高松宮記念の前哨戦として春の阪神開催の開幕週に組まれている芝1400メートルの重賞。その距離設定もあって、スプリンターだけでなく、マイル路線から距離を短縮してきた馬も出走してくる。今回は過去10年のデータから傾向を調べてみた。
春の古馬重賞は、成長著しい4歳馬や充実期を迎えた5歳馬が主役を務めることが多い。過去10年の阪急杯でも好走率が高いのは4歳馬や5歳馬なのだが、6歳以上の馬の好走も少なくない。6歳以上の馬は人気薄での好走例が目立ち、2017年12番人気3着のナガラオリオン(8歳)、2019年11番人気1着のスマートオーディン(6歳)、2022年9番人気2着のトゥラヴェスーラ(7歳)などが低評価を覆す好走を見せている。〔表1〕
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
4歳 | 3-2-2-20 | 11.1% | 18.5% | 25.9% |
5歳 | 2-3-4-32 | 4.9% | 12.2% | 22.0% |
6歳 | 3-2-2-41 | 6.3% | 10.4% | 14.6% |
7歳以上 | 2-3-2-39 | 4.3% | 10.9% | 15.2% |
過去10年の枠番別成績では、1枠から3枠の3着内率が比較的高くなっている。特に、1枠から3枠の馬が4コーナーを4番手以内で通過した場合、〔1・4・2・9〕で3着内率は43.8%に上昇する。内枠の先行できそうな馬はマークしておこう。〔表2〕
枠番 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 1-2-0-14 | 5.9% | 17.6% | 17.6% |
2枠 | 1-0-3-14 | 5.6% | 5.6% | 22.2% |
3枠 | 0-5-2-12 | 0% | 26.3% | 36.8% |
4枠 | 1-1-1-16 | 5.3% | 10.5% | 15.8% |
5枠 | 0-0-1-19 | 0% | 0% | 5.0% |
6枠 | 2-1-0-17 | 10.0% | 15.0% | 15.0% |
7枠 | 4-0-1-19 | 16.7% | 16.7% | 20.8% |
8枠 | 1-1-2-21 | 4.0% | 8.0% | 16.0% |
過去10年の出走馬延べ162頭の中には、前走が1600メートルを超えるレースだった馬はいない。いかに短距離志向の強い馬が集まるレースであるかがわかるだろう。その中でも好走率が高いのは、前走も1400メートルだった馬。1600メートルだった馬の成績も悪くはない一方で、1200メートルだった馬の成績はやや落ちる。〔表3〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1000m | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
1200m | 2-2-3-54 | 3.3% | 6.6% | 11.5% |
1400m | 4-5-3-34 | 8.7% | 19.6% | 26.1% |
1600m | 4-3-4-43 | 7.4% | 13.0% | 20.4% |
過去10年の優勝馬のうち7頭には重賞の優勝実績があった。中でもミッキーアイル、スマートオーディン、レシステンシアなど、2歳時や3歳時に重賞を勝った後はしばらく勝てなかったが、ここで復活の勝利を挙げたというケースが目立つ。また重賞初出走となった馬も3頭優勝しているが、そのうちの2頭は連勝中であった。〔表4〕
(姫園 淀仁)
年度 | 優勝馬 | 重賞実績 |
---|---|---|
2014年 | コパノリチャード | GⅡ1勝、GⅢ1勝 |
2015年 | ダイワマッジョーレ | GⅡ1勝 |
2016年 | ミッキーアイル | GⅠ1勝、GⅡ1勝、GⅢ2勝 |
2017年 | トーキングドラム | 重賞初挑戦 |
2018年 | ダイアナヘイロー | GⅢ1勝 |
2019年 | スマートオーディン | GⅡ1勝、GⅢ2勝 |
2020年 | ベストアクター | 重賞初挑戦(2連勝中) |
2021年 | レシステンシア | GⅠ1勝、GⅢ1勝 |
2022年 | ダイアトニック | GⅡ1勝、GⅢ1勝 |
2023年 | アグリ | 重賞初挑戦(3連勝中) |
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