中山牝馬Sは4歳以上の牝馬によって争われ、2021年優勝のランブリングアレーは続くヴィクトリアマイルで2着、2023年優勝のスルーセブンシーズは宝塚記念で2着に入った。この2頭をはじめ、2016年以降は毎年重賞未勝利の馬が優勝している。他にはどのような特徴があるのか、過去10年の結果から探ってみたい。
単勝1番人気が目下9連敗中で、2番人気も過去10年で1勝のみと上位人気馬の信頼度は低め。2桁人気馬のワンツーだった2022年は馬連が10万馬券となるなど、過去10回中9回で6番人気以下の伏兵が馬券に絡んでいる。ちなみに、2022年に波乱を演出したクリノプレミアムとアブレイズはともに5歳で、6番人気以下で3着以内に入った12頭中8頭が5歳馬だったことは気に留めておきたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-2-2-5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
3番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
4番人気 | 1-2-0-7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
5番人気 | 2-1-2-5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
6〜9番人気 | 2-1-3-34 | 5.0% | 7.5% | 15.0% |
10番人気以下 | 1-3-2-56 | 1.6% | 6.5% | 9.7% |
波乱の要因として挙げられるのが前走GⅠ組の不振。過去10年で15頭中7頭が単勝3番人気以内に推されていたにもかかわらず、2016年2着のルージュバックしか3着以内に入っていない。その一方で、前走条件クラス組の好走率が比較的高いこともハンデ戦らしい傾向と言えるだろう。しかも、2014年に3勝クラスを勝っての参戦で2着に入ったケイアイエレガントは10番人気、2020年に3勝クラスからの格上挑戦で2着に入ったリュヌルージュは14番人気と、下位人気での好走が目立っている。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
GⅠ | 0-1-0-14 | 0% | 6.7% | 6.7% |
GⅡ | 1-1-0-3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
GⅢ | 6-6-8-73 | 6.5% | 12.9% | 21.5% |
オープン特別 | 2-0-0-19 | 9.5% | 9.5% | 9.5% |
3勝クラス | 1-2-1-11 | 6.7% | 20.0% | 26.7% |
2勝クラス | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
地方・海外 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
なお、出走馬の半数以上を占めている前走GⅢ組は延べ20頭が馬券に絡んでいるものの、前走を勝っていた馬は優勝がない。また、2番人気以内に支持された馬も〔0・2・2・8〕と人気に応えることができていないので、同組の中でこれらに当てはまる馬は過信禁物だろう。同組の中で狙ってみたいのは、前走で2着以下に敗れていたものの勝ち馬と0.2秒差以内だった馬。2021年にランブリングアレーが7番人気で勝利するなど、好走率が高くなっている。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走の着順およびタイム差 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1着 | 0-1-1-8 | 0% | 10.0% | 20.0% |
2着以下かつ勝ち馬と0.2秒以内 | 3-3-2-10 | 16.7% | 33.3% | 44.4% |
2着以下かつ勝ち馬と0.3秒以上 | 3-2-5-55 | 4.6% | 7.7% | 15.4% |
過去10年の当レースでは、中山・芝1800メートルから2000メートルの重賞で3着以内に入った経験のある馬の好走率が高く、特にここ5年で4勝をマーク。該当馬が勝利しなかった2022年も、アブレイズが単勝12番人気の低評価ながら2着に入っている。さかのぼれば2016年に15番人気のメイショウスザンナが3着に入った例もあるので、該当馬は人気がなくても侮れない。〔表4〕
(高那実 マヤ)
実績の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 5-2-2-24 | 15.2% | 21.2% | 27.3% |
なし | 5-9-7-98 | 4.2% | 11.8% | 17.6% |
ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。