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競走馬のサイクルは、大きく生産、育成、競走のそれぞれのステージに分けられるが、さらに育成のステージは、生まれてから離乳までの初期育成、騎乗馴致前までの中期育成、騎乗馴致から入厩までの後期育成に分けられる。この中で特に後期育成を専門に行う牧場を育成牧場という。後期育成期は、競走馬としての基礎体力や躾を身に着ける上で大切な時期である。これまでこの時期の管理技術については「強い馬づくり」を目指す日本の最も弱い部分とされてきたが、近年、競馬欧米諸国の競馬先進国を範にして、大きく進歩してきている。
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優勝馬表彰区画のこと。従来はスタンド内で表彰を行なっていたが、ヨーロッパ流に観客が優勝馬やその関係者と身近に接することができるように設置された。JRAの競馬場では、スタンド前のコースに面した場所に設けられている。1983年、札幌競馬場に設置されたのが最初である。
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従来の場外勝馬投票券発売所をファンにより親しみやすくするために、1987年度から名づけられた愛称。WINning SpotとWeekend IN Spotの2つの意味から、呼びやすく、覚えやすい名をと命名された。なお地方競馬施設については、JRAの発売システムを利用した発売を「WINS」、地方競馬共同トータリゼータシステム経由の発売を「J−PLACE」と呼ぶ。
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走路の基盤の上に、粉砕された木片を敷きつめた馬場で、日本でも調教用馬場として多く用いられている。この馬場はダートコースに比べてクッションが数段よく、脚への負担が少ない。また、馬場を管理、維持する上でも、非凍結性、浸水性、非流亡性が高く、欧米ではかなり前から取り入れられていた。中央競馬では1982年から研究開発され、トレーニング・センターで使用されている。
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障害レースの時に、コースに置く障害のこと。可動式障害。置き障害は竹柵で、他の障害に比べると低く、高さが1メートル20センチのものを使用している。
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乗り役ともいう。戦前は調教師の門を叩いて修行し、騎手となっていったが、戦後は、調教師のもとで修行した者が一週間ほどの講習を2、3回受講したうえで騎手免許試験を受ける短期講習制度(1948年から)と、日本中央競馬会馬事公苑で募集する2年課程の講習を終了してから騎手免許試験を受ける長期講習制度(1950年から)に分かれていた。1982年馬事公苑白井分苑の地に競馬学校がつくられてからは、長期講習制度に一本化され養成期間は3年間となった。なお、騎手免許試験は受検資格の要件を満たせば誰でも受験することが可能。
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「競走馬のふるさと案内所」は(公社)日本軽種馬協会が全国6か所に設置している案内所。引退して馬産地の牧場へと帰った競走馬たちのふるさとを訪ねる競馬ファンのために、種牡馬や繁殖牝馬の所在や、見学の可否、見学時間、地域の交通など、さまざまな情報を提供している。
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デジタルで被写体を撮影する際にはセンサーが必要になるが、一般的なデジタルカメラは「エリアセンサー」を用いて、シャッターを押した瞬間の画を撮影しているのに対し、JRAで使用している決勝写真撮影カメラはレンズの焦点面の前に特殊な「ラインセンサー(幅0.02ミリメートル)」を設け、これを一定の場所、つまり決勝線(ゴール板の真ん中にある鏡)に合わせておき、決勝線上の時間の経過を撮影している。エリアセンサーが面として被写体を撮影するものとすれば、ラインセンサーは線として被写体を撮影するものといえる。このラインセンサーは身近な例で挙げるとコピー機、スキャナー、バーコードリーダー等に使用されている。コピー機はラインセンサー自体が動くことにより被写体(紙)を撮影しているが、決勝写真撮影カメラは、ラインセンサーを固定し決勝線を通過する被写体(馬)を撮影(1万分の1から1万分の2秒毎にスキャン)していき、その静止画を時系列に繋ぐことで決勝線を通過した競走馬が画像となって表れる仕組みになっている。こうしたことから、決勝写真は各馬が決勝線に到達する順序で撮影されることになり、その写真を参考に決勝審判委員が到達順位を判定する。従って、決勝写真上のゴールはどこか、という問いに対しては、「すべてがゴールである。」が答えになる。また、決勝写真上の各馬の差については、実馬の差つまり“距離”ではなく、決勝線に到達した“時間”の差ということになる。
