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牝4歳
調教師:奥村武(美浦)
京都コースを走るのは初めてだが、関西圏への輸送競馬は経験済み。昨年11月には3勝クラスでハナ差2着と結果を出しているが、この時は馬体重を減らしていた。440キログラム台で推移している近走の体重を維持したいところだろう。
出走馬中最速の上がり3ハロン34秒4(推定)をマークし、今年の函館スプリントSで重賞初制覇を達成。前々走のキーンランドCは、瞬発力を封じられる重馬場がこたえて7着。前走のスプリンターズSでは、外枠(8枠15番)からのスタートで、外めを回るレースになって10着と、ここ2戦続けて結果を出せていないが、どちらも明確な敗因があったことは覚えておきたい。特にGⅠで出走馬中最速の上がり3ハロン33秒7(推定)をマークした前走には、着順以上の評価が必要だろう。GⅢとなる今回は、重賞2勝目を挙げる好機と言えそうだ。
牡3歳
調教師:杉山晴紀(栗東)
520キログラム前後の恵まれた馬体。フットワークもパワーを感じるもので、実際に不良馬場で後続を5馬身もちぎった実績がある。連続開催最終週となる現在の馬場コンディションも合うタイプだ。
芝での勝利は橘S(リステッド・京都・芝1400メートル)の1つのみだが、葵Sで2着、朱鷺S(リステッド・新潟・芝1400メートル)で3着、前走のスワンSでも4着と、近走もオープンクラスで差のない競馬をしている。結果だけでなく、内容にも見るべきところがあったのは前走で、スタートでアオり、いつものようなスピードを生かす形に持ち込めなかったにもかかわらず、直線でしっかりと脚を伸ばしてきた。最後は同じ脚色になったとはいえ、脚をためる形でも崩れなかった点は高く評価したい。1200メートルへの距離短縮で決め手が生きるようなら面白い。
牡6歳
調教師:森秀行(栗東)
立ち回りが上手なタイプではあるが、馬群の中での競馬は得意としていない。もまれない形でレースを進めることが今回もポイントになりそうだ。パドックでの脚さばきは少し硬めに見えるが、これはいつものこと。気にしなくていい。
3勝クラスに上がってから2年以上の時間が経過。ここがクラスの壁と思われていたのか、勝ち上がりを決めた前々走の3勝クラス・道頓堀S(阪神・芝1200メートル)は15番人気での激走で、2着馬との着差もクビとわずかだった。昇級初戦になった前走のオープン特別・みちのくS(福島・芝1200メートル)でも10番人気の低評価だったが、前々走の勝利でスイッチが入ったのか、2番手から楽な手応えで競馬を進め、4コーナーで早くも先頭。直線でサンライズオネストとの追い比べを制して見事連勝を決めている。勢いに乗っての重賞挑戦なら、これまでのような軽視は禁物だろう。
牝3歳
調教師:音無秀孝(栗東)
ゲートの中で集中するための時間が欲しいタイプ。枠入り直後にスタートしなくてはならない大外枠を歓迎しない理由はこれで、連続で大外枠が当たった休み明け2戦は参考外と言っていいだろう。枠番次第で見直せるはずだ。
今年5月の葵Sで、3月のチューリップ賞に続く2つ目の重賞タイトルを獲得。3歳馬ながらここでも実績上位と言える戦績を残している馬だ。3走前の北九州記念が10着の後、前々走のスプリンターズSは最下位の16着と大敗。初めてのダートに挑んだ前走のJBCスプリント(JpnⅠ・大井・ダート1200メートル)も11着と、休み明け3戦の結果はひと息だが、春よりも馬体がビルドアップされ、成長を感じさせるシルエットになっている。騎乗していた武豊騎手も驚きのコメントをしたほどのロケットスタートが戻ってくるようなら、ここでも面白い存在となる。
せん5歳
調教師:大竹正博(美浦)
京都コースは改装されたばかりの今春に出走。その結果は3勝クラスで6着というものだったが、これは18頭立ての17番ゲートが響いたもの。直線ではしっかりと脚を使っており、不得手なイメージはない。
3勝クラス・UHB杯(函館・芝1200メートル)は、中団追走からの差し切り勝ち。昇級初戦となったオープン特別・しらかばS(札幌・芝1200メートル)では、札幌競馬場のコースレコードタイムとなる1分07秒4をマークして連勝を飾った。勢いに乗って挑戦した前々走のキーンランドCでは4着に敗れたが、大外枠からのスタートで終始外を回る距離ロスがあったことを考えれば、充実度を感じさせる内容だったと言えるだろう。それだけに、直線で伸びを欠いた前走のオープン特別・みちのくS(福島・芝1200メートル、5着)はパンチ不足。今回は巻き返しを期す一戦となりそうだ。
牝3歳
調教師:高野友和(栗東)
前走・オパールS(リステッド)で2着と、今回と同じ京都・芝1200メートルで結果を残している点は強みになるだろう。前走は良馬場でも小雨が降っていて、少し時計を要していた。速い時計での決着よりも、最終週の馬場コンディションが合いそうなタイプ。ここは前進が見込める。
今年のフィリーズレビューを制しているドゥラメンテ産駒。その後のGⅠ2戦では結果を出せず、休み明けだった前々走の朱鷺S(リステッド・新潟・芝1400メートル)も11着に敗れたが、初めてのスプリント戦に挑んだ前走のオパールS(リステッド)では勝ったメイショウゲンセンとクビ差2着に好走した。距離短縮でも無理に前へ行かせず、末脚を生かす競馬をした鞍上の好騎乗もあったが、狭い進路を抜けてきたスピードと勝負根性は重賞ウイナーのそれだった。この距離こそがベストの可能性があり、今回は重賞2勝目のチャンスと言えそうだ。
牡4歳
調教師:高柳瑞樹(美浦)
調教で速い時計が出るタイプ。前走時は熱発明けを感じさせない乗り込みを消化していたが、逆にそれが前向き過ぎる走りにつながったかもしれない。今回は一息明け2走目での距離短縮。プラス材料しかない印象だ。
昨年の本レースでは、直線で豪快に差し切って重賞初勝利を達成。今年も3走前の函館スプリントS、前々走のキーンランドCでともに3着に入っており、今回のメンバーに入っても実績上位と言える一頭だ。熱発の影響で目標にしてきたスプリンターズSを回避し、出直しとなった前走のスワンSでは9着と結果を残せなかったが、久々の1400メートルだったことに加え、逃げる形になったのも3歳時のNHKマイルC(8着)以来で2度目。自身のスタイルではない競馬なら、気にする必要はないだろう。ここは連覇に挑む一戦。巻き返しを期待したい。
牡8歳
調教師:高橋康之(栗東)
速い時計での決着でもそれなりのところまでは来るが、本馬の脚質とスピードを考えれば、時計を要する状況がベター。重馬場も苦にしないタイプなら、雨が降ったほうがチャンスは広がるかもしれない。
これまで重賞に挑戦すること18回。2018年の葵S、2021年の京王杯スプリングC、2022年の阪急杯と、2着には3回入っている。8歳となった今年は、高松宮記念で勝ったファストフォースから0秒2差の3着に好走し、前々走のCBC賞では4着に健闘。前走の北九州記念は6着だったが、直線で進路が狭くなり、ブレーキをかけるシーンがあってのもので、スムーズなら際どいところまで迫っていたはずだ。現在も年齢的な衰えはそこまで見せていないが、さすがに残されたチャンスは多くないだろう。ここで念願の重賞制覇を決めたいところだ。
(松浪 大樹)
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