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牝3歳
調教師:清水久詞(栗東)
桜花賞はリバティアイランドから0秒2差の2着。オークス、秋華賞で着順を落としたことからも、本領発揮はマイル戦とみていいだろう。中山マイルは未経験だが、身上の先行力を生かせる舞台。重賞初制覇のチャンスだ。
一番の強調点はやはり桜花賞。圧倒的人気だったリバティアイランドがいたため、各馬の意識が後ろにあったことは確かだろうが、それでもレースの前半1000メートル通過タイム57秒6のペースは決して楽なものではなかった。その流れのなか本馬は2番手。直線は残り300メートル付近から先頭に立ち、ゴール寸前までトップを守る力走(2着)を見せた。距離不適と思われたオークスは7着、それ以来だった秋華賞も8着だったが、能力の高さは疑いようがなく、今回は桜花賞以来のマイル戦。加えて直線の短い中山も先行押し切りを狙うには好都合だろう。待望の重賞制覇に期待がかかる。
牝3歳
調教師:木村哲也(美浦)
当舞台で新馬勝ちに加え、フラワーC2着、紫苑S2着の成績もあるコース巧者。外枠(7枠15番)に加えて展開も厳しかった前走の秋華賞(9着)は参考外とみていいだろう。休養を経て今回は実績のある中山。巻き返しを期す。
驚きの勝ち方を見せたのが今回と同じ中山マイルの新馬戦だ。大外枠スタート、しかも後手を踏み後方からとなったが、3コーナー手前から一気に押し上げて直線で楽に抜け出し、2着馬に4馬身差をつける快勝だった。現時点ではフラワーC2着、紫苑S2着が目立つ戦績だが、あの新馬戦の好パフォーマンスを思えば、もっと高いステージで走れていいはず。母のダンスファンタジアは2011年のフェアリーSの勝ち馬。母仔制覇を狙った今年のフェアリーSは直線でスムーズさを欠き11着と敗れたが、母から受け継がれているであろう当舞台への適性の高さにも期待したい。真価発揮となるか、注目だ。
牝6歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
本レースを2連覇中。その昨年の本レース以来、勝ち星から遠ざかってはいるが、前走は今回と同じ舞台の京成杯オータムHで牡馬相手に勝ち馬から0秒1差の3着と、復調がうかがえた。3連覇も十分視野に入る。
関西馬だが、2勝目は3歳春の中山・芝1800メートルで、それを含めて中山は1着、5着、1着、1着、3着、4着、1着、8着、3着。唯一5着以内を外した今年のダービー卿チャレンジTでも勝ち馬から0秒5差と、抜群の適性を示している。一昨年に本レースを勝った時は後方からの大外一気、昨年は後方からではなかったものの、同じく大外一気だった。とにかく中山では末脚の勢いが他場とは違う印象を受ける。実績馬ゆえ過去2年以上のハンデを背負うことになるが、前走の京成杯オータムHは牡馬相手でのハンデ56キログラムで3着。牝馬同士での56.5キログラムなら、3連覇も可能だろう。
牝4歳
調教師:奥村武(美浦)
近3走はリステッドで4着、2着、1着と、地力強化が著しい。いずれも1400メートルでの好走だったが、中山マイルでも3勝をマーク。特に3勝クラス勝利時は2着馬に4馬身差の快勝だった。舞台替わりへの不安はない。
前走の信越S(リステッド・新潟・芝1400メートル)でオープンクラス初勝利。同舞台の朱鷺S(リステッド)を逃げて2着に入った直後だったが、好位でしっかりと折り合いがつき、鞍上が追い出しを待つ余裕もあったほど。心身ともに成長を遂げていることを示す勝利だった。ここ3戦こそ1400メートルで結果を出しているが、条件クラス時は中山・芝1600メートル戦に良績が集中しており、4着、1着、8着、1着、1着という巧者(8着はGⅡ)。我慢することを覚えた今なら、最適舞台に戻ってさらにパフォーマンスを上げてきそうだ。中間の動きの良さも目につき、重賞タイトルに手が届いていい。
