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牝3歳
調教師:木村哲也(美浦)
祖母はサクラバクシンオーの全妹で、母リビアーモも1600メートル以下で6勝を挙げた快速馬。母系から卓越したスピードを受け継いでいる。メイクデビュー新潟(芝1800メートル)を2歳コースレコードで勝ち上がった本馬も、潜在能力の高さは証明済みだ。
7月30日のメイクデビュー新潟(芝1800メートル)は、好スタートから2番手を追走。逃げ馬とともに後続を引き離して速い流れになったが、道中の手応えは十分。直線の入り口で先頭に立ち、後続の仕掛けに合わせて追い出すと、追い上げてきたミッキースターダムとの追い比べを制して1分46秒4の2歳コースレコードで快勝した。前走のデイリー杯2歳Sは、騎乗したT.マーカンド騎手が「前に馬がいる状況でゴーサインを出されたことがなかったので、そこに少し戸惑いがあったようです」と振り返ったように、キャリアの浅さが出たが、0秒6差の6着なら悲観する内容ではない。前走の経験を糧に、巻き返しを期待したい。
牝3歳
調教師:林徹(美浦)
母ミスエーニョはアメリカのG1ウイナー。半姉にファンタジーSを制したミスエルテ(父Frankel)がいる良血馬だ。本馬は母系特有の気難しさこそあるが、高いポテンシャルを秘めており、先々まで目が離せない。
9月16日のメイクデビュー中山(芝1800メートル)は、直線で外側へ逃避して他馬の進路を妨害する形になったが、好位から抜け出して1馬身1/2差で勝利した。約4か月の休養で成長を促し、前走の1勝クラス・菜の花賞(中山・芝1600メートル)は、出負け気味のスタートで中団やや後方を追走。直線では馬群の中を狙ったが、他馬に寄られるシーンがあった。最後はもう一度差を詰めて勝ち馬から0秒2差の5着なら、“負けてなお強し”と言えるだろう。騎乗したC.ルメール騎手が「能力はあるけど、まだベイビー」と評したように、気性面の幼さは残すが、あっさり勝っても不思議はない。
牝3歳
調教師:菊沢隆徳(美浦)
母シャルールは4歳時に本格化を遂げて、重賞で2度の連対歴がある活躍馬。本馬はここが約4か月の休み明けになるが、帰厩後の調教では自己ベストタイムを大幅に更新。母譲りの優れた成長力を秘めており、主役候補に挙げられる。
メイクデビュー中山(芝2000メートル)は、ピタリと折り合って3番手を追走。直線の追い比べでシュバルツクーゲル(次走の東京スポーツ杯2歳Sで2着)に後れを取ったが、しぶとく脚を伸ばして2着に入った。前走の未勝利(東京・芝2000メートル)は、出負け気味のスタートでそのまま後方待機策。2コーナーで外に膨れる場面はあったが、すぐに体勢を立て直して脚を温存すると、直線は外からメンバー中最速となる上がり3ハロン34秒1(推定)の末脚で弾けるように突き抜け、2馬身1/2差をつけて快勝した。レース後に骨折が判明するも、約4か月の休養で心身ともに成長。牝馬同士の重賞なら上位争いが濃厚だ。
牝3歳
調教師:加藤征弘(美浦)
母カゼルタは現役時代に4勝を挙げ、父にエピファネイアを配した血統背景は上質。今年初戦の前走で2着に入り、休み明けを1度使った状態面の上積みが見込める。重賞でも遜色のない競馬ができそうだ。
デビュー2戦目の未勝利(東京・芝1800メートル)は、二の脚を利かせて先行集団のインをキープ。直線は内ラチ沿いから一気に抜け出し、最後は後続を突き放して2馬身1/2差で快勝した。約3か月の休み明けとなった前走の1勝クラス(中山・芝1600メートル)は、スタートで後手を踏み中団からの追走。3コーナー過ぎから徐々に動き出し、直線ではデビッドテソーロの逃げ切りを許したものの、最後までしっかり脚を伸ばして2着に追い上げ、能力の片りんを示した。テンションが上がりやすく当日の気配は鍵になるが、休み明け2戦目で前走以上のパフォーマンスを発揮できそうだ。
牝3歳
