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未定
金曜日、土曜日の2日間で計14ものG1が行われ、アメリカ競馬における下半期のハイライトとなっているブリーダーズカップ(以下、BC)開催。そのメインレースであり、かつダート中距離におけるチャンピオン決定戦という位置づけにあるのがBCクラシック(G1)である。そのレベルは極めて高く、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表した2022年の「世界のトップ100 G1レース」では世界1位を獲得。また今年100万ドル増となった総賞金700万ドル(約10億5000万円・1アメリカドル=約150円で換算)はアメリカにおける最高額となっている。
BCが創設されたのは1984年のことだ。アメリカの競馬人気が停滞しているのは春のケンタッキーダービー以外に世間の注目を集めるビッグイベントが無いからだと考えたジョン・ゲインズ氏(ケンタッキーの大牧場ゲインズウェイファームの当時の代表)が中心となって創られたもので、高額な賞金の原資を種牡馬の所有者が支払う種牡馬登録料と、産駒の所有者が支払う産駒登録料に求めるという画期的な発想が採用された。資金の面でもアイデアの面でも生産者が中心になって創られたことは、ブリーダーズ(生産者)という名称が物語っている。
BCクラシックはBC創設時からある7つのレース(全てG1)のひとつ。これまで1989年の勝ち馬で、のちに日本で種牡馬として歴史的な大成功を収めたサンデーサイレンス、12連勝での戴冠となった1995年のシガー、2000年、2001年と制して史上唯一の本レース連覇を果たしたティズナウ、牝馬として史上初の優勝を果たした2009年のゼニヤッタ、史上初の米三冠との“グランドスラム”を達成した2015年のアメリカンファラオ、そしてレース史上最大着差となる8馬身1/4差で圧勝した2022年のフライトラインなど錚々たる名馬が優勝している(ここで取り上げた馬は全てアメリカ調教馬)。
日本調教馬は1996年にタイキブリザードが初参戦して13着。2023年にはデルマソトガケが日本調教馬としての最高着順となる2着に好走した。
なお、BCは北米の主要競馬場が持ち回りで開催しており、今年はカリフォルニア州のデルマー競馬場で行われる。
文:秋山 響(TPC)
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