出走馬情報

カランダガン

せん4歳

調教師:F.グラファール(フランス)

  • 父:Gleneagles
  • 母:Calayana
  • 母の父:Sinndar
ここに注目!

ここ3戦はトップホースを相手に危なげなく勝利。フィジカル面に加えて、メンタル面も成長して本格化した印象だ。最大の武器は末脚の鋭さ。3走前のG1サンクルー大賞(フランス・芝2400メートル)の上がり600メートルは33秒67で、残り400メートルから200メートルのラップは10秒76を記録した。余裕ある臨戦過程にも好感がもてる。

昨年8月の英インターナショナルS(芝2050メートル)から、10月の英チャンピオンS(芝2000メートル)、今年に入って3月のドバイシーマクラシック(UAE・芝2410メートル、勝ち馬ダノンデサイル)、そして6月上旬のコロネーションC(イギリス・芝2410メートル)とG1で4度2着が続いたが、6月下旬のサンクルー大賞(G1・フランス)では後方待機から直線で抜群の末脚を披露して、前年の凱旋門賞2着馬アヴァンチュールに3馬身半差をつけて快勝。G1初制覇を果たした。その後は7月のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(G1・イギリス・芝2390メートル)でも最後方追走からカルパナ(昨年、今年とG1の英チャンピオンズフィリーズ&メアズSを連覇)をかわして優勝すると、そこから約3か月ぶりのレースとなった前走10月の英チャンピオンS(G1・芝1990メートル)でも後方2番手から鋭く追い込んで、G1のプリンスオブウェールズSと英インターナショナルSの勝ち馬オンブズマンに2馬身1/4差をつけて快勝。G1・3連勝としている。

クロワデュノール

牡3歳

調教師:斉藤崇史(栗東)

  • 父:キタサンブラック
  • 母:ライジングクロス
  • 母の父:Cape Cross
ここに注目!

日本ダービーではマスカレードボール以下を負かして世代の頂点へ。凱旋門賞(G1・フランス・芝2400メートル)は14着だったが、東京・芝2400メートルで巻き返しを期す。ジャングルポケット以来24年ぶりとなる、ダービー馬の同年ジャパンカップ制覇なるか、注目だ。

国内唯一の敗戦となっている皐月賞(2着)は、勝ったミュージアムマイルが天皇賞(秋)で2着、3着マスカレードボールがその天皇賞(秋)を制覇と、ハイレベルであったことが証明されている。何より日本ダービーが圧巻。序盤から好位につける正攻法の競馬で、直線では早めに追い出して後続を完封し、世代最上位の実力馬であることを再認識させた。前走の凱旋門賞(G1・フランス、14着)は初めての二桁着順に終わったが、勝ったダリズをプランスドランジュ賞(G3・フランス・芝2000メートル)では負かしており、決して力負けではない。再びの東京・芝2400メートルで古馬を含めた日本一の座を狙う。

マスカレードボール

牡3歳

調教師:手塚貴久(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:マスクオフ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

皐月賞は3着、日本ダービーでは2着と、春のクラシックではあと一歩で栄冠を逃したが、天皇賞(秋)で古馬相手にGⅠ初制覇を達成。素質の高さと成長力を証明した。ここでも海外の強敵ともども撃破を誓う。

前走の天皇賞(秋)は、レース史上まれにみるスローペースで推移し、極端な決め脚勝負となったなか、本馬は中団のポジションから直線で鋭く抜け出して快勝。平成以降で5頭目となる、3歳馬の天皇賞(秋)制覇を成し遂げた。極端に遅かったペースを思えば、2着ミュージアムマイルにつけた3/4馬身という着差は決定的なものだったと言ってもいいだろう。最新のロンジンワールドベストレースホースランキングでは、クロワデュノールの120に対して本馬は121と、現時点で日本の3歳馬でトップ。ここで同ランキング世界一のカランダガンを含めたメンバーを撃破し、世界に名をとどろかせたい。

ダノンデサイル

牡4歳

調教師:安田翔伍(栗東)

  • 父:エピファネイア
  • 母:トップデサイル
  • 母の父:Congrats
ここに注目!

