ステイヤーズSは中山競馬場の内回りコースを2周する暮れの名物重賞で、国内の平地競走としては最長距離となる。2022年の当レースで重賞初制覇を果たしたシルヴァーソニックは、次走でサウジアラビアのレッドシーターフHも勝ち、続く天皇賞(春)では3着と、国内外でそのスタミナを遺憾なく発揮している。今後の長距離戦線を占ううえでも見逃せない一戦の特徴を探るべく、過去10年の結果を分析していく。
過去10年の前走の距離別成績を調べると、2400メートル以下と2500メートル以上で3着以内馬の頭数と3着内率には大きな差は見られない。ただし、2500メートル以上から臨んだ馬が9勝を挙げ、2400メートル以下から臨んだ馬は1勝しかできていないので、1着候補は前走が2500メートル以上だった馬から選んだ方がよさそうだ。ちなみに、前走別では芝2500メートルのアルゼンチン共和国杯組が5勝を挙げている。また、ここ3年は前走で芝3000メートル以上のレースに出走していた馬が〔2・2・0・3〕(3着内率57.1%)と好成績であることも覚えておくといいだろう。〔表1〕
前走の距離 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
2400m以下 | 1-7-6-56 | 1.4% | 11.4% | 20.0% |
2500m以上 | 9-3-4-49 | 13.8% | 18.5% | 24.6% |
芝3000メートル以上のJRA平地重賞はダイヤモンドS、阪神大賞典、天皇賞(春)、菊花賞、そしてステイヤーズSと年間で5レースある。過去10年の3着以内馬延べ30頭中16頭はいずれかのレースで3着以内に入った実績を持っていた。また、この実績を持つ馬が単勝1番人気に支持された場合、〔4・1・0・0〕と出色の成績を残している。その一方で、2019年優勝のモンドインテロは6番人気、2020年優勝のオセアグレイトは7番人気と、この実績を持ちながら上位人気に支持されていなかった馬の好走も見られるので、長距離重賞で好走実績のある馬は押さえておいて損はなさそうだ。〔表2〕
実績の有無 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
あり | 8-5-3-16 | 25.0% | 40.6% | 50.0% |
なし | 2-5-7-89 | 1.9% | 6.8% | 13.6% |
過去10年の年齢別成績を見ていくと、4歳馬が3着内率38.9%と優秀な成績で、7番人気のオセアグレイトが勝ち、8番人気のタガノディアマンテが2着に入った2020年から3年連続で連対を果たしている。なお、7歳以上の馬は3着内率13.9%と分が悪いが、芝3000メートル以上のJRA平地重賞で3着以内に入ったことがある馬に限ると〔1・3・1・9〕で、3着内率が35.7%となる。この実績がない7歳以上馬は馬券に絡んだことがないので、7歳以上の馬は長距離実績によってふるいにかけたい。〔表3〕
(高那実 マヤ)
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3歳 | 0-0-0-2 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 2-3-2-11 | 11.1% | 27.8% | 38.9% |
5歳 | 4-2-4-36 | 8.7% | 13.0% | 21.7% |
6歳 | 3-2-3-25 | 9.1% | 15.2% | 24.2% |
7歳以上 | 1-3-1-31 | 2.8% | 11.1% | 13.9% |
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