3着以内の馬に皐月賞の優先出走権が与えられるスプリングS。近年では2018年2着のエポカドーロが皐月賞馬に輝き、2015年の菊花賞をはじめGⅠ・7勝を挙げたキタサンブラックが重賞初勝利を挙げたのも、このスプリングSだった。そんなクラシックを占う一戦の特徴を探るべく、過去10年の結果を分析していく。
過去10年の単勝1番人気と2番人気はそれぞれ1勝と勝ち切れない面はあるものの、そろって4着以下に敗れた年はない。また、3着以内馬30頭中22頭が5番人気以内と、人気サイドの馬が中心であることは確かだろう。ただ、2017年以降は6番人気以下の馬が毎年3着以内に食い込んでいるので、手広く流すのがよさそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-4-2-3 | 10.0% | 50.0% | 70.0% |
2番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 2-2-0-6 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
4番人気 | 1-0-1-8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 3-1-0-6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
6〜9番人気 | 1-1-5-33 | 2.5% | 5.0% | 17.5% |
10番人気以下 | 1-0-0-41 | 2.4% | 2.4% | 2.4% |
過去10年の前走別成績を調べると、1勝クラス組が7勝を挙げている。中でも、1勝クラスを勝っての参戦だった馬は〔6・4・1・20〕(3着内率35.5%)と好走率が上昇。2023年は該当馬が3着以内を独占した。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
JRA重賞 | 3-5-4-41 | 5.7% | 15.1% | 22.6% |
オープン特別 | 0-0-2-5 | 0% | 0% | 28.6% |
1勝クラス | 7-5-3-37 | 13.5% | 23.1% | 28.8% |
新馬 | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
未勝利 | 0-0-1-13 | 0% | 0% | 7.1% |
地方のレース | 0-0-0-3 | 0% | 0% | 0% |
なお、前走の着順という点で見ると4着と5着が明暗の分かれ目で、過去10年の出走馬のうち前走で5着以下だった馬は連対がなく3着が1回あるだけ。JRA重賞組に限ると前走で4着以内だった馬は〔3・5・3・19〕で3着内率が36.7%にアップする。前走がGⅠであっても4着以内に入っていなければ〔0・0・1・4〕という厳しい結果になっているので、前走で5着以下だった馬はそのレースの格にかかわらず評価を下げたい。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 10-10-9-69 | 10.2% | 20.4% | 29.6% |
5着以下 | 0-0-1-33 | 0% | 0% | 2.9% |
5着以下は、前走だけでなくキャリア全体でもなかった方がよく、過去10年の3着以内馬30頭中23頭はこれまでに出走した全てのレースで4着以内に入っていた。5着以下に敗れた経験があった馬の中でも、そのレースがGⅠ以外だった馬は〔1・1・2・63〕(3着内率6.0%)と特に苦戦傾向が強いので、該当する馬は割り引かざるを得ないだろう。〔表4〕
経験の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 3-1-3-69 | 3.9% | 5.3% | 9.2% |
なし | 7-9-7-33 | 12.5% | 28.6% | 41.1% |
過去10年の優勝馬のうち6頭が美浦所属で4頭が栗東所属だったが、栗東所属の4頭は前走が東京競馬場で行われた1勝クラスで1着、もしくは重賞で3着以内と、東京への遠征で好結果を残していた。一方、美浦所属の6頭は前走の競馬場に偏りはないものの、うち5頭は初勝利を挙げた競馬場が東京だった。当レースは中山で行われるが、東京コースでの実績に注目してみるのも面白そうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 所属 | 前走 | 初勝利を挙げた競馬場 |
---|---|---|---|---|
2014年 | ロサギガンティア | 美浦 | 東京・1勝クラス1着 | 東京 |
2015年 | キタサンブラック | 栗東 | 東京・1勝クラス1着 | 東京 |
2016年 | マウントロブソン | 美浦 | 小倉・あすなろ賞1着 | 中山 |
2017年 | ウインブライト | 美浦 | 中山・若竹賞1着 | 東京 |
2018年 | ステルヴィオ | 美浦 | 阪神・朝日杯FS2着 | 東京 |
2019年 | エメラルファイト | 美浦 | 京都・白梅賞1着 | 東京 |
2020年 | ガロアクリーク | 美浦 | 中山・水仙賞4着 | 東京 |
2021年 | ヴィクティファルス | 栗東 | 東京・共同通信杯2着 | 阪神 |
2022年 | ビーアストニッシド | 栗東 | 東京・共同通信杯3着 | 阪神 |
2023年 | ベラジオオペラ | 栗東 | 東京・セントポーリア賞1着 | 阪神 |
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