100回を超える歴史を持つ京都記念の優勝馬には多くのGⅠウイナーが名を連ね、2023年優勝のドウデュースが暮れに有馬記念を制したことは記憶に新しい。2020年のクロノジェネシスは同年に宝塚記念と有馬記念を制し、2021年のラヴズオンリーユーも同年に海外G1を3勝と、優勝馬がその後にタイトルを積み重ねたケースは数え上げたらきりがない。4年ぶりに京都競馬場で行われる伝統の一戦で、GⅠ戦線の主役に名乗りを上げるのはどの馬か。阪神競馬場で行われた2021年から2023年を含む、過去10回のデータを分析していく。
単勝1番人気は過去10年で3勝とやや物足りない成績だが、ここ5年は3勝2着1回と信頼度を上げてきている。1番人気が不振だった2014年から2018年は2番人気または3番人気の馬が連対を果たし、上位人気馬が総崩れとなったのは2022年だけ。同年はレアケースと捉えた方がいいだろう。他に目立っているのは6番人気が1番人気と同等の成績を残している点。半数以上が馬券に絡んでいるので狙ってみる手はありそうだ。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 0-2-2-6 | 0% | 20.0% | 40.0% |
3番人気 | 2-3-1-4 | 20.0% | 50.0% | 60.0% |
4番人気 | 1-1-3-5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 0-1-0-9 | 0% | 10.0% | 10.0% |
6番人気 | 3-1-2-4 | 30.0% | 40.0% | 60.0% |
7〜9番人気 | 0-1-0-29 | 0% | 3.3% | 3.3% |
10番人気以下 | 1-0-0-25 | 3.8% | 3.8% | 3.8% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭のうち、21頭はここが年明け初戦だった。中でも、前走が前年秋に行われた国内外のGⅠだった馬は〔7・5・6・19〕と約半数が3着以内に入っている。2023年に優勝したドウデュースは前走が凱旋門賞19着と、2桁着順に敗れていた馬の優勝例も複数あるので、国内外のGⅠから臨む馬は前走の着順にかかわらず注目しておきたい。〔表2〕
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
同年のレース | 3-4-2-46 | 5.5% | 12.7% | 16.4% |
前年以前のレース | 7-6-8-40 | 11.5% | 21.3% | 34.4% |
なお、年明け以降に出走していた馬は劣勢ながら、2019年にダンビュライトが優勝したのを皮切りに5年連続で馬券に絡んでいる。前走で5着以内に入っていた馬に限れば3着内率は30%を超えるので、年明け以降に出走していた馬は前走の着順が取捨選択の指標となりそうだ。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 2-4-2-18 | 7.7% | 23.1% | 30.8% |
6着以下 | 1-0-0-28 | 3.4% | 3.4% | 3.4% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭のうち、29頭にはJRA重賞で2着以内に入った実績があった。単勝6番人気以下で馬券に絡んだ延べ8頭にもこの実績があったので、穴馬を狙う際もJRA重賞での実績は重視すべきだろう。〔表4〕
実績の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 10-9-10-59 | 11.4% | 21.6% | 33.0% |
なし | 0-1-0-27 | 0% | 3.6% | 3.6% |
近年はクラシックで3着以内に入っていた馬の活躍が目立ち、2016年から2021年までその経験を持つ馬が6連勝していた。2022年に連勝が途切れたものの、2023年は前年の日本ダービー馬ドウデュースが優勝している。また、2022年のアフリカンゴールドを除く優勝馬はいずれも5歳以下という点も共通している。クラシックで好走していた5歳以下の馬が最も勝利に近い存在と言えそうだ。〔表5〕
(高那実 マヤ)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 年齢 | 主なクラシック好走歴 |
---|---|---|---|
2016年 | サトノクラウン | 4歳 | 日本ダービー3着 |
2017年 | サトノクラウン | 5歳 | 日本ダービー3着 |
2018年 | クリンチャー | 4歳 | 菊花賞2着 |
2019年 | ダンビュライト | 5歳 | 皐月賞3着 |
2020年 | クロノジェネシス | 4歳 | 桜花賞3着、オークス3着 |
2021年 | ラヴズオンリーユー | 5歳 | オークス1着 |
2022年 | アフリカンゴールド | 7歳 | なし |
2023年 | ドウデュース | 4歳 | 日本ダービー1着 |
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