前走の中山金杯は道中で行きたがるそぶりを見せ、早めのスパートを仕掛けたものの直線で伸びきれず11着に敗れた。それでも、勝ったリカンカブールからは0秒6差と着順ほどは負けておらず、決してスムーズなレースぶりではなかったことを考えれば、あらためて力を示した格好とも言えるだろう。前々走のチャレンジCでも勝ち馬べラジオオペラから0秒2差の4着に健闘しており、流れや展開ひとつで重賞でも勝ち負けに加わるだけの能力はあるはずだ。血統的にも、伯母にオークス、秋華賞とGⅠ2勝のミッキークイーンがおり、タイトルを取れるだけの器の持ち主と言えるだろう。

前々走のカシオペアS（リステッド・京都・芝1800メートル）でオープンクラス昇級後の初勝利を挙げ、勢いに乗って挑んだ前走の京都金杯だったが、11着と思うような結果を残せなかった。騎乗した鮫島克駿騎手は「枠もポジションもうまくいかず、馬場ももう少しきれいなほうがいいですね。いろいろとかみ合いませんでした」と話しており、外枠（7枠14番）と、良馬場ながら時計のかかる馬場コンディションの影響が大きかったのは確か。芝1800メートルでは7戦して4勝を挙げており、距離延長の今回はレース条件的にも好転するといっていいだろう。また違った走りを見せられるはずだ。

前走のエリザベス女王杯は、GⅠの強敵が相手だったこともあってか14着と大敗。初めての2200メートルのレースということで、距離が長かった面もあったかもしれない。今回は全4勝を挙げる1800メートルに距離を短縮し、ハンデ戦のGⅢ。牝馬ながらしぶとく脚を使えるという武器も持っており、混戦となりやすい条件に加え、開催が進んでほどよくパワーを要求される今の小倉の芝コンディションも合っているはずだ。7日の1週前追い切りでは栗東CWコースで6ハロン81秒5（ラスト1ハロン11秒4）の好タイムをマーク。休み明けでも調整は順調そのものだ。

前走のオープン特別・小倉日経オープン（小倉・芝2000メートル）では、道中を後方で進め、3、4コーナーで一気に進出。直線入り口で先頭に並びかけたあとも脚を伸ばし続け、2着馬に1/2馬身差をつけて押し切った。メンバー中最速の上がり3ハロン37秒1（以下推定）をマークしての完勝。約2年ぶりの白星は、オープンクラスに昇級後の初勝利でもあった。3走前の福島記念でも、メンバー中最速の上がり3ハロン35秒9をマークしてハナ差の2着と、重賞勝ちまであと一歩のところまで迫った。昨年の小倉大賞典では7着に敗れたものの、力をつけた今ならリベンジが期待できそうだ。

前走の中山金杯は最後方に近い位置でレースを進め、直線は馬群の間に突っ込み末脚を伸ばした。8着に敗れたとはいえ勝ち馬とは0秒5差で、メンバー中2位の上がり3ハロン33秒8（推定）をマーク。レースの前半1000メートル通過タイムが1分00秒5のゆったりしたペースになり、展開が向かなかったとも言えるだろう。近走はダートのレースにも何度か出走したが、上位争いに加わることはできず、適性がなかったとみていいだろう。8歳を迎えても展開ひとつで好勝負ができることは、前走ですでに証明済み。7日には栗東坂路で4ハロン53秒7（ラスト1ハロン11秒9）をマークし、好調教を見せている。

前走のディセンバーS（リステッド・中山・芝1800メートル）では、鮮やかな差し切りで約1年3か月ぶりの白星をゲット。メンバー中最速の上がり3ハロン34秒4（推定）をマークし、クビ差とはいえ大きな1勝となった。2着に下したコスタボニータが続く愛知杯でも3着に好走しており、好メンバーとの戦いでもあった。これまで挙げた全5勝は、ダートを含めいずれも1800メートルのレースでのもの。引き続き、合っている距離で重賞に挑めそうだ。7日の1週前追い切りでは、美浦Wコースでラスト1ハロン11秒3（6ハロン83秒2）と抜群の切れ味を披露。併せ馬で1馬身ほど先着しており、引き続き好調のようだ。