通過タイム57秒4のハイペースであったにもかかわらず、向正面から一気にポジションを上げる強気なレース運びで押し切った内容は、牝馬限定のGⅢ勝ちというイメージ以上の評価が必要だろう。3走前の2勝クラス・夕月特別(阪神・芝2000メートル)からの3連勝は、いずれも力の違いを感じさせるもので、一気に相手が強化された印象の今回でも期待を抱かせる。父は2018年の宝塚記念を勝ったミッキーロケット、母は2015年のオークス、秋華賞を勝ったミッキークイーン。GⅠ馬同士の配合が持つ底力にも注目したい。

ジオグリフ

牡5歳

調教師:木村哲也(美浦)

  • 父:ドレフォン
  • 母:アロマティコ
  • 母の父:キングカメハメハ
ここに注目!

皐月賞だけでなく、洋芝の札幌で重賞を制した実績があり、9着だった昨年の宝塚記念もタイム差だけを見れば0秒7差と、大きくは負けていない。阪神内回りコースへの適性は高いのではないだろうか。ひと雨降るようなら面白い存在となりそうだ。

2022年の皐月賞では2着イクイノックス、3着ドウデュースを下し、強い世代のクラシックホースとなった馬。その後は芝とダートのレースを兼用され、パンサラッサの勝った昨年のサウジカップ(G1・サウジアラビア・ダート1800メートル)では惜しい4着に入ったが、勝利は1度も挙げられていない。前走の中山記念は、水分を含んだ馬場状態(稍重)が向いたように感じられたとはいえ、久々のこの馬らしいパフォーマンスを見せて3着に好走。これがきっかけになれば、今回のレースにも期待が持てるだろう。実力馬がここで完全復活となるか、注目だ。

(松浪 大樹)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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