今週の注目レース

ダイヤモンドステークス(GⅢ)

東京競馬場 3400メートル(芝)ハンデ 4歳以上オープン

データ分析

人気薄の台頭が目立つようになってきた長距離ハンデ重賞

2023年のダイヤモンドSは、2番人気のミクソロジーが勝ち、1番人気のシルブロンが3着となったものの、単勝オッズ77.5倍(13番人気)のヒュミドールが2着に食い込んだことで、3連単12万1000円の好配当決着となった。2013年から2019年までは3連単の最高配当が5万8400円(2016年)にとどまっていたが、2020年に355万5600円、2022年にも31万7940円という高額配当が飛び出すなど、近年は波乱の決着が増えつつある。人気の中心となっているような馬だけでなく、前評判がそれほど高くない馬にも注目しておきたい一戦だ。今回は過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。

負担重量が54キログラム未満の馬は不振

過去10年の負担重量別成績を見ると54キログラム未満の馬は3着内率が9.1%にとどまっている。実績に応じた負担重量を課されるハンデキャップ競走だが、軽ハンデ馬は、上位に食い込む可能性が低いとみるべきだろう。逆に、負担重量が58キログラム以上だった馬は3着内率80.0%と非常に優秀な成績を収めている。〔表1〕

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表1〕負担重量別成績(過去10年)
負担重量 着度数 勝率 連対率 3着内率
54kg未満 0-3-1-40 0% 6.8% 9.1%
54kg以上58kg未満 7-6-9-73 7.4% 13.7% 23.2%
58kg以上 3-1-0-1 60.0% 80.0% 80.0%

前走好走馬が優勢

過去10年の3着以内馬延べ30頭中20頭は、前走の着順が5着以内だった。一方、6着以下だった馬は3着内率12.5%とやや苦戦している。どちらかと言えば前走好走馬が強いレースだ。〔表2〕

〔表2〕前走の着順別成績(過去10年)
前走の着順 着度数 勝率 連対率 3着内率
5着以内 7-5-8-44 10.9% 18.8% 31.3%
6着以下 3-5-2-70 3.8% 10.0% 12.5%

なお、前走の着順が6着以下だったにもかかわらず3着以内に入った延べ10頭のうち7頭は、年齢が6歳以下だった。大敗直後の7歳以上馬は、大きく評価を下げるべきかもしれない。〔表3〕

〔表3〕前走の着順が6着以下だった馬の、年齢別成績(過去10年)
年齢 着度数 勝率 連対率 3着内率
6歳以下 2-4-1-29 5.6% 16.7% 19.4%
7歳以上 1-1-1-41 2.3% 4.5% 6.8%

末脚がポイント

過去10年の3着以内馬延べ30頭中17頭は、前走がJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が3位以内だった。該当馬は3着内率も42.5%と優秀な水準に達している。前走で出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークしていた馬は、相応に高く評価するべきだろう。〔表4〕

注記:表は横にスクロールすることができます。

〔表4〕前走がJRAだった馬の、前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位別成績(過去10年)
前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位 着度数 勝率 連対率 3着内率
3位以内 6-4-7-23 15.0% 25.0% 42.5%
4位以下 4-5-3-87 4.0% 9.1% 12.1%

なお、前走がJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以下だったにもかかわらず3着以内に入った延べ12頭のうち9頭は、“東京・中山のGⅠ・GⅡ”において4着以内に入った経験のある馬だった。前走で出走メンバー中上位の上がり3ハロンタイム(推定)をマークしておらず、関東圏のGⅠ・GⅡにおいて好走したこともない馬は、割り引きが必要だ。〔表5〕

〔表5〕前走がJRA、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)順位が4位以下だった馬の、“東京・中山のGⅠ・GⅡ”において4着以内に入った経験の有無別成績(過去10年)
経験の有無 着度数 勝率 連対率 3着内率
あり 3-4-2-25 8.8% 20.6% 26.5%
なし 1-1-1-62 1.5% 3.1% 4.6%

近年は関東馬が中心

過去4年の3着以内馬12頭中9頭は、美浦所属の関東馬だった。一方、栗東所属の関西馬は3着内率8.8%と苦戦している。近年の傾向を重くみるなら関東馬を重視したい。〔表6〕

〔表6〕所属別成績(過去4年)
所属 着度数 勝率 連対率 3着内率
美浦 2-3-4-19 7.1% 17.9% 32.1%
栗東 2-1-0-31 5.9% 8.8% 8.8%

なお、関西馬で3着以内に入った3頭のうち2頭は、前走の着順が1着、かつ前走の2着馬とのタイム差が0.3秒以上だった。前走で2着馬にある程度のタイム差をつけて勝っていた馬でない限り、関西馬は過信禁物とみるべきだろう。〔表7〕

(伊吹 雅也)

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〔表7〕所属が栗東だった馬の、前走の着順ならびに2着馬とのタイム差別成績(過去4年)
前走の着順ならびに2着馬とのタイム差 着度数 勝率 連対率 3着内率
着順が1着、かつ2着馬とのタイム差が0.3秒以上 2-0-0-1 66.7% 66.7% 66.7%
着順1着で2着馬とのタイム差が0.2秒以内、もしくは着順が2着以下 0-1-0-30 0% 3.2% 3.2%

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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