昨年のダービー馬。今年のドバイシーマクラシック(G1・UAE・芝2410メートル)ではカランダガンを破って海外G1初勝利を果たした。既に世界レベルの実力馬。前走の英インターナショナルS(G1・芝2050メートル)は5着だったが、実績ある距離で巻き返しを期す。

日本ダービー優勝に加えて暮れの有馬記念でも3着に入るなど、昨年の実績だけでも日本指折りといえる実力馬。今年の現時点でのハイライトは、なんといっても前々走のドバイシーマクラシック(G1・UAE)制覇だろう。9頭立てのさばきやすい頭数だったとはいえ、直線残り200メートル付近から抜群の反応を見せて一気に先頭へ。カランダガンが追ってきたものの最後まで勢いは衰えず、異国の地で2つ目のビッグタイトルを獲得した。前走の英インターナショナルS(G1)は5着だったが、ドバイシーマクラシックで先着した面々を思えば、あれが実力でないことは明白。良績のある距離カテゴリーで巻き返しを期す。

タスティエーラ

牡5歳

調教師:堀宣行(美浦)

  • 父:サトノクラウン
  • 母:パルティトゥーラ
  • 母の父:マンハッタンカフェ
ここに注目!

一昨年のダービー馬。今年、香港のクイーンエリザベスⅡ世C(G1・芝2000メートル)で久しぶりに勝利の美酒を味わった。それ以来となった前走の天皇賞(秋)は8着とはいえ、見せ場十分の走り。秋2走目の今回は好勝負になりそうだ。

クラシック三冠は皐月賞2着、日本ダービー1着、菊花賞2着という成績。以後、我慢の時期もあったが、今年のクイーンエリザベスⅡ世C(G1・香港)で復活の勝利を遂げた。前走の天皇賞(秋)はそれ以来約6か月ぶりの実戦。久しぶりの影響もあったのかゴール前では伸びを欠いたものの、直線半ばで一度先頭へ立つかという場面を作り、反応と一瞬の脚が超一流であることを改めて示すものではあった。初重賞制覇となった弥生賞ディープインパクト記念がそうだったように、実戦を使って良くなる傾向がある馬。今回は日本ダービー制覇を果たした舞台と、一変するだけの材料はそろっている。

シンエンペラー

牡4歳

調教師:矢作芳人(栗東)

  • 父:Siyouni
  • 母:Starlet's Sister
  • 母の父:Galileo
ここに注目!

ホープフルS2着、日本ダービー3着、愛チャンピオンS(G1・芝2000メートル)3着と早くから強敵相手の好走歴があり、昨年のジャパンカップではドゥレッツァと同着での2着に好走した。ここ2戦が物足りないが、一変があっても何ら不思議はない。

強力にプッシュできるのが昨年のジャパンカップ。スタートから果敢にハナを奪ったが、向正面で動いてきたドゥレッツァらを先に行かせて控える形に。並の馬ならそこでリズムを崩してもおかしくないところだが、本馬は控えてからも折り合い、直線では好位のインから脚を使って、一度は前に出られたドウデュース(1着)、ドゥレッツァ(2着同着)を差し返す格好を見せての同着2着。敗れたとはいえ、中身の濃い力走を見せた。今年はサウジアラビアのネオムターフC(G2・芝2100メートル)を勝って海外重賞初制覇。呼吸器系の疾患で凱旋門賞(G1・フランス)を回避したが、帰国後は順調に調整されている。昨年好走のこのレースで仕切り直しを図る。

ドゥレッツァ

牡5歳

調教師:尾関知人(美浦)

  • 父:ドゥラメンテ
  • 母:モアザンセイクリッド
  • 母の父:More Than Ready
ここに注目!

一昨年の菊花賞馬。その後は勝利こそないが、昨年のジャパンカップは2着同着、今年初戦となったドバイシーマクラシック(G1・UAE・芝2410メートル)ではダノンデサイル、カランダガンに次ぐ3着と、長丁場での実績が光る。今年も侮れない。

初勝利から菊花賞まで5連勝。上がり馬として大いに注目を集めた。また菊花賞のパフォーマンスも秀逸。17頭立ての大外枠という厳しい条件のなか、1周目の坂の下りで先頭に立つと、2周目向正面では3番手まで抑えて我慢。直線へ向くと好位差しの形で突き放し、2着タスティエーラに3馬身1/2差をつける快勝だった。その機動力と持久力は昨年のジャパンカップでも遺憾なく発揮され、向正面で一気に先頭。直線でも勝ったドウデュースにしぶとく食い下がって2着同着に持ち込んだ。前走の京都大賞典(8着)は、休み明けに加えて稍重馬場も合わなかった様子。ここは見直しが必要になる。

11月30日(日曜)6時55分

出走取消

ジャスティンパレス

牡6歳

調教師:杉山晴紀(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:パレスルーマー
  • 母の父:Royal Anthem
ここに注目!