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競馬場の障害コースに、常時設けてある障害物。普通は土塁、生籬(いけがき)、竹柵の3種類で、このうち土塁と生籬を組み合わせたものもある。日本で最も高いのは中山の1メートル60センチのもので、この他に水濠や、バンケットという跳び上がって3、4歩走って跳び下りるものもある。飛越するものではないが、中山の上り下りの谷や、福島のバンケットなども障害とされている。
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JRAの競馬場は、主に2つの直線と4つのコーナーで形成されている。右回り・左回りコース共に、ホームストレッチ(スタンド側から見て手前の直線)にあるゴール板を基点にコースを1周する場合、最初に迎えるカーブを「1コーナー」と呼び、続くカーブを「2コーナー」、バックストレッチ(奥の直線)を通って、ホームストレッチに戻る際に回る2つのカーブを、それぞれ「3コーナー」、「4コーナー」と呼んでいる。レースによってはバックストレッチをスタートし、コーナーを2つ回ってホームストレッチを迎えゴールするという設定のものもあるが、この場合も回るコーナーの呼び方は変わらず「3コーナー」、「4コーナー」と呼ぶ。つまり、通過する順に「1コーナー」、「2コーナー」と呼ぶのではなく、それぞれのコーナーの呼び名は固定されたものである。同じコーナーを2回以上回る場合は、「1周目の1コーナー」や「2周目の1コーナー」と呼ぶ。また、レース終盤に最後に回る「4コーナー」の事を、「最終コーナー」と呼ぶこともある。
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決勝線延長線上の内柵側に立てられた板状の鏡のこと。 馬が重なり合って入線した場合、内側の馬の鼻端が決勝写真に写らずに判定が困難になる場合があるため、ゴール板として鏡を設置しておくことにより内側から見た像を鏡に写しこむことができ、判定の参考となっている。決勝写真撮影カメラはこのゴール板に合わせて設置されており、決勝写真には決勝写真撮影カメラとゴール板を結んだラインを通過したものしか写らない仕組みになっている。
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地方競馬が共同で構築した「地方競馬共同トータリゼータシステム」により、JRAの勝馬投票券の発売・払戻を実施する地方競馬施設のこと。地方競馬施設であっても、JRAの発売システムを利用した発売を「WINS」、地方競馬共同トータリゼータシステム経由の発売を「J−PLACE」と呼ぶ。2013年3月に北海道地区で初めて発売を開始。 なお「JRAの競馬場・ウインズ等」と「J−PLACE」の相互払戻・返還はできないが、J−PLACE間での払戻は可能である。
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出走馬は指定された時刻(通常のレースは発走の60分前)までに装鞍所に集合し、馬体検査、蹄鉄の検査、馬体重の測定を受ける。その後、指定されたつなぎ馬房において装鞍などの馬装の整備が行われ、パドックに向かう。なお、装鞍所への立ち入りは、公正確保のために当該競馬に従事する者、出走馬の厩舎関係者および開催執務委員長が特に許可した者に限られる。
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各競馬場、栗東、美浦両トレーニング・センターに設けられた、騎手の宿泊施設。競馬の公正の確保と心身の調整を図ることを目的として競馬開催の前日に、騎乗予定騎手全員が入室することが原則として義務付けられている。
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競走馬を調教する施設で、中央競馬では滋賀県栗東にある栗東トレーニング・センター(1969年開設)と茨城県美浦村にある美浦トレーニング・センター(1978年開設)の2か所がある。栗東トレセン所属馬は関西馬、美浦トレセン所属馬は関東馬と呼ばれている。それぞれ常時約2,000頭の競走馬が在厩しており、周回コースや坂路コース、競走馬スイミングプールなどの調教施設を利用してレースに向けたトレーニングを積んでいる。
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電線被覆材、ポリエステル不織布、ポリウレタン繊維、硅砂、ワックス等を混合した調教コースで栗東、美浦の両トレーニング・センターにある。優れた排水性を持ち、降雨による馬場の悪化や走行時のキックバックが少ない。またクッション性に優れ、グリップ力があるため滑りにくく、均一性の高い安定した馬場である。凍結抵抗性が高いので、冬季は不凍剤散布の必要がなく、 粘着性も強く、散水作業も不要であり、乾燥時でも埃が少ないというメリットがある。「オールウェザー」、「全天候馬場」とも呼ばれている。
