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短距離路線の水準が高く層も厚い香港勢が、過去10年のうち9勝と、圧倒的成績を誇っている。
その香港短距離界に新たに出現した”怪物”と、最上級の評価を受けているのがカーインライジングだ。昨シーズン最終戦のシャティンヴァーズ(G3・香港)で重賞初制覇を果たしていた同馬。今季初戦から2連勝を飾っての参戦となった前走・香港ジョッキークラブスプリント(G2・香港)が圧巻だった。3番手を追走し、残り300メートル付近から軽く促して先頭へ。そこから鞍上が追うと瞬時に後続を突き放し、2着以下に3馬身1/4差をつける快勝。桁違いのスプリント能力を見せつけた。しかも、ゴール前100メートルは流したにも関わらず、勝ち時計の1分07秒43は2007年にセイクリッドキングダムが作った記録を17年ぶりに更新するトラックレコードだったのだ。近年も、2018年のホットキングプローン、2022年のラッキースワイネスなど、日の出の勢いで躍進してきた若手スプリンターが、ここでつまずくという場面を何度か見てきたが、今年のカーインライジングは信じてよい存在とみる。
香港ジョッキークラブスプリントでは大敗したものの、その1戦だけでは見限れない実績馬が、昨シーズンの香港最優秀短距離馬カリフォルニアスパングルだ。昨シーズンの香港4歳二冠馬で、短距離路線に特化した今季は、プレミアボウル(G2・香港)2着、香港ジョッキージョッキークラブスプリント(G2・香港)3着と、成績が安定しているヘリオスエクスプレスも、上位争いに加わる馬だろう。
日本からは、9月29日に中山で行われたスプリンターズS(GⅠ)の1、2着馬が参戦する。
重賞での入着を3度重ねた後、今年1月にシルクロードSを制して重賞初制覇を果たしたのがルガルだ。3月の高松宮記念(GⅠ)では1番人気に応えられず大敗したが、前走のスプリンターズS(GⅠ)を制し、短距離路線の最前線に躍り出た。
3歳夏からこの路線の中核として活躍し、重賞4勝しているのがトウシンマカオだ。前々走のセントウルS(GⅡ)では、前年のスプリンターズS勝ち馬ママコチャを2着にしりぞけて優勝。前走スプリンターズSはクビ差の2着と、5歳の秋にして競走馬としての最盛期を迎えようとしている。
さらにここに、この路線の重賞2勝馬サトノレーヴが加わる。父は2012年、2013年とこのレースを連覇しているロードカナロアで、潜在的なシャティン適性の高さが期待される。
1959年(昭和34年)東京生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の制作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬を学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。
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