牝4歳
調教師:上原博之(美浦)
クイーンS2着、福島記念4着と重賞で連続好走中。本格化の兆しを見せていることに加えて、サッと好位につけられて終いも確かというレース巧者でもある。久しぶりの中山マイルだが、持ち味を発揮しやすい舞台のはずだ。
前々走のクイーンSは好枠(2枠2番)から逃げ馬の真後ろにつけ、直線で外へ出してからもうひと伸び。一度は先頭に並ぶシーンを作っての2着だった。敗れたとはいえ、勝ち馬は3歳馬。4キログラムの斤量差を思えば、0秒2差は地力強化を示すに十分な内容だった。実際、それは前走の福島記念でも証明。牡馬相手に加え、外を回った馬が上位を占めるなかでインを突いて4着に入っており、ここにきて本格化ムードが漂っている。中山・芝1600メートルは2歳時の1勝クラス・サフラン賞(2着)以来となるが、とにかくレースがうまいタイプ。前半に流れに乗れれば、一発の可能性を秘める。
牝4歳
調教師:高柳大輔(栗東)
前々走の阪神牝馬Sで重賞初制覇。前走のヴィクトリアマイルでも5着に健闘した。力をつけていることはもちろん、末脚の鋭さも増してきた印象を受ける。今回は春以来となるが、調教量は豊富。久々でも好勝負が可能だろう。
洛陽S(リステッド・阪神・芝1600メートル)11着から臨んだ前々走の阪神牝馬Sは、2番手から押し切って見事初タイトル獲得。その勢いのまま向かった前走のヴィクトリアマイルでは、再度積極的な競馬で5着に入った。振り返れば、昨年のチューリップ賞でナミュールから0秒3差の4着、秋は紫苑Sでスタニングローズとクビ差の2着がある馬。能力の高さは3歳の早い段階から示していたが、ここにきてグンと成長してきた印象だ。ヴィクトリアマイル以来という点は気になるが11月上旬から乗り込みを開始して栗東の坂路とCWコースを併用してしっかりと乗り込まれている。前記紫苑S2着も秋初戦での好走だった。いきなり動けていい。
牝3歳
調教師:小島茂之(美浦)
近走は苦戦続きだが、いずれも強敵相手だった。加えてスタートでの立ち遅れや直線でスムーズさを欠くなど、能力発揮がかなわない状況にあったことも確か。今回は新潟2歳S、フェアリーSを勝っている1600メートル。軽視は禁物だ。
昨夏の新潟2歳Sで重賞初制覇。今年初戦のフェアリーSで重賞2勝目を挙げた。特筆すべきはフェアリーSの勝ち方。後方のラチ沿いで脚をためると、直線も迷いなくラチ沿いへ。前をこじ開けるように伸びて残り100メートル付近で先頭に立ち、そのまま押し切った。鞍上の好騎乗も光ったが、狭いところを嫌がるところなく伸びてきた本馬の勝負根性にも驚かされた。しかし、その後は苦戦。チューリップ賞(7着)こそ勝ち馬から0秒3差と気を吐いたが、以前のような鋭い脚が見られなくなっている。とはいえ今回は53キログラムのハンデで、何より重賞を勝っている舞台。変わる要素はそろっている。
牝3歳
調教師:武幸四郎(栗東)
東京マイルの新馬戦を好内容で勝ち、続くシンザン記念も連勝。その後は結果が出ていないが、当時の内容からすればもっとやれていいはず。あらためてのマイル戦起用で、一変があっておかしくない。
デビュー戦の内容が秀逸。逃げてまったくの楽勝だった見た目もさることながら、1分34秒1のタイムは翌日の2勝クラスの勝ち時計を0秒3も上回るものだった。2戦目のシンザン記念は一転、7頭立ての5番手から競馬を進めて直線は鮮やかな差し切り。あらためて非凡な素質を見せつける勝利だった。それらの内容が評価されて桜花賞では2番人気の支持だったが、折り合いを欠いて8着。続くオークスは逃げて17着、立て直しを図った前走のクイーンSも逃げて終い失速の9着と、自身のポテンシャルを発揮できていない状況だ。まだ半信半疑なところはあるが、今回は重賞を勝っている距離。無視はできない。
(山下 健)
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