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牝4歳
調教師:池江泰寿(栗東)
前走の疲れをしっかりと取ってから帰厩。時季的なものもあり、当初は少し馬体に余裕を感じたが、追い切りの本数を重ねることで徐々に締まってきている。前走の数字に近い490キログラム台での出走なら、特に問題はないはずだ。
初めてのGⅠ挑戦だった前走のスプリンターズSを見事に勝利し、重賞初制覇がGⅠのビッグタイトルに。全姉はJRA初となる白毛のGⅠ勝ち馬として知られるソダシ。マイルGⅠを3勝した姉の足跡から、本馬もマイル前後の距離をメインに出走してきたが、姉よりも豊富なスピードと前進気勢の強さを持っており、スプリンターとしての資質がより高かったということだろう。中間距離となる今回の1400メートルでは、全6勝中3勝をマーク。ゴール前に急坂が待つコース形態は、前走の中山と同じだ。条件に不足はなく、GⅠ馬らしい走りを見られそうだ。
牡5歳
調教師:音無秀孝(栗東)
以前ほどの前進気勢を見せなくなっているようで、前走ではブリンカーを着用したほど。1400メートルへの距離延長は間違いなくプラスとなるだろう。しっかりとスタートを決め、ある程度の位置で流れに乗る競馬をしたい。
2021年のスプリンターズSを制し、完成期を迎える前の3歳秋にビッグタイトルを獲得したが、本馬を含む4頭が競走中止となった同年末の香港スプリント(G1・芝1200メートル)後に骨折が判明。約1年3か月の長い休養期間を経て、今年の高松宮記念(13着)で復帰したものの、前走のスプリンターズS(8着)までの4戦全てで掲示板(5着以内)に入れず、本馬の持っている能力とはかけ離れた成績に終わっている。幸い前走後の臨戦過程は順調。ここで復活のきっかけをつかみたいところだ。
牡4歳
調教師:安田隆行(栗東)
差す形の競馬にシフトした前々走は、2着でも素晴らしい内容だった。以前は豊富なスピードを生かし、先行抜け出しを得意パターンにしていた馬。自在性を身につけたことで、これまで以上に安定した走りを期待できるだろう。
今年の阪急杯を制し、重賞勝ち馬の仲間入りを果たしたカラヴァッジオ産駒。ともに7着に敗退したものの、春の高松宮記念では3番人気、前走のスプリンターズSでは2番人気の支持を受けるなど、ファンからの評価が非常に高い馬でもある。2度のGⅠ挑戦では結果を出せなかったが、高松宮記念は不良馬場、スプリンターズSは馬場の内を通った馬が残る展開に泣いた印象で、能力が足りないイメージはない。得意の阪神コースでGⅡ制覇を決め、来年の飛躍につながる走りを見せたい。
牡5歳
調教師:中内田充正(栗東)
一昨年で勝利しているだけでなく、昨年もハナ差の2着。阪神Cは条件ベストと言えるレースだ。2歳コースレコードでGⅠ勝ちを決めている馬だが、水分を含んだ馬場状態も大きなマイナスにならないタイプ。今回もスタート次第となりそうだ。
2番人気の支持を受けた前走のスワンSは6着。スタートの出遅れだけでなく、馬群の外を通った距離ロスも響いた印象だった。ただ、上がり3ハロン33秒6(推定)は出走馬中2位の数字で、通ったコースを考慮すれば最も脚を使った馬と言えるかもしれない。着順だけで評価を下げるのは早計だろう。最後の勝利は一昨年の本レースで、2年もの長い期間で勝利を挙げられていないが、フランケル産駒の後継馬として名を高めるためにも、さらなるタイトルの上積みが欲しいところだろう。
牡6歳
調教師:畠山吉宏(美浦)
先行抜け出しのパターンを追求してきた馬。今回も同じスタイルで挑むだろう。阪神では過去に4戦して〔0・1・0・3〕と結果が出ていないが、いずれも直線の長い外回りコースだった。内回りコースなら自身の脚質とかみ合うはずだ。
デビュー時から関係者の評判が高かったスクリーンヒーロー産駒。前走のスワンSを勝利し、待望の重賞制覇を6歳秋に成し遂げた。10番人気の低評価を覆したレースの勝因は2つあるとされ、1つは前々走の京成杯オータムH(2着)から着用したブリンカー。その効果で前進気勢を取り戻したことが大きいと陣営は話す。もう1つは3歳春以来となった1400メートルへの距離短縮で、今回もマイルチャンピオンシップをスキップして前走と同距離の阪神Cへ。GⅡ連勝を意識したローテーションは魅力と言えるだろう。
牝5歳
調教師:斉藤崇史(栗東)
調教で見せる動きは変わらず良好。暑さがこたえた夏場のことを思えば、寒い時季に調子を上げるタイプのようにも思える。馬体重は450キログラム台で安定しており、この数字なら能力発揮に支障はないだろう。
近走の敗戦により6番人気まで評価を落としていた前走のスワンSだったが、勝ったウイングレイテストとクビ差2着の好結果。今年の京都牝馬Sに続く2度目の重賞制覇とはならなかったものの、牡馬の強敵もそろったGⅡでも力が通用することを示している。1600メートルで2勝をマークしているとはいえ、父はスピードタイプのミッキーアイル。4勝をマークする1400メートルへの距離短縮が前走好走の要因と考えるのであれば、今回も京都牝馬Sで重賞初制覇を果たした相性のいい舞台。好レースを期待してよさそうだ。
牝6歳
調教師:辻野泰之(栗東)
爪の不安は解消しているとはいえ、速い時計での決着は向かず、できることなら雨の影響を受けた馬場状態で走りたいタイプ。週末の天候を最も気にしている馬と言えるだろう。水分を含んだ馬場状態での開催となれば、大きなプラス材料だ。
爪の不安があり、デビュー当初はレースを使うことにも苦労していたが、栗東・辻野泰之厩舎への転厩とともにそれも解消。しっかりと能力を発揮できるようになったことで、2021年関屋記念、2022年京都牝馬Sと、これまでに2つの重賞タイトルを獲得している。大レースへの参戦が続いた近走は好結果を残すことができずにいたが、前走のスワンSでは11番人気の低評価ながら3着に好走。6歳秋を迎えても能力の衰えがないことを示した。ここも展開次第でチャンスがありそうだ。
牡4歳
調教師:深山雅史(美浦)
最近はスタートが合わないことが増えているため、まずは出遅れないことが好走のための大事な要因。これまでの結果と内容から、1400メートルへの対応は問題ない。それよりも良馬場で走れるかのほうが重要だろう。
昨年のスプリンターズSでは、勝ったジャンダルムにクビ差の2着と好走。GⅠでも差のない競馬ができることを証明した。苦手な重馬場に加え、順調な調整過程とは言えなかった3走前のキーンランドCでの16着は、参考外の結果だろう。スタートでの出遅れが響いた前々走のスプリンターズSは6着、外枠(8枠16番)で前に壁を作ることができなかった前走のスワンSは5着だったが、ともに勝ち馬から0秒4差と大きくは負けていない。展開がかみ合うようなら、この相手でも巻き返せる可能性を秘めている。
(松浪 大樹)
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