一昨年の天皇賞(春)でGⅠ初制覇。以後、勝ち星にこそ恵まれていないが、ここ2戦は宝塚記念と天皇賞(秋)で連続3着と、輝きを取り戻しつつある。天皇賞(春)勝ちが示す通り、距離延長は望むところ。新たな勲章を獲得したい。

一昨年の天皇賞(春)で念願のGⅠ初制覇を果たすと、その後は宝塚記念3着、天皇賞(秋)2着、有馬記念4着と充実の一年を過ごした。その後は苦戦が続いたが、ブリンカーを着用した今年の宝塚記念では久しぶりにこの馬らしい末脚を発揮して3着。前走の天皇賞(秋)も展開不向きのなか上がり3ハロン32秒6(推定)の脚を使って3着と、明確に復調ムードがうかがえる。特に前走はスタートが決まって、すんなりと流れに乗れた点も大きかった。中間は在厩調整で順調に乗り込みを消化。1週前追い切りでは昨年のジャパンカップ(5着)以来となるC.デムーロ騎手とのコンタクトも済ませた。完全復活へ態勢は整っている。

ディープモンスター

牡7歳

調教師:池江泰寿(栗東)

  • 父:ディープインパクト
  • 母:シスタリーラヴ
  • 母の父:Bellamy Road
ここに注目!

前走の京都大賞典で重賞初制覇。実に重賞挑戦15度目でのタイトル奪取となった。遅咲きである一方、将来を嘱望されていた良血馬が7歳秋にして本格化の様相を見せている。勢い十分にGⅠでの飛躍を期す。

3歳時はすみれS(リステッド・阪神・芝2200メートル)を勝って皐月賞7着、日本ダービー16着、菊花賞5着とクラシック三冠を皆勤。早くから素質の片りんを見せていた。昨年秋のチャレンジC(2着)で重賞初連対を果たすと、今年は目黒記念4着、小倉記念3着、新潟記念3着と重賞で連続好走。そして前走の京都大賞典ではインで脚をためて直線も内へ。逃げていたサンライズアースを差して待望の重賞初制覇を遂げた。地力強化はもちろんのこと、ここにきて競馬のうまさ、終いの鋭さも加わってきたように思える。前走・京都大賞典組は過去10年のジャパンカップで3勝を挙げている点にも注目したい。

ブレイディヴェーグ

牝5歳

調教師:宮田敬介(美浦)

  • 父:ロードカナロア
  • 母:インナーアージ
  • 母の父:ディープインパクト
ここに注目!

一昨年のエリザベス女王杯の勝ち馬。昨年からは距離を短縮して、府中牝馬Sの優勝のほかマイルチャンピオンシップ4着、安田記念4着と上位争いに加わった。10着だった前走の天皇賞(秋)は完全な流れ不向き。末脚比べならここでも上位に推せる存在だ。

戦績上で強調できるのが一昨年のエリザベス女王杯と昨年の府中牝馬Sだ。前者は当時わずか4戦のキャリア、オープンクラス勝ちすらないなかでの戴冠で、非凡さを大いにアピールした。その後の脚部不安もあってほぼ1年ぶりの実戦となったのが、後者となる府中牝馬S。この時は後方からとても届くまいという位置取りからの追い込み、上がり3ハロン32秒8(推定)という驚異的な末脚で重賞2勝目をゲットした。その後はGⅠで健闘しながらも勝利に手が届いていないが、前走の天皇賞(秋)は10着とはいえ勝ち馬と0秒5差。ここで通用するだけの地力も末脚も備えている。

(外国馬=秋山 響(TPC)、日本馬=山下 健)

ご注意 「今週の注目レース」ページの情報は、特別レース登録馬や過去のレース結果に基づいて制作しております。JRAが特定の競走馬を応援、推奨するものではありません。出走取りやめ、出走取消などにより、掲載した競走馬がレースに出走しないことがあります。

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