調教師:高柳瑞樹(美浦)
3走前の1勝クラス・赤松賞(東京・芝1600メートル)で2着に好走。近2走のフェアリーS、クイーンCはともに7着だったが、今回は重賞でも1勝馬同士の組み合わせ。強敵にもまれた経験値は強みと言えそうだ。
デビュー2戦目の未勝利(中山・芝1800メートル)で、スパークリシャール(現オープン)を退けて初勝利を挙げると、続く1勝クラス・赤松賞(東京・芝1600メートル)は、なだめながら3番手を追走。ステレンボッシュ(次走の阪神ジュベナイルフィリーズで2着)の瞬発力には屈したが、直線で一度は先頭に立つシーンを作って2着に好走した。2走前のフェアリーSはスタートの出遅れが響いて7着。前走のクイーンCもスローペースの瞬発力勝負で後れを取って7着だったが、勝ち馬から0秒7差ならレース内容は悪くない。コーナー通過4回の中山・芝1800メートルで機動力を生かすことができれば、一変も可能だろう。
牝3歳
調教師:鈴木孝志(栗東)
キャリアを積むごとにレースを覚えてデビュー4戦目で勝ち上がり、前走の1勝クラス・つばき賞(京都・芝1800メートル)では4着に入った。今年2戦目で状態面の上積みがあり、1勝馬同士の牝馬重賞なら能力は互角だろう。
2走前の未勝利(阪神・芝1800メートル)は好スタートを決め、ジワッと先手を奪取。稍重のタフなコンディションで、1000メートル通過タイム1分00秒0の速い流れとなったなか、直線では後続を力強く突き放して5馬身差で快勝した。前走の1勝クラス・つばき賞(京都・芝1800メートル)は、好位のインに控えて折り合いに専念。スローペースの瞬発力勝負は不向きだったが、直線でジワジワ脚を伸ばして牡馬相手に0秒3差の4着なら、レース内容は悪くない。2か月ぶりだった前走を使って、調教の動きはグンと良化。展開に左右されない自在性があり、初の中山コースでも能力を発揮できそうだ。
牝3歳
調教師:中村直也(栗東)
父カリフォルニアクロームはケンタッキーダービー(アメリカ)、ドバイワールドカップ(UAE)などG1を7勝した世界的な名馬。母は現役時代にダートで3勝を挙げており、パワー寄りの配合と言える。芝の時計勝負に課題はあるが、能力は引けを取らない。
デビュー3戦目の未勝利(京都・芝2000メートル)で初勝利をマーク。約3か月半の休み明けとなった2走前の若駒S(リステッド・京都・芝2000メートル)は7頭立ての少頭数だったが、4番手のインを立ち回り、直線もしぶとく脚を伸ばして4着に入った。前走の1勝クラス・デイジー賞(中山・芝1800メートル)は、外枠(8枠12番)からダッシュを利かせて2番手を追走。スローペースになりイゾラフェリーチェに逃げ切られたが、直線でしぶとく粘って0秒1差の2着に好走した。デビューから掲示板(5着以内)を外さない安定した走りを見せており、重賞初挑戦でも大崩れはしないはずだ。
牝3歳
調教師:小島茂之(美浦)
父ドゥラメンテは三冠牝馬リバティアイランドなど数多くの一流馬を送り出して、2023年度のリーディングサイヤーに輝いている。母は2008年の秋華賞3着馬と、血統背景は優秀。キャリア2戦目の重賞挑戦で、試金石の一戦だ。
1月28日のメイクデビュー東京(芝1800メートル)は、好スタートを決め、スムーズに折り合って好位を追走。直線半ばで先頭に躍り出て、ラスト300メートルからはルージュランブルと馬体を併せて激しい追い比べ。一度は前に出られたが、最後は差し返してハナ差の接戦を制した。騎乗した杉原誠人騎手は「普段はテンションが上がりやすいタイプですが、レースでは思ったよりもリラックスしていました。直線では盛り返して勝ってくれましたし、まだこれから良くなりそうな馬です」と、高い評価を与えていた。今後の活躍を占う意味でも、ここでの走りに注目が集まる。
(京増 真臣)
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