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出走馬が、スターターの合図で、一斉にスタートを切ることができるように考案されたもの。日本では、最初は旗を振ったりしていたが、1926年から濠州式バリヤーという、綱をコースの内外にわたし、バネで斜め前上方にはね上げるタイプのものを使っていた。しかし、馬が静止しないため、突進、回転をして出遅れのトラブルが絶えなかった。そこでJRAは、1960年からウッド式という軽くて移動が簡単な、パイプを組み合わせたような前扉が開くタイプのものに切り替えた。しかし、軽いので馬が暴れるとゲート全体が動くのと、第一歩を踏み出すとき、馬が脚元のパイプを踏むおそれがあり事故の危険があった。そこでウッド式の欠点を改良し、電動式で前扉が開くJSG48型と呼ばれる発馬機を1975年から使用。その後、1985年、1990年、1995年、2000年と改良を重ね、2007年6月からは操作性、安全性を高めた最新型のJSS30型を使用している。JSS30型には、全馬の枠入りが完了した時に、後方にいる発走委員が台上の発走委員に合図する際に使用する枠入り確認ランプが設置されている。
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ゴールから1ハロンごとにたてられた標識のことをいう。日本では1ハロンを200メートルに換算している。(本来は1ハロン=1マイルの8分の1、つまり約201.17メートル)。しかし、ハロン棒に書かれている数字は、ゴールまでの距離をハロンの単位で表しているのではなく、残り何百メートルかを表している。つまり、ハロン棒に4と書かれている場合、残り400メートルの意である。
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傾斜がつけられた調教コースで、1985年に栗東トレーニング・センター、1993年には美浦トレーニング・センターに作られた。馬場材にはウッドチップを使用している。平坦なコースと比較してスピードが遅くても運動負荷をかけることができ、脚にかかる負担を減らすことができるのがメリットの1つ。坂路コースでの反復調教を繰り返すことで、心肺機能や後肢の鍛錬になる。
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競走馬を競馬場や牧場に輸送するための車両。最大で4頭積載できる。内部にはサスペンションや空調が完備されている他、運転席からはモニターで競走馬の様子を監視できるようになっている。輸送中の急ブレーキ・急ハンドル・急発進によって競走馬に負担がかかることのないよう、安全運転が徹底されている。
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競走馬が競走したり、調教をしたりする場所をいう。用途別に分類すると本馬場、調教馬場、障害馬場、障害調教馬場、発走調教馬場、追馬場等となり、築造材料別に分類すると芝馬場、ダート馬場、ウッドチップ馬場、ゴムチップ混合馬場、ポリトラック馬場等となる。また構造・形状別に分類すると平地馬場、坂路馬場、角馬場、丸馬場等となる。
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登り下りの坂のことで、福島競馬場や小倉競馬場の障害コースと、京都競馬場の大障害コースにある。なお、中山競馬場の障害コースの坂路(谷)もバンケットと呼ばれることがある。
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走路の各コーナーの外側に設けられた監視塔。競走中にインターフェア(妨害)があったかどうか、騎手の騎乗ぶりはどうかなどを監視する走路監視員が執務している。また、パトロールタワーでは裁決委員が競走監視用として使用するパトロールビデオの撮影も行っている。
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福島県いわき市の「競走馬リハビリテーションセンター」内にある施設で、骨折や屈腱炎などの脚の故障で十分にトレーニングを積めない療養馬の運動不足を、脚に負担のかけない水泳を用いて解消させ、少しでも早く第一線に復帰させる目的で用いられている。現在、美浦・栗東の各トレーニング・センターにも設置されている。泳ぎの上手、下手はあるが、馬のカナヅチは皆無といわれ、療養馬たちは1周約40メートルのプールを毎日(5から10月)10周程度泳いで体力の維持に励んでいる。療養馬だけではなく、現役競走馬の調教法の一環としても行なわれている。
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一定の自然環境の中で競走馬の育成・調教に専念する施設として、1978年4月に茨城県稲敷郡美浦村に開設。約223万平方メートルの広大な敷地の中に、南北2つのトラック型調教コース、1200メートルの坂路調教馬場、競走馬スイミングプール、森林馬道といった様々な調教施設があり、2000頭を超える競走馬(主に関東馬)が、レースへ向けてトレーニングを行っている。
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JRAで最初のトレーニング・センターとして、1969年11月に滋賀県栗東市に誕生。広大な敷地の中に、6つのコースを持つトラック型調教コース、1085メートルの坂路調教馬場、競走馬スイミングプール、逍遥馬道といった様々な調教施設があり、2000頭を超える競走馬(主に関西馬)が、レースへ向けてトレーニングを行っている。