GⅠ馬の参戦が少なく、混戦模様になりやすい重賞。2018年の優勝馬ダノンスマッシュのように、ここで初重賞制覇を遂げたあと、GⅠを勝った馬もいる。今回は阪神で開催された過去3年を含む、過去10年のデータを中心に傾向を調べた。
混戦模様になりやすいという点は過去10年の単勝人気別成績を見てもわかるとおりで、3番人気以内の3着内率が33.3%と低く、10番人気から12番人気の3着内率が26.7%もある。上位人気から下位人気までどの馬が来てもおかしくないレースと覚えておくべきだろう。〔表1〕
単勝人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
3番人気以内 | 5-5-0-20 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
4〜6番人気 | 2-1-4-23 | 6.7% | 10.0% | 23.3% |
7〜9番人気 | 2-1-1-26 | 6.7% | 10.0% | 13.3% |
10〜12番人気 | 1-3-4-22 | 3.3% | 13.3% | 26.7% |
13番人気以下 | 0-0-2-46 | 0% | 0% | 4.2% |
過去10年の前走別成績では、格上のレースであるスプリンターズSとスワンSからの臨戦馬が多いものの、飛び抜けて成績が良いわけではなく、むしろ2021年シヴァージ(6着)、2019年モズスーパーフレア(8着)、2014年レッドオーヴァル(9着)と、1番人気に応えられなかったケースが見られた。〔表2〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
前走 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
キーンランドC | 3-0-0-5 | 37.5% | 37.5% | 37.5% |
スプリンターズS | 2-1-2-24 | 6.9% | 10.3% | 17.2% |
スワンS | 1-3-0-21 | 4.0% | 16.0% | 16.0% |
オパールS | 1-2-2-18 | 4.3% | 13.0% | 21.7% |
桂川S | 1-1-1-2 | 20.0% | 40.0% | 60.0% |
JBCスプリント | 1-0-0-1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
福島民友C | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
スプリンターズS組で狙いたいのは10着以下に敗れていた馬で、3着内率は26.7%と高い。スプリンターズS組の中では展開などが向かずに大敗していた馬の巻き返しが多く、逆にスプリンターズSで掲示板(5着以内)に載っていた馬が不振となっている。〔表3〕
前走の着順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 0-0-0-4 | 0% | 0% | 0% |
6〜9着 | 1-0-0-9 | 10.0% | 10.0% | 10.0% |
10着以下 | 1-1-2-11 | 6.7% | 13.3% | 26.7% |
京都競馬場で行われた過去7回の京阪杯では、ノーザンダンサー系種牡馬の産駒が好成績。ヨハネスブルグが2勝、クロフネ1勝、Shamardalが1勝と合計4勝を挙げており、ノーザンダンサー系種牡馬全体の成績は【4・2・5・14】で3着内率は44.0%に達している。それに対して、サンデーサイレンス系種牡馬はイマイチで、【1・2・0・34】で3着内率は8.1%にとどまっている。〔表4〕
注記:表は横にスクロールすることができます。
種牡馬 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
ヨハネスブルグ | 2-0-0-1 | 66.7% | 66.7% | 66.7% |
クロフネ | 1-0-2-5 | 12.5% | 12.5% | 37.5% |
ロードカナロア | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
ディープインパクト | 1-0-0-3 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
ルールオブロー | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
Shamardal | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
サクラバクシンオー | 0-1-1-7 | 0% | 11.1% | 22.2% |
ローエングリン | 0-1-1-0 | 0% | 50.0% | 100% |
ダイワメジャー | 0-1-0-8 | 0% | 11.1% | 11.1% |
ストーミングホーム | 0-1-0-4 | 0% | 20.0% | 20.0% |
トーセンラー | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
ストラヴィンスキー | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
Zensational | 0-1-0-0 | 0% | 100% | 100% |
同日に東京競馬場でジャパンカップが行われるため、リーディング上位の騎手が東京競馬場で騎乗しているケースが多い。そこで狙い目になるのは、京都競馬場で騎乗する関西のベテランジョッキーに乗り替わった馬だ。2022年10番人気2着のキルロード(福永祐一騎手)、2021年10番人気1着のエイティーンガール(秋山真一郎騎手)、2020年12番人気3着のジョーアラビカ(和田竜二騎手)など、このパターンに当てはまる馬がよく波乱の立役者になっている。〔表5〕
(姫園 淀仁)
騎手 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|
乗り替わり | 6-7-9-76 | 6.1% | 13.3% | 22.4% |
前走と同じ | 4-3-2-61 | 5.7% | 10.0% | 12.9% |
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