レース名がチャンピオンズCとなった過去9年の優勝馬9頭中8頭は、前年以降にGⅠ・JpnⅠ競走を勝っていた馬であり、そのうち6頭は同年のGⅠ・JpnⅠ競走を制していた。一方、2022年の優勝馬ジュンライトボルトは過去にダートのレースを3戦しかしていなかったうえ、GⅠ挑戦も2019年の朝日杯フューチュリティS(6着)以来で、実に約3年ぶりだった。既にビッグタイトルを獲得した実績のある馬はもちろん、王座を目指してこの舞台へとたどり着いた新興勢力にも注目しておくべきだろう。今回は、ジャパンカップダートのレース名で阪神・ダート1800メートルを舞台に行われた2013年を含む過去10年のレース結果から、好走馬に共通するポイントを分析してみたい。
過去10年の年齢別成績を見ると、3歳、5歳、6歳の馬はいずれも3着内率が20%以上だった。一方、4歳馬は同11.1%にとどまっている。7歳や8歳以上の馬だけでなく、4歳馬の好走率もやや低い点は気掛かりだ。〔表1〕
年齢 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 2-2-1-13 | 11.1% | 22.2% | 27.8% |
4歳 | 2-0-2-32 | 5.6% | 5.6% | 11.1% |
5歳 | 4-2-3-27 | 11.1% | 16.7% | 25.0% |
6歳 | 2-4-2-26 | 5.9% | 17.6% | 23.5% |
7歳 | 0-2-2-18 | 0% | 9.1% | 18.2% |
8歳以上 | 0-0-0-11 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中29頭は、前走が国内、かつ単勝人気が5番人気以内だった。一方、同6番人気以下だった馬は3着内率2.4%と苦戦している。直近のレースを比較する際は、単勝人気もチェックしておくべきだろう。〔表2〕
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前走の単勝人気 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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5番人気以内 | 10-10-9-81 | 9.1% | 18.2% | 26.4% |
6番人気以下 | 0-0-1-41 | 0% | 0% | 2.4% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭は、いずれも馬番が1番から13番だった。一方、14番から16番だった馬は全て4着以下に敗れている。2020年に単勝オッズ1.4倍の支持を集めたクリソベリル(15番)が4着に敗れるなど、上位人気に応えられなかった馬も少なくないだけに、今年も外枠に入った馬には注意したい。〔表3〕
馬番 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
1〜13番 | 10-10-10-100 | 7.7% | 15.4% | 23.1% |
14〜16番 | 0-0-0-27 | 0% | 0% | 0% |
過去10年の3着以内馬延べ30頭中27頭は、前走が国内、かつ4コーナー通過順が7番手以内だった。一方、同8番手以下だった馬は3着内率6.0%と苦戦している。前走で中団や後方からレースを進めていた馬は、扱いに注意した方がよさそうだ。〔表4〕
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前走の4コーナー通過順 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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7番手以内 | 9-9-9-75 | 8.8% | 17.6% | 26.5% |
8番手以下 | 1-1-1-47 | 2.0% | 4.0% | 6.0% |
過去7年の3着以内馬延べ21頭中14頭は、前走が国内のダートのGⅠ・JpnⅠ、GⅡ・JpnⅡだった。該当馬は3着内率も31.8%とまずまず優秀な水準に達している。前走がダートグレード競走の格の高いレースだった馬は、それなりに信頼できるとみていいだろう。〔表5〕
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前走 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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国内のダートのGⅠ・JpnⅠ、GⅡ・JpnⅡ | 6-5-3-30 | 13.6% | 25.0% | 31.8% |
その他 | 1-2-4-58 | 1.5% | 4.6% | 10.8% |
なお、前走が“国内のダートのGⅠ・JpnⅠ、GⅡ・JpnⅡ”以外だったにもかかわらず3着以内に入った7頭のうち5頭は、同年のフェブラリーSもしくは中京・ダート1800メートル以上の重賞において3着以内に入った経験がある馬だった。同年のフェブラリーSや中京のダート中距離重賞に十分な実績がある馬は、前走の格を問わず高く評価したい。〔表6〕
経験の有無 | 着度数 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
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あり | 1-0-4-13 | 5.6% | 5.6% | 27.8% |
なし | 0-2-0-45 | 0% | 4.3% | 4.3% |
過去9年の優勝馬9頭は、いずれも前走の着順が5着以内だった。大敗直後の馬は割り引きが必要だ。また、この9頭は年齢が6歳以下だった点、前走の単勝人気が5番人気以内だった点、馬番が12番より内だった点も共通している。〔表1〕、〔表2〕、〔表3〕などで挙げた傾向も考慮するべきだろう。〔表7〕
(伊吹 雅也)
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年次 | 優勝馬 | 前走の着順 | 年齢 | 前走の単勝人気 | 馬番 |
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2014年 | ホッコータルマエ | 4着 | 5歳 | 4番人気 | 8番 |
2015年 | サンビスタ | 2着 | 6歳 | 1番人気 | 4番 |
2016年 | サウンドトゥルー | 3着 | 6歳 | 5番人気 | 8番 |
2017年 | ゴールドドリーム | 5着 | 4歳 | 2番人気 | 9番 |
2018年 | ルヴァンスレーヴ | 1着 | 3歳 | 2番人気 | 2番 |
2019年 | クリソベリル | 1着 | 3歳 | 1番人気 | 5番 |
2020年 | チュウワウィザード | 3着 | 5歳 | 3番人気 | 11番 |
2021年 | テーオーケインズ | 4着 | 4歳 | 1番人気 | 6番 |
2022年 | ジュンライトボルト | 1着 | 5歳 | 4番人気 | 5番 |
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