過去20年のフラワーCにおける出走馬302頭中、前走以前にJRAの重賞かオープン特別を勝った経験があった馬はわずか12頭だった。さらに、その中でフラワーCで3着以内に入ったのは、2009年2着のディアジーナと2010年2着のコスモネモシンのみである。オープンクラス実績のない馬同士の争いとなりやすいレースだが、2022年の優勝馬スタニングローズが同年の秋華賞を、2021年の3着馬ユーバーレーベンが同年のオークスを制すなど、この一戦で飛躍のきっかけをつかんだ馬が後のビッグレースで活躍した例も少なくない。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみよう。
過去10年の3着以内馬30頭中20頭は、前走との間隔が中7週以上だった。一方、中6週以内だった馬は3着内率11.1%とやや苦戦している。前走との間隔に余裕のある馬を重視した方がよさそうだ。〔表1〕
前走との間隔 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中6週以内 | 7-2-1-80 | 7.8% | 10.0% | 11.1% |
中7週以上 | 3-9-8-35 | 5.5% | 21.8% | 36.4% |
なお、前走との間隔が中6週以内だったにもかかわらず3着以内に入った10頭のうち8頭は、前走の着順が1着だった。前走との間隔が中6週以内、かつそのレースを勝っていなかった馬は、過信禁物とみておきたい。〔表2〕
前走の着順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 7-1-0-32 | 17.5% | 20.0% | 20.0% |
2着以下 | 0-1-1-48 | 0% | 2.0% | 4.0% |
過去10年の3着以内馬30頭中24頭は、前走がJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以内だった。一方、同5位以下だった馬は3着内率9.7%と苦戦している。〔表3〕
順位 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4位以内 | 10-7-7-58 | 12.2% | 20.7% | 29.3% |
5位以下 | 0-4-2-56 | 0% | 6.5% | 9.7% |
なお、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が5位以下だったにもかかわらず3着以内に入った6頭のうち3頭は、前走が中山競馬場の重賞だった。一方、それ以外だった馬は3着内率5.7%と苦戦している。前走も今回と同じ中山の重賞だった馬でない限り、前走で出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークできなかった馬は、疑ってかかるべきだろう。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の競馬場、レース | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
競馬場が中山、かつ重賞 | 0-3-0-6 | 0% | 33.3% | 33.3% |
競馬場が中山以外、もしくはレースが重賞以外 | 0-1-2-50 | 0% | 1.9% | 5.7% |
過去8年の3着以内馬24頭中20頭は、中山・阪神の芝のレースにおいて“着順が4着以内、かつ上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以内”となった経験がある馬だった。一方、この経験がなかった馬は3着内率6.9%と苦戦している。中山や阪神の芝のレースにおいて、出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークしつつ4着以内に入った経験のある馬は、有力とみてよさそうだ。〔表5〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 6-8-6-35 | 10.9% | 25.5% | 36.4% |
なし | 2-0-2-54 | 3.4% | 3.4% | 6.9% |
過去8年の3着以内馬24頭中22頭は、前走のコースが右回りだった。一方、左回りだった馬は3着内率4.8%と苦戦している。臨戦過程を比較する際は、前走が今回と同じ右回りのコースだった馬を高く評価したい。〔表6〕
(伊吹 雅也)
前走のコース | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
右回りコース | 8-7-7-49 | 11.3% | 21.1% | 31.0% |
左回りコース | 0-1-1-40 | 0% | 2.4% | 4.8% |
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