エフフォーリア、ゴールドシップ、古くは三冠馬ナリタブライアンなどのクラシックホースが勝利してきた出世レース。勝ち馬だけでなく、昨年の4着馬タスティエーラが後に日本ダービーを制したように、上位に入った馬がクラシック本番で存在感を示すことが多いので、今後を占うためにも絶対に見逃せないレースだ。今回は過去10年の結果を中心に傾向を探っていく。
将来GⅠで活躍するような素質馬が多く出走するレースだが、じつはここ9年連続で1番人気馬が敗れている。かといって波乱傾向が強いわけでもなく、7番人気以下の馬の好走は少ない。上位拮抗のレースになりやすく、過去10年の3着以内馬30頭中22頭を4番人気以内の馬が占めている。特に、5勝を挙げ3着内率が80.0%もある3番人気には注目しておきたい。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1番人気 | 1-3-2-4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
2番人気 | 1-0-3-6 | 10.0% | 10.0% | 40.0% |
3番人気 | 5-2-1-2 | 50.0% | 70.0% | 80.0% |
4番人気 | 1-1-2-6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 0-2-0-8 | 0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
7番人気以下 | 0-1-2-47 | 0% | 2.0% | 6.0% |
過去10年の3着以内馬30頭のうち、29頭はキャリア4戦以下だった。中でも、新馬戦を勝ったばかりのキャリア1戦馬の成績が良いので、キャリアが極端に浅い馬を割り引く必要はないだろう。〔表2〕
通算出走回数 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1戦 | 2-3-2-7 | 14.3% | 35.7% | 50.0% |
2戦 | 2-0-2-14 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
3戦 | 5-5-4-27 | 12.2% | 24.4% | 34.1% |
4戦 | 1-1-2-11 | 6.7% | 13.3% | 26.7% |
5戦以上 | 0-1-0-21 | 0% | 4.5% | 4.5% |
過去10年では前走で直線の長いコースを使われていた馬の成績が良い。具体的に例を挙げると、前走が東京・芝1800メートルと2000メートル、阪神・芝外回りの1600メートルと1800メートルといったコーナーが少なく直線の長いコースだった馬の好走率が高い。その他では、ホープフルSや京成杯といった中山・芝2000メートルのレースから臨んでくる馬が多く、7頭が3着以内に入っている。〔表3〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走のコース | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
中山・芝2000m | 3-2-2-25 | 9.4% | 15.6% | 21.9% |
東京・芝2000m | 3-0-1-3 | 42.9% | 42.9% | 57.1% |
東京・芝1800m | 2-3-2-4 | 18.2% | 45.5% | 63.6% |
阪神・芝外1800m | 1-1-0-0 | 50.0% | 100% | 100% |
中山・芝外1600m | 1-0-0-4 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
阪神・芝外1600m | 0-3-1-5 | 0% | 33.3% | 44.4% |
阪神・芝2000m | 0-1-1-3 | 0% | 20.0% | 40.0% |
京都・芝2000m | 0-0-1-7 | 0% | 0% | 12.5% |
中京・芝1600m | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
京都・芝外1800m | 0-0-1-1 | 0% | 0% | 50.0% |
過去9年の優勝馬のうち昨年のファントムシーフを除く8頭は、前走の着順が3着以内、かつ前走の上がり3ハロンタイム(推定)がメンバー中1位だった。直線の長い東京コースで行われるだけに、前走で鋭い決め手を発揮して上位に好走していた馬に注目すべきだろう。〔表4〕
(姫園 淀仁)
注記:表は横にスクロールすることができます。
年度 | 優勝馬 | 前走の着順 | 前走の上がり3ハロンタイム(推定)・順位 |
---|---|---|---|
2015年 | リアルスティール | 1着 | 33.3秒・1位 |
2016年 | ディーマジェスティ | 1着 | 33.5秒・1位 |
2017年 | スワーヴリチャード | 2着 | 33.6秒・1位 |
2018年 | オウケンムーン | 1着 | 35.2秒・1位 |
2019年 | ダノンキングリー | 1着 | 35.5秒・1位 |
2020年 | ダーリントンホール | 3着 | 35.8秒・1位 |
2021年 | エフフォーリア | 1着 | 33.4秒・1位 |
2022年 | ダノンベルーガ | 1着 | 33.1秒・1位 |
2023年 | ファントムシーフ | 4着 | 34.6秒・2